と4月の演目紹介に書きましたが、まさに!そうなりました。
今の左近クンより小さい時に父辰之助を亡くした松緑、ついにお父さんと連獅子を踊ることは叶いませんでした。
左近クンには小さな時から「いつ父が亡くなってもいいように」厳しく接してきたといいます。なかなか今の世にそんな親子関係、ないですよね。
まさに蹴落として蹴落として、這い上がってくるのを待っている親獅子なのです。
いつもは一途にまっしぐらな松緑が、熱くなることなく淡々と踊る姿が清々しく、左近君は親についていくけなげな子獅子。一度オペラグラスで覗いたら、眼がギラッギラだったので驚きました。
私は幸い2回観ることができました。
1回目は、2日目。最後の毛振りが長く長く、何回回していたのだろうか。あれは親獅子が「やめ」というタイミングを出すまでは続くといいますから、仔獅子も鳴り物さんたちも大変です。長くしかも丁寧な毛振りに
「まだ続いている!がんばっている!」と途中から涙で視界がうるんでしまいました。
もう一度の観劇は千穐楽でした。実際はこの時の方はさらに長かったようです。
しかし、私はもう長いとは感じませんでした。
一旦休演をはさんだものの、千穐楽まで無事終えた。松緑は歌舞伎座で息子の左近クンと連獅子を踊ることができて、お客さんもたくさん入って今とても幸せだろうなあ。
いつまでもいつまでも振っていたいのではないだろうか。
そう思えて、私もその気持ちに一緒に心をゆだねるように、いつまでもいつまでも今、この瞬間が続くといい。そんな気持ちで観ていたので、あっという間でした(;^_^A
多分こういうセンチメンタルな「親子だから」とか「苦労をして」とかそういう感想はもっとも松緑さんが忌み嫌うべき感想だと思いますが、
しょうがないじゃないか。そう感じてしまったのだから。
無事千穐楽を終え、おめでとうございます。すばらしかったです。
連獅子の歴史にまた新たな1ページが追加されました!