暑い暑い夏でした。「暑さ寒さも彼岸まで」。その後は暑いと言ってもやはり秋の暑さという感じ。空は高く、風はさわやかです。(俳優祭の日は暑かったけれど。あれは歌舞伎ファンの熱気だったのか?)
秀山祭。吉右衛門三周忌
歌舞伎座は秀山祭で盛り上がりました。
吉右衛門さんの存在感は絶大。1階ロビーにも2階ロビーにも大きく飾られた吉右衛門さん。(写真は2階ロビーに飾られたものです)
一つひとつ丁寧に観ながら
「ああ、これは観ていないわ」
「これはよかったなあ」
「この時、母が亡くなってねえ」
など、自分の人生に重ねてポスターを観ている方も多いようでした。
そして、その芸を継承すべく、力いっぱい演技をしてくれた役者さんたち。
私も大いに力づけられた気持ちです。
猿翁の死
また今月は猿翁さんがお亡くなりになるという悲しいことがありました。私は残念ながら、猿翁さんの舞台は映像でしか観ていません。しかし門閥にこだわらず多くの弟子に歌舞伎の精神を伝えていったことで、いまその種がしっかり根付いていることと、3S(スピード、スペクタクル、ストーリー)で歌舞伎を現代の人に楽しんでもらうという強い気持ちで作り続けたことは素晴らしい功績だと思いますし、おかげさまで私も、そして今歌舞伎を観ている人全員がその恩恵にあずかっています。安らかにお眠りください。
亡くなるまで5月の事件については一切知らされていなかったとのことが伝えられ、そこは本当によかったという言い方はおかしいけれど、ほっとしました。猿翁さんにとってあまりにも辛すぎる現実です。
備忘録
今月はパスポートにしてなるべく多く歌舞伎座に通ったのですが、国立劇場が来月で閉館ということで、こちらも見逃せません。歌舞伎と文楽を見て、やたら忙しい月でした。
文楽1.2部「菅原伝授手習鑑」
普段歌舞伎では出ない場が出て大変よかった。
3部「曽根崎心中」
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妹背山婦女庭訓(国立劇場)
充実した舞台だった。松緑は大役大判事をつとめたが、その後歌舞伎座の夜の部の『一本刀土俵入』で全く正反対の役辰三郎を演じた。(その間にジムにも通っていたとかいないとか…)そのほか、俳優祭の舞台の監修や、12月以降の新作のことなどもあり、活躍ぶりがすごい。(紀尾井町家話もあるし!)お体大切に頑張ってほしい。
木ノ下歌舞伎
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土蜘蛛
二条城の清正
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夜の部
車引
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連獅子
一本刀土俵入
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俳優祭
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能
9月開場40周年記念公演 枕慈童・月見座頭・船弁慶
船弁慶が、歌舞伎と見比べることができてとてもよかった。
来月も、ケガも病気もなく、無事初日から千穐楽まで通して上演できますように。
国立劇場、最後! 最後にしなくていいのに。。。(叫)