昨日、10月の歌舞伎座の初日が開きました。
俳優祭があったせいか、なんだか「え?もう初日?」と驚くばかり。こちらは驚いていればよいですが、役者さんは体のメンテナンスをする間も、練習をする間もなく否応なく初日が開く、そしてやってしまうのだからすごいものです。くれぐれも御身大切に!
さて10月の歌舞伎座の演目紹介です!
昼の部 11:00~
天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)~
荒唐無稽で愉快な作品11:00~13:28(途中幕間2回あり)
四世鶴屋南北の出世作と言われています。お家騒動に妖怪変化、ケレン味あふれるダイナミックなお芝居。松緑のポスターもド派手で、大変よきよきです。
歌舞伎っぽいものを見たいなら、今月はこちらがイチオシかもしれません。
天竺徳兵衛が松緑。めちゃくちゃ似合っていて、ご本人も楽しそう。
江戸の初期に東南アジア諸国の見聞録を残した商人徳兵衛という人が本当にいたそうで、その話をもとに作られました。
天竺徳兵衛 松緑
佐々木桂之助 巳之助
吉岡宗観 又五郎
松緑の祖父(2代目松緑)父(辰之助)もかつてつとめたお役で、松緑も並々ならぬ意欲を感じているよう。「荒唐無稽で愉快な作品に仕上げるよう相談中」とのことなので、楽しみです。
文七元結物語~寺島しのぶが登場 14:03~15:35
落語をもとにした『文七元結』は、歌舞伎座でもよくかかっていますが、今回は新たな『文七元結物語』となっています。山田洋次監督が新しく作り直したものです。
どんなふうに違うのかわかりませんが、『人情噺文七元結」より、もっと回りの家族やら人間関係にまで広げた話となっているよう。
また、今回寺島しのぶが歌舞伎座の舞台に立つということで話題になっています。菊五郎の娘であり菊之助の姉である寺島しのぶは、歌舞伎役者になりたくてもなれない悔しい思いを胸に、日本を代表する役者となりました。50になって歌舞伎座の舞台に立てるとは、ご本人も感慨深いことでしょう。
どんな舞台になるか楽しみです。
従来の文七元結はこちら!大筋は変らないと思うけれど、どんなふうに違うのか楽しみです!
夜の部 16:30~
双蝶々曲輪日記 角力場 16:30~17:23
濡髪長五郎と放駒長吉というふたりの「ちょう」のつく男のお話だから双蝶々(ふたつちょうちょう) というタイトルがついています。長いお話ですが、よく上演されるのはこの「角力場」と「引窓」です。
どっしりと落ち着いた風格のあるお相撲さん濡髪長五郎は獅童。ちょろちょろと元気のいいアマチュア相撲取の放駒長吉が、巳之助。
いろいろなお役にも世代交代の波がひたひたと来ているのだなあと感じますね。
この二人に加えて、山崎屋与五郎というボンボンの若旦那が出てきますが、これも巳之助が演じます。長吉役と与五郎役がいつも一人の役者がやり、その早替わりもこのお芝居の見どころのひとつなんですねえ。
しかし巳之助のこの二役。全く心配ありませんね。研の回の「夏祭」で見せた一寸徳兵衛と義平次の二役の素晴らしかったことと言ったら!
目の覚めるような徳兵衛であり、目をひんむくような義平次でした。
貫禄のある長五郎と、正義感があり鼻っ柱は強いけれど実力は?の長吉のやりとり。どう見ても相撲をとれば、一発で長五郎が勝つと思われるのですが、長五郎が負けてしまいます。さて…。
吾妻というきれいどころが種之助です。
幕間20分
菊 ~秋らしい舞踊 17:43~18:02
秋らしい舞踊です。菊が咲き乱れる舞台に菊の精がきて踊ります。雀右衛門と錦之助。
幕間35分
水戸黄門 讃岐漫遊篇 時政が黄門さまに!18:37~20:32
飛ぶ鳥を落とす勢いの彌十郎が今回主役で水戸の御老公。助さんが福之助。格さんが歌之助。福之助、歌之助は中村芝翫の次男と三男です。息の合ったコンビが観られると思います。『水戸黄門』は、確かに歌舞伎に向いているかもしれませんね。今回が初めてではなく、48年ぶりの上演だとのこと。肩肘はらずに時代劇だと思って楽しみましょう。
上演スケジュール
初日10月2日(月)→千穐楽10月25日(水)
休演日10日(火) 17日(火)
チケット金額、売り場
1等席18000円
2等席14000円
3階A席6000円
3階B席4000円
1階桟敷席20000円
にて購入できます。
一幕見 金額
序幕 700円
大詰め 1300円
・文七元結物語 2000円
・双蝶々曲輪日記 角力場 1300円
・菊 700円
・水戸黄門 讃岐漫遊篇 2000円
申込はこちら
歌舞伎座アクセス
◯ 東京メトロ日比谷線・都営浅草線 東銀座駅[3番出口]
◯ 東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅[A7番出口]徒歩5分
◯ JR・東京メトロ 東京駅 タクシー10分
ではお楽しみに~♪(上演時間は変更することもあります)