「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

白鷺城異聞 ~あらすじ観劇レポ 秀山祭

初日の秀山祭に行って1部、2部を観劇してきた。

 

抜けるような秋の空に、胸を張るようにたなびく「秀山祭」の幟。吉右衛門丈の追善とは哀しいことだけれど、せめて青空でよかった。

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まずは白鷺城異聞。松貫四(吉右衛門ペンネーム)の構成・演出によるものだ。

とても歌舞伎らしくて面白かった。松貫四の作品は面白い。歌舞伎のセカイを壊さずに、作ってくれるから。2017年の秀山祭で上演された 再桜遇清水(さいかいさくらみそめのきよみず)も、面白かったのだけれど、今にして思えば清玄と桜姫のセカイのアレンジだった。

 

その時にも「すごく面白くて、これが歌舞伎の楽しさだ」とか「宙乗りなんてないが、歌舞伎の良さを満喫できる」などと、絶賛している(私が (^^)/)。

これも来年あたり、やってくれないかな。

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さて、白鷺城。バーンと中央に出たお殿様本田平八郎忠刻がすごいイケメンでびっくりしたら又五郎さん!

新妻、千姫のために宴を催している。米吉、梅枝が一指し舞うのが目の保養。米吉が大人っぽくなってきた。梅枝はやっぱりひらひらと舞が上手。

 

最上階に妖怪が現れるというので、用心棒として呼ばれたのが宮本武蔵歌六だ。頼もしい用心棒だ。これは姫路城にある伝説をもとにしている。

 

宮本武蔵は巌流島の決闘のことなどを身振り手振りを交えてお話し、場を盛り上げる。

お礼にと千姫も舞を舞う。ところが、いきなり苦しみだす千姫

 

ええい、化け物が出たか、神刀をもって退治せん。いざ!と、宮本武蔵と養子の三木之介(萬太郎)は天守閣に登り妖怪退治へ!

 

ほのぼのとしていた前半から打って変わって、後半は妖怪と戦う宮本親子。美しき妖怪は七之助刑部姫。こりゃー、強いぞ。そして満を持して現れたのが秀頼の霊、こちらは勘九郎だ。

 

「大坂落城にて落命せし、我は秀頼の幽霊なり~~~」って。自分のこと「幽霊」って言います?(笑)

【追記】9月18日に行ったら、セリフが「秀頼なり~~」に代わっていました。

 

そして、「怨み重なる徳川家康。その孫のわが妻千姫、余を裏切り操破りしこの怨み。晴らさでおくべきや~~~」と言って秀頼の霊は暴れているのであった。

 

これはいかに武蔵とて、とてもかなわじと思いきや、武蔵の持つのは神刀。ええい!とそのパワーを繰り出して、絵面の見得で極まる。

 

前半の華やかさから一転、後半のドロドロも楽しく、割と短時間(45分)ですっきりと気持ちよく楽しんだ。

 

このほかの9月の演目はこちら!

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