納涼歌舞伎第1部。
原作をみてから観劇をしたので、思ったよりずっと原作寄りで、しかも手塚治虫へのオマージュがすごくて驚いた。
大道具、小道具、セリフ、ストーリーすべて。
のっけから舞台脇に漫画のコマワリ。
雪の積もった背景も線がいつもの歌舞伎の書割とは違う丸っこい手塚漫画!よくよく見ると雪の中に「んんん?あれは、もしやレオ?パンジャ?」
「志る古」の暖簾の文字も正に手塚治虫の字ですよね、あれ。そして、ちょろちょろとひげ親父が出てきたり、死体を運ぶところではブラックジャックが出てきて「これはもう無理」と死の宣告をしたり、あっちょんぶりげというセリフが出たり、三つ目、襖絵が火の鳥だったり、下座音楽がアトムだったり。いろいろと細かいところに手塚キャラを探すのも楽しかった。
私は別に手塚漫画の熱烈なファンではないけれど、アトム、レオ、リボンの騎士で育った世代なのでそれなりの親近感がある。そういうシニアは多いのではないかな。だからスルンとこの世界に入れた。そういう意味では、漫画原作の新作歌舞伎の中で「ワンピース」「NARUTO」「風の谷のナウシカ」より圧倒的にシニアに親和性が高かったかもしれない。手塚漫画、温かいよねえ。
私の子どもは、手塚ファンなので今回の歌舞伎を観られないことをとても残念がっていたし、「観たい!」と言っていたので、歌舞伎の間口を広げる意味では大成功だったと思う。
咲十郎さん=日下部太郎さん。すばらし!
ストーリーもわかりやすい。仇討ちだけれど、仇討ちに固執していても無意味というテーマは子どもにもわかりやすくて、夏休みに親子や3世代で見るにはとても良いと思った。初めて歌舞伎を観る人にもおススメできる。
観終わってから、歌舞伎座ギャラリーへ。
松竹と手塚漫画のコラボ企画が開催されていました。
手塚漫画のキャラクターたちが歌舞伎の扮装をしているんですが、これがなかなかよくって。
そう!そうだよね!という感じ。
アトムは狐忠信!
もちろん、パンジャとレオは連獅子!
かわいいのは、所化の三つ目。
一番ウケたのは
たのしゅうございました。