1部観てきました♪
初心者にも誰にでもおすすめできる並びでした~。
二つの演目感想を書いておきます。
卯春歌舞伎草紙~ふりそそぐ紙吹雪に多幸感
年明けの歌舞伎座一発目の演目らしく、華やかでにぎやかで、多幸感いっぱい。今年こそいい年でありますように!願わずにはおれません。
歌舞伎を始めたのは出雲阿国。京で評判となって出雲の国に戻ってくるとのことで皆が待ちわびています。そこへ、待ってました。出雲阿国が戻ってきて、さらに亡き恋人も現れて。という内容ですから、まずは村人たち。そして一座の面々、出雲阿国、恋人名古屋山三と、次から次へと、美しい絵本のページをめくるように、人々が出てきて踊るので、それはそれは美しい、まさに絵巻物。大勢の役者たちが華麗に踊り、ちらほらと舞い落ちる紙吹雪。
特に目をひくのは何といっても出雲阿国の七之助。猿之助がしっとりと寄り添います。そして一座の若衆、勘九郎と愛之助ががっちり脇を固めます。
そして、女歌舞伎、若衆たちが若手を中心にずら~り。
2部の壽恵方曽我も華やかでしたが、なんといっても1部の卯春歌舞伎草紙は、出てくる人数がとても多いので、華やかさが一段違いました。
弁天娘女男白浪 ~見てくれ俺を!俺たちを!歌舞伎を!の心意気を感じた
弁天娘も何度もかかっている演目ですが、近年では一番よかったように思いました~。(個人の感想です)
愛之助のきっぱりとした弁天小僧。そしてそれを受け止める勘九郎の南郷力丸、安心感があってとてもよかった。私は辰之助の南郷力丸がベストなんですが、これを上書きしてくれたかなと思うほど、かっこよくて、安心感があって、愛嬌もあって、すてきな南郷力丸でした。
浜松屋店先では、お定まりの演出で粛々と進み、松之助の番頭もいつもの通りの良さでしたが、今回特にかっこよかったのが鳶頭清次の又五郎っ!
鳶頭の清次は、お店付きのボディガードみたいなもので、お店にもめごとがあったときにはでてきて収める役どころ。スッと出てきたところは、ひゃっと声が出るほどかっこよかったですねえ。いかにもスマートに物事収めそうなんだけれど、あんまり法外な値段をふっかけられて本人がカッと頭に血が上ってしまって、収めるどころかますます炎上しそうになって、追い出されるという役どころ(笑)。
着物の裾さばきのいなせなこと。物言いの粋なこと。全く又五郎は何をやらせてもうまくてほれぼれします。
五人男勢ぞろいで並んだ5人は、本当に今の歌舞伎界を担っている人々で
南郷力丸が勘九郎
忠信利平が猿之助
赤星十三郎が七之助だもの。
日本駄衛門が芝翫で、ちょっとおじさまだけれど、とにかくこの並びは強かった。胸熱でした。
なんというか、「俺たちが歌舞伎界をしょって立つ」みたいな矜持、「見てくれ!俺を!俺たちを!これからの歌舞伎を!ドヤっ!」という強烈な意思、オーラがビンビンで、3階から観ていても迫力があり、大丈夫なんだな。と思えたのです。
大丈夫って何が?って話ですが、コロナでも観客が減った時期があっても、何があっても、歌舞伎は大丈夫なんだな。歌舞伎座はいつでも私たちを待っていてくれているんだな。そんな気がしました。
早く通しで観たいな~。
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