「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

国立劇場講談三夜~熱気あふれるおもしろさ。家康からマリリン・モンローまで♪

本日3夜のうちの第2夜。

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お目当ては神田伯山で、激戦チケットをゲットしたので(自慢とか言わないでね)楽しみにしていたのですが。。

本日国立劇場に行く途中で友達より、伯山休演とのLine。がーっくり。

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なぜか演芸場のチケットをゲットしたときにはお目当ての人が休演になる確率の高いわたくし。

 

あーあ、もう帰ろうかな。今私はどこに何をしに向かっているのかなくらいのきもちだったのですが、行ってみたら、とっても楽しめました~。講談万歳!

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▲この緞帳も見納めか~。しょぼん

やっぱり、日本の話芸、すごいや。以前、ある噺家さんのお話が映画化されたので観に行ったけれど、お金と人をごっそりつぎこんだ映画より、一人で語っていた噺のほうがよほど面白かったという経験があり、そのときも「日本の話芸、すげえや」と思ったのですが、今回もつくづく感じました。

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6人の講談師による…、いや待て。開口一番から入れると7人だ。

開口一番は「巴御前神田紅希ちゃん。かわいかったし。一生懸命で応援したい。

・家康伊賀越え 旭堂一海

家康の伊賀越えって有名で、今も「どうする家康」でやっているから身近な噺で楽しめた。関東の講談だと「神君伊賀越え」になるのだけれど、大阪だとやっぱり豊臣派だから「家康伊賀越え」ってなるんですって。そういうちょっと斜に構えた感じがいいよね。

・伯山休演のため神田松鯉

弟子の休演で、急遽師匠の出番。セリフの間といい、呼吸といい、さすが師匠、人間国宝。余裕しゃくしゃくで忠臣蔵といえば冬ですが「夏場の忠臣蔵」というものもございましてな。と、「天野屋利兵衛と雪江茶入れ」。浅野内匠頭がまだ生きていたころの天野屋利平とのエピソードを語ります。ぐっときますねえ。こんな話を知っていると、また忠臣蔵の十段目の「天河屋利兵衛は男でござる」がますますグッときちゃうというものです。

・「力士と行司の娘」旭堂南北

講談というと、口角泡を飛ばし、力いっぱいというイメージだけれど南北さんはちょっと脱力系でとてもよかった。そして、なんか義理人情というかそういう日本人の芯になるものが描かれていていいんですよね。ほかの講談にも言えることだけれど。

・「出世浄瑠璃宝井琴梅

ごめんなさい。沈没。琴梅さんが悪いわけではないです。寝不足だったので。

 

仲入り後

・「血染めの太鼓」旭堂南湖

アロハか?と思うような派手な着物を着て「地味な格好で失礼します」という挨拶でのっけから大受けの南湖さん。

血染めの太鼓って、忠臣蔵かなんかかと思ったら全く裏切られましたよねえ(笑)。

 

めちゃくちゃおもしろかった。先輩の南北さん(先ほど出た方)が広島商業の応援部で、プロ野球選手の達川の同級生だったそうで、甲子園に行って達川が江川卓と準決勝で対決したときの話を新作の講談にしたもの。

まあ世代的にも江川が活躍したころの甲子園は夢中になって観ていた人は、私も含めて多いせいか、どっかんどっかん大盛り上がり。なんだか後方にめちゃくちゃ受けているおばさんがいて「あーはっはっはっは!」と爆笑に次ぐ爆笑で、こっちも笑ってしまう。

1回戦から立ち上がってどうやって勝っていったか、酒松くん(南北さんの本名)は太鼓をたたいてどうやって応援したか、微に入り細を穿ち、ドンドンという酒松くんの太鼓にカチカチというおしゃもじの広島商業の応援。そのカチカチは私たち観客がやらされて、大いに盛り上がる(笑)。

 

・「マリリン・モンロー神田紅

え?これ講談!?ショータイムがはじまっちゃった!なんとブロンドのマリリン・モンローが登場。紅さんがマリリン・モンローの半生記を語ってくれた。というか演じてくれた。何と衣裳もぶっかえりあり。生まれたときから死んじゃうまでのマリリンの一生を、おかしく、哀しく、リアルに、歌って!リズミカルに踊って!時にはステップを踏んで!軽やかに!後で調べたら紅さん、71歳だって。びっくりですよ。

トリにふさわしい