「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

楽しくて新しい可能性がいっぱいの逸青会~観劇レポ

逸青会に行ってきました。

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▲これ見ただけでおもしろそうってなる

 

 

セルリアンタワー能楽堂。素敵な空間。

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もう14回目になるという逸青会に私が行ったのは今回初めてです。行く気になったのは9月3日に行った「尾上菊之丞の会」がとても面白かったからです。

 

その時に、逸青会のチラシがあり、これもおもしろそうだな、この二人(尾上菊之丞茂山逸平)がやるのであれば…と思いました!

 

そして14回目という今回のゲストは、まるること中村莟玉さん!

期待を裏切らぬ楽しい会でした。

 

東京公演は、12月10日の1時~と4時~の2回。

京都公演は、12月24日3時~の1回のみ。

演目は新作の「きつね」以外は、全て違います。

 

私が観たのは10日の1時から。演目は3つです。

 

清元 北州 

菊之丞さん。

北州というのは、当時吉原が江戸城の北にあったことからそう呼ばれていたそうです。吉原に生きる人たちをそれぞれ踊りで表現していきます。松の位の太夫、遊客、物売り、武士、馬子など鮮やかに踊り分けていきました。

 

狂言 寝音曲

逸平さん。

謡が得意な太郎冠者。でも主人にバレると、あれを謡え、今日は客人が来たから謡えといろいろうるさそうなので内緒にしていましたが、ある日家の前を通りかかった主人にバレてしまいます。

「いやあ、うまいじゃないかお前、さっそく謡ってくれ」と頼まれますが、なんとか逃げたい太郎冠者。あれやこれや酒を飲まないと謡えないとか、寝ていないと謡えないとかいろいろ言って逃げようとするのですが…。

とっても楽しくて愉快な太郎冠者でした。それにしても今も昔も上司ってうっとうしくて面倒くさいものなのですね(笑)。

 

きつね

新作です。あまりネタバレはしちゃいけないみたいなので詳しくは書きませんが、とても楽しかったです。ちょっと中年でお疲れ気味の信太の里のきつね二匹(菊之丞と逸平)が、人間の手によって減っていくきつねの存亡の危機を救うために立ち上がるのですが、そこに若いきつねも登場!

まるるきつねがかわいくてかわいくて、たまりません。最後にはえーっという展開もあり最後まで見逃せません。

歌舞伎好きな人には、四の切のきつねを彷彿とさせてくれますし、日本舞踊・能・狂言としても楽しいですし、現代語でわかりやすいし、能舞台なので役者が近くてうれしいし、子どもでも能狂言初心者の人も楽しめる新しい時代の作品として、たくさんの可能性を秘めていると感じました。

 

しかし、体力的にきついだろうな。莟玉さんはニコニコ笑顔が明るくまぶしかったです。とても楽しそうにクルクル踊っていました。

 

終演後、挨拶に出て来られた菊之丞、逸平のお二人は、息もあがってゼイゼイしていました。お疲れ様です!

 

菊之丞の会のときの記事はこちら

munakatayoko.hatenablog.com