「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

観劇レポ

今年も楽しい「歌舞伎鑑賞教室」~日本振袖始

本日は、若い人を二人連れて、国立劇場歌舞伎鑑賞教室に行ってきました。 コンパクトな内容。歌舞伎の見方が面白い。安くてコスパがよい。 というわけで、いつもおススメしている歌舞伎鑑賞教室です。 ▲いつもと違う幕だわー 11時開演、歌舞伎の見方が25分。…

狂言「惣八」・能「半蔀」~国立能楽堂 観劇レポ

昨日は能を観に行ってきました。 先週行っていた山形旅行のことをぽつぽつ書いているので、時系列が錯綜していますが、ご容赦ください。 国立能楽堂はいつ行っても気持ちがいいですね。写真がないけれど。 本日の演目は 狂言・大蔵流「惣八」と 能・観世流「…

一幕見で見る扇獅子~美しくて眼福よ

6月歌舞伎座初日に昼の部の扇獅子を幕見してきました。 山形旅行に行っていたもんでだいぶレポが遅くなっちゃったけれど。 3年ぶりに開いたドア! ヒミツの扉、オープン♪ なんともうれしかったなあ。 少しずつシステムが変わったので、以前と全く同じという…

木ノ下歌舞伎~糸井版摂州合邦辻~すばらしく面白いよ!

本日は、KAAT神奈川芸術劇場で「木ノ下歌舞伎 糸井版摂州合邦辻」を観てきた。再演も3回目とのことで、さすがに練り上げられた素晴らしい作品だった。私は初めてだったけれど、とても感動した。 古典と現代とのまぜこぜなのに、違和感なし 歌が素敵 優しい…

達陀(だったん)〜お水取りをリスペクトした清らかな舞踊劇

ティンパニーがとどろき、シンバルが響く。お経の声が低く、高く聞こえて、いつもの歌舞伎座から不思議な世界へと一挙に誘われた。 命がけで祈る 甘く艶やか。美の極致の前半 僧の群舞が圧巻の後半 受け継ぐ役 粛々と祝う 命がけで祈る 京都のお水取りを見た…

「道行再考」観劇レポート~古典と現代がつながった!

ゴールデンウィークが始まって早々、伊丹、神戸、大阪、京都と駆け足で巡ってきた。 目的の一つがこちら!4月29日に伊丹アイホールで行われた「道行再行」の観劇。 「道行再考」とは ★平知盛の道行 ★巴御前の道行 ★二人の六条御息所の道行 ★芦刈の道行 ★俊徳…

厳しい父ちゃんと食らいつく息子の、リアル連獅子~松緑・左近

と4月の演目紹介に書きましたが、まさに!そうなりました。 munakatayoko.hatenablog.com 今の左近クンより小さい時に父辰之助を亡くした松緑、ついにお父さんと連獅子を踊ることは叶いませんでした。 左近クンには小さな時から「いつ父が亡くなってもいいよ…

FFX 感想レポ~若干日にちがたってしまいましたが

→ 行った日に書いた「感想以外のレポ」から続きます munakatayoko.hatenablog.com 壮大な物語に唖然とする あらためて思う歌舞伎役者の実力 劇場を活かした演出 祈り子、丑之助の名演に涙 超歌舞伎などで培った経験が役立ったね。獅童さん 新作歌舞伎と銘打…

芸達者な役者が魅せる 一條大蔵譚 五條橋 国立劇場 3月歌舞伎

ランキング参加中All About公式ガイドグループ 入門「源氏の旗揚げ」 曲舞のあらすじ 曲舞の 見どころ 奥殿のあらすじ・見どころ 五條橋 みどころ チケットの購入 上演スケジュール チケット代 3月は、豊洲で菊之助のファイナルファンタジーXが大評判ですし…

はまった!三人吉三 観劇レポ

2月の歌舞伎座がとても充実していた。 1部は、三人吉三の半通しである。三人吉三と言えば大川端の場しか知らない人も多いのではなかろうか。全部知っていた上で、大川端の場を見るならともかく(それを見取りというのだけれど)ココだけ見てもねえ。ちなみに…

船弁慶~鷹之資あっぱれ 富十郎追善狂言 

哀しみの静と荒れ狂う知盛との二役が眼目 鷹之資にとっての船弁慶とは ぴりりと引き締まる舞台 丁寧な静の舞 軽やかな間狂言 地獄の底より知盛登場 一調一管の出打ち 型の違い 2月2部の船弁慶が話題である。五世中村富十郎の十三回忌追善狂言として、富十…

木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」初日観劇レポ

池袋あうるすぽっとにて2月2日初日に観てきた。 ネタバレがあるので、これから観る人は読まないほうがよいです~。 よかったところ 舞台は舞台であり、楽屋であり、観客席であり 幽霊役には何と! ざわつく心をあらわす音楽 美しい石橋静河 ストーリーを追え…

