やっぱりテンでは収まりませんでした(;^_^A
印象に残ったのは13.ほかにもいっぱいありましたが泣く泣く落としました。
片寄っていると思いますが、個人の趣味なのでご容赦ください。
- 2月 船弁慶 鷹之資
- 3月 一條大蔵譚 曲舞 又五郎(国立劇場)
- 4月 与話情浮名横櫛 仁左衛門・玉三郎
- 5月 不死鳥よ 波濤を越えて 四代目猿之助(明治座)
- 5月 韃靼 松緑
- 6月 摂州合邦辻(KAAT神奈川芸術劇場)
- 7月 京鹿子娘道成寺 菊之助(大阪松竹座)
- 8月 フェードル 京蔵 (国立劇場)
- 9月 車引 又五郎・歌昇・種之助
- 9月 連獅子 菊之助・丑之助
- 9月 一本刀土俵入 幸四郎・代役勘九郎
- 11月マハーバーラタ戦記 菊之助・丑之助・芝のぶ
- 12月 天守物語 玉三郎・七之助
2月 船弁慶 鷹之資
この舞台、富十郎の当たり役を若干23歳の息子鷹之資がやるということで、どんなものかと思ったけれども、前半の静御前からの後半の平知盛の演じ分け、迫力のある知盛が見事でした。間狂言もよかった。
3月 一條大蔵譚 曲舞 又五郎(国立劇場)
奥殿はよく出ますが、その前の曲舞は84年ぶり。なかなか出ることがなかったのは大蔵卿の演技が難しいからだそう。又五郎のひょうひょうとした演技が秀逸でした。
4月 与話情浮名横櫛 仁左衛門・玉三郎
恋に堕ちる瞬間を見られるという見初めの場からの切られ与三。ばんざーい!
仁左衛門の与三郎、玉三郎のお富でため息しか出てこない。珍しく1階に降りてみたのは、客席降りがあったから。目の前を与三郎がとおっていく幸せよ。
それにしても、仁左衛門玉三郎の破壊力がすごくて、もうほかの何にも見たくない!と思いつつ毎月歌舞伎座に通っております…。
5月 不死鳥よ 波濤を越えて 四代目猿之助(明治座)
舞台が良かったというより、16日にこの舞台を観てそのまま夜の部を見るという知人と別れて、私は19日に夜の部を見る予定だった。そしたら17日に例の事件が起こったというショッキング度に1票。歌舞伎界に激震が走った。これからどうなるのかわからないけれども、今のところ私が四代目猿之助を見た最後がこの舞台なのかと思うと複雑な気持ち。夜の部は隼人の代役で御贔屓繋馬を観たのだけれど、何も覚えていないのだ。
しかし、一連の発端となったセクハラパワハラ疑惑に関しては、うやむやにしてほしくない。
5月 韃靼 松緑
本物のお水取りの重厚な雰囲気を壊さず、舞踊として完成させていて、迫力があり、厳かでもあった。僧たちの群舞が圧巻でしたねえ~。4代目松緑が若手を引っ張る。
6月 摂州合邦辻(KAAT神奈川芸術劇場)
これは泣けた。古典の摂州合邦辻が現代とないまぜになっているのに、まったくの違和感がなく、古典のセリフは古典のまま。なのに現代の私たちの現状にストーンと入ってきてまったく違和感がない。母数は少ないが、木ノ下歌舞伎のほかの演目に比べ男性より女性に人気が高いような気がします。
7月 京鹿子娘道成寺 菊之助(大阪松竹座)
美しすぎる花子よ。
現実にもどるまでに幕間の30分では足りないほどの「竜宮城に召喚された感」でした。
8月 フェードル 京蔵 (国立劇場)
京蔵さんの長年の想いが叶った舞台で、いろいろなことを知りました。原作の面白さや、知らなかった俳優さんの実力、歌舞伎とギリシア悲劇の違いやフランス古典悲劇との共通項や違うところなど。
9月 車引 又五郎・歌昇・種之助
車引は何度も観ていますが、梅王丸(歌昇)、桜丸(種之助)、松王丸(又五郎)が三人三様でありながら、三人つながっているような(三つ子だし。役者は親兄弟だし)妙な感覚は初めて。まるで上質の絵を見ているような心地よさと感動を得た。
場内も大変反応が良かったのだけれど、そのあとが菊之助と丑之助の連獅子だったため、
皆さんの印象がスポーンと抜けてしまったようで残念。これからはあとに何が出てこようが強烈な印象を残すような芝居を見せてほしい(私は十分強烈な印象だったのだけれど)
9月 連獅子 菊之助・丑之助
そのあとにきたのが、この連獅子。菊之助と丑之助という美しき親子の共演に歌舞伎座は熱狂。いろいろな連獅子を観てきましたが、今回は「繊細で美しい宝石のような連獅子」と名付けました(私がw)
ほかの親子や兄弟などの連獅子をまとめました
9月 一本刀土俵入 幸四郎・代役勘九郎
この何がよかったかといって、突然の休演で幸四郎茂兵衛と勘九郎茂兵衛と両方見られたこと。その違いが面白かったし、突然の代役で無事にやってしまう歌舞伎俳優にはいつもびっくりさせられるけれど、このときも違いがかなり興味深かったです。
11月マハーバーラタ戦記 菊之助・丑之助・芝のぶ
初演のマハーバーラタ戦記から6年。
歌舞伎らしさを丁寧に出しながら原作へのリスペクトは忘れず。迫力のある舞台。現代にも通じる人間同士の戦争の愚かしさがメッセージとして感じられた舞台でした。特に再演で抜擢された芝のぶの好演が光りました。
また、菊之助の長男丑之助クンの渾身の演技がすばらしかった。「父上に手を出すな」と10歳の子どもが言うとも思えない腹の底から出すセリフの相手は実際の父上菊之助。手に汗握る展開でした。
12月 天守物語 玉三郎・七之助
玉三郎の底知れぬ力に、あらためて驚嘆した思い。原作へのリスペクトも含めて、『天守物語』の亀姫を演じて、それがまた完璧に亀姫だったことへの驚愕。中村屋特番で、お稽古風景が見られたこともとてもよかった。
こうしてみると、今年もいろいろありましたなあ。訃報もあったし、信じられない事件もあった。休演もあれば代役もあり。去る人いれば、育つ人あり。
来年は、穏やかな年であってほしいです。