「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

2024年1月の振り返り

 

晴れやかに新年が明けたと思ったら、元旦からの悲惨なニュースに心が痛みました。

災害に始まった新年

そして早ひと月。能登半島地震で被災された地域ではまだ電気ガス水道といったインフラが行き届かないところも多いということで、我が家の防災の基本も見直さなければいけないかなと感じさせられました。電気ガス水道は2,3日で復活すると言われてそれに基づいて用意していましたから…。

歌舞伎では、募金活動が活発に行われて、色々と協力でき、少しでも被災地へのお役に立てたことはよかったかなと思います。関係者の方には感謝の気持ちでいっぱいです。

新春浅草歌舞伎【浅草公会堂】

今年で松也が座頭となって10年の区切りということで、今年のメンバー9人中7人が卒業となりました。演目は古典が入り、とても充実したものとなり、各人それぞれが集大成、チャレンジ、と様々な思いでつとめました。千穐楽まで盛り上がり、私にとっても思い出深いひと月になりました。

 

1部

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2部

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初春歌舞伎公演【新・国立劇場

いつもの菊五郎劇団の正月芝居とは違って、会場も違うしどうなることやらと思いましたが、蓋を開ければ、継承すべき古典2つにちびっ子たちが踊る華やかな演目に観客も大喜び。菊之助の『石切梶原』、梅枝の『葛の葉』いずれもよかったですねえ。最後には菊五郎も出てきて多幸感あふれる初芝居となりました。

新・国立劇場もアクセスの良さなどはまずまず。が、花道がないのは致命的。

最後の『勢獅子門出初台』では、菊五郎劇団勢ぞろい。ちびっこ軍団の4人がかわいく場を盛り上げ、最後には菊五郎がお出まし。顔も立派。声も朗々。でも足元がおぼつかないみたいで多くの時間たっていることは難しい様子でした。それでも「おやぢ様」の登場に、場内は多幸感であふれかえりました。

 

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これからしばらくは新国立劇場を使うことも多いのかなと思いますので、新・国立劇場についても書きました。中の様子など。

こちら

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初春大歌舞伎【歌舞伎座

『五人三番叟』では、次期浅草メンバーかなと目される5人が華やかに正月の幕開け。

 

『荒川十太夫』は昨年の初演からさらに練り上げられ、良い演目が歌舞伎にひとつしっかりと加わったという感じです。うれしいですね。

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『狐狸狐狸ばなし』は、あれ?こんな話だったっけ?と感じたのは、時代とともに自分の感覚も変わってきたのかな?

ああいう最後ではなくて、伊之助をぐうの音も出ないくらい、コテンパンにやっつけたかったですね。

夜の部

『鶴亀』はおめでたく美しく。幸四郎染五郎松緑と左近というダブル親子のアンサンブルが良かったですね。女帝の福助が動かない右手を左手で引っ張り上げるようにして動きを作っていたのが印象的。懸命にリハビリをされており、少しずつ動きが大きくなっているのかなとも思います。

 

『寿曽我対面』歌舞伎キャラがてんこ盛りではいってくるおもちゃ箱のような演目で私は好き。今回印象的だったのは、声に張りのある彌十郎(小林朝比奈)。そして御年86歳の人間国宝東蔵さんが鬼王新左衛門で軽やかに花道を走り出てきたのにびっくり。かなり足がお弱いと思っていたのですが、どうしてどうして若々しく。いつも足が辛そうでしたが、とてもお元気で安心しました。

 

『息子』 上質の短編小説を観るようでとてもよかったです。降りしきる小屋で繰り広げられる一遍の物語、これを親子3代、3人のみで舞台でできるって幸せなことですよねえ。ボソボソ話す白鸚爺の声もはっきりと3階まで聞こえました。息子を堅気と信じている爺。息子は今はばくち打ちになっており、両親に会いに来たのですが、言い出せず。爺の言葉に思わず反応したり、思わず顔をそむけたり。

 

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京鹿子娘道成寺』 なんといっても今月の目玉。月の前半はかわいらしい壱太郎。後半はアクティブな右近。壱太郎。右近。どちらも自分の個性を存分に発揮した素晴らしい舞台を堪能できました。私は本当にこの演目が大好きです。昨年7月の菊之助、8月の右近と続けて観られる喜びよ。気が遠くなるほどの陶酔感に今月も酔いしれました。

 

新橋演舞場で、市川團十郎の芝居も上演されましたが、残念ながら観ていません。

 

能楽堂ショーケース

何か気になるキーワードで拾って、今年も月に一度は能を観ようと思います。

今月の気になるキーワードは「巴御前」でした。

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このほか、映画は「ゴジラ」、「カラオケ行こ!」を観ました。どちらもよかったです。

嬉しかったニュースは、芝のぶの読売大賞受賞。梅枝が時蔵襲名。でした。

 

来月は、パスポートで歌舞伎座にできる限り行きたいです。

 

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▲1月の歌舞伎座の筋書き。川瀬巴水 画

昔たまたま太田美術館に行ったら企画展で川瀬巴水展やっていたことがあって感動しました。いい絵を描きますよねー。

 

まとめ

新年は、東京では4座が開き、活況を呈しました。特に30代前半の若い人たちが活躍して、歌舞伎の未来に明るいものを感じさせてくれました。

 

今年はきっと良い年になる。