七之助を堪能「十六夜清心」 歌舞伎座3部観劇レポ

十六夜清心は、序幕、二幕目、大詰めとガラリとキャラ変するところが面白い。 序幕は、遊女十六夜に入れ込んだことが発覚し寺を追われる清心と、その清心を追って廓を抜け出す十六夜の出会い。清心を追って暗闇の中やってきた十六夜の草履の鼻緒がつっと切れ…

浅草歌舞伎1部 「引窓」「男女道成寺」 観劇レポ

ピリっとして気持ちのいい寒さの中、浅草へ。(1月20日) 引窓~双蝶々曲輪日記 あらすじ見どころはこちら。 munakatayoko.hatenablog.com 南与兵衛は、父の名前「南方十次兵衛」を名乗ることを許されて刀と十手を拝領して、ウキウキで帰ってくる。仕事に対…

弁天娘女男白浪 ~歌舞伎界をしょって立つ男たちの心意気を見た 歌舞伎座1部感想

1部観てきました♪ 初心者にも誰にでもおすすめできる並びでした~。 二つの演目感想を書いておきます。 卯春歌舞伎草紙~ふりそそぐ紙吹雪に多幸感 弁天娘女男白浪 ~見てくれ俺を!俺たちを!歌舞伎を!の心意気を感じた 卯春歌舞伎草紙~ふりそそぐ紙吹雪…

「壽恵方曽我」「人間万事金世中」観劇レポ~歌舞伎座2部

歌舞伎座2部に行ってきました。初歌舞伎観劇の親戚のM子を連れて行っておもしろかった。 筋書を見て「これ全部読むのに、1年くらいかかりそう~」 勘亭流の字を見て「うわー。この字、なにー?よめなーい」 「この緞帳は~」というアナウンスを聞いて「くら…

傾城反魂香~又平の絶望と希望と~新春浅草歌舞伎

おとくについて書いたので、又平についてもちょこっと。 今回は、歌昇の又平。これまたよかった。吉右衛門からみっちりとしごかれた歌昇さん。それが目に見えぬ財産となって体に染みついていることは素晴らしいこと。 又平は、うまくしゃべることができない…

傾城反魂香~おとくのカラ元気~新春浅草歌舞伎2部

花道に登場したときに、とても暗い顔をしている又平とおとくです。 傾城反魂香のあらすじとみどころはこちら。 munakatayoko.hatenablog.com これは、その前に百姓たちに出会っており、弟弟子である修理之介が見事虎を消すという奇跡を見せ、土佐の名前を頂…

遠山桜天保日記~国立劇場初日観劇レポ~楽しく華やかに

初芝居は国立劇場へ 本日は、国立劇場初日へ。行くのを初日にしたのは、菊五郎劇団のご挨拶がこの日のみあるからだったのに、時間遅れてご挨拶見損なう。がっくり。 お話は遠山の金さんの遠山桜天保日記。いつものように、菊之助のナレーションから始まって…

楽しくて新しい可能性がいっぱいの逸青会~観劇レポ

逸青会に行ってきました。 ▲これ見ただけでおもしろそうってなる セルリアンタワー能楽堂。素敵な空間。 もう14回目になるという逸青会に私が行ったのは今回初めてです。行く気になったのは9月3日に行った「尾上菊之丞の会」がとても面白かったからです。 …

團十郎襲名 11月昼の部 観劇レポ

昼の部と夜の部と両方見て、どちらもよかったけれど、どちらかというと祝祭感が高めだったのは昼の部のような気がする。 やはり、祝成田櫓賑(いわうなりたこびきのにぎわい)のような演目で、役者たちがいっぱいでてきて皆で襲名を寿ぐ感じがいい。 祝成田…

團十郎襲名 11月夜の部 観劇レポ

10月31日と11月1日に2日間のみ行われた十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念歌舞伎座特別公演を皮切りに始まった襲名披露公演。11月から2ヵ月にわたり歌舞伎座で行われます。特別公演には私は行けなかったのですが、11月の昼の部、夜の部を観劇できましたので…

なんてこった!心中宵庚申

悪い人は1人も出ないのに悲劇の結末。なぜ、悲劇になるかといえば、当時の価値観が「人の命」より親や家に対する「忠義」が上回っているからだ。「まあ人の命が一番大事よね」の今に生まれて良かった。現代でも「命が一番」ではない世界にいる人は一刻も早く…

中村仲蔵たっぷり満喫「歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵」

国立劇場の11月公演に行って来た。 「歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵」。 落語「殿中でござる」 小朝の落語。まずは 「殿中でござる」でざっと忠臣蔵の全体がわかるのがとてもよい。今では「忠臣蔵」を知らない人も多いらしいからね。 「殿中でござる」は吉良さ…

荒川十太夫 観劇レポ

9月30日に聞いた講談の「荒川十太夫」。歌舞伎の荒川十太夫は6日と10日に観てきました! 9月30日の特撰講談会についてはこちら! munakatayoko.hatenablog.com あらすじ 見どころ ★人として正しいこと。相手を思いやるということ ★演出のうまさ ★照明・舞台…

仮名手本忠臣蔵 七段目観劇レポ ~秀山祭

私は仮名手本忠臣蔵が大好きで、中でも七段目は特別好き。五、六段目から打って変わってパッと明るくなる華やかな舞台に目が覚めるよう。 昨年の七段目 今回の七段目 仁左衛門の由良之助、雀右衛門のおかる 吉右衛門はどう演じたか 平右衛門 昨年の七段目 去…

寺子屋観劇レポ~役者の解釈の違いなど

▲お鼻が光ってしまってごめんなさい! 10月になってしまいましたが、秀山祭レポ続きです。 奇数日 松王丸 松緑 源蔵 幸四郎 偶数日 松王丸 幸四郎 源蔵 松緑 ということで話題になった秀山祭の「寺子屋」 ちなみに幸四郎、松緑いずれも七代目松本幸四郎のひ…

泣ける「藤戸」 背景・あらすじ・みどころたくさん・感想レポ

3部の「藤戸」。初めて観ましたが、とても素晴らしかったです。 あらすじ見どころ感想です。 ■概況 ■平家物語「藤戸」 ■佐々木盛綱、自分が殺した漁夫の母に会う みどころ 品格のある舞台 ■間狂言。 ・みどころ 踊り達者な丑之助と支える米種に心和む ■悪龍…

白鷺城異聞 ~あらすじ観劇レポ 秀山祭

初日の秀山祭に行って1部、2部を観劇してきた。 抜けるような秋の空に、胸を張るようにたなびく「秀山祭」の幟。吉右衛門丈の追善とは哀しいことだけれど、せめて青空でよかった。 まずは白鷺城異聞。松貫四(吉右衛門のペンネーム)の構成・演出によるもの…

「尾上菊之丞の会」に行ってきた!

本日は、「尾上菊之丞の会」に行ってきた。いろいろな意味でとても良かったのでご紹介します。 猩々 鏡の松 蝶の道行 八俣の大蛇 最後に 猩々 猩々は伝説の妖精。その中のエピソードの一つが日本に伝わって、能「猩々」ができました。 どれだけ酒を飲んでも…

弥次喜多流離譚 感想レポ

今までそれほど弥次喜多に思い入れがなかったので、今回も見るのはどうしようか悩むくらいでしたので、後半にチケット取って、まあ見られなくても仕方がないかな程度だったのですが、結果落涙する始末(;'∀') 感想を書いておきます。 良かったところ ちょっと…

第28回 稚魚の会・歌舞伎会合同公演レポ

毎年夏のお楽しみ。稚魚の会・歌舞伎会合同公演初日に行ってきました。国立劇場小劇場にて8月12日~16日 稚魚の会・歌舞伎会とは 双蝶々曲輪日記 俄獅子 稚魚の会・歌舞伎会とは 国立劇場の研修修了者による「稚魚の会」。そしてそれ以外の一般出身者の名代…

新選組 観劇レポ

納涼歌舞伎第1部。 手塚治虫原作の「新選組」を歌舞伎化。 原作をみてから観劇をしたので、思ったよりずっと原作寄りで、しかも手塚治虫へのオマージュがすごくて驚いた。 大道具、小道具、セリフ、ストーリーすべて。 のっけから舞台脇に漫画のコマワリ。 …

紅葉狩 ~国立劇場歌舞伎鑑賞教室~おすすめ

いささか季節感は外れていましたが(歌舞伎ではよくあることw)、美しい紅葉で舞台が彩られました。国立劇場で「紅葉狩」を観てきました。 歌舞伎鑑賞教室は、おススメです。その理由はこちらに書いてあります。munakatayoko.hatenablog.com 簡単なあらすじ…

新・三国志~さまざまな思いを乗せて 観劇レポ

1999年に新橋演舞場で初演されたスーパー歌舞伎「新・三国志」が今回再演。前回のものを見ていないのだが、ダイジェストのような形で、一部をみる機会があった。京劇の俳優がのっけから出てきて派手派手なアクションを繰り広げ、本水は、生半可な本水ではな…

糸桜~黙阿弥家の人々 ふたたび

観劇した。11月29日と30日でたった3回の公演で、もったいないような愛しい作品だった。 原作は河竹黙阿弥の孫である河竹登志夫の「作者の家」。河竹黙阿弥の作品を守ることをおのれの使命と信じて生きる娘の糸、その養子となった河竹繁俊、嫁のみつの話。 糸…

初日「真景累ヶ淵 豊志賀の死」を観る

8月花形歌舞伎2部の「真景累ヶ淵 豊志賀の死」、初日に観劇しました。 美しい!七之助豊志賀 演技で魅せる幽霊 怖れる!鶴松新吉 上手い!勘九郎 鶴松クン大抜擢。 先日のブログで、過剰に笑いを取るような化粧や演出はしないでほしいと役者さんにお願いを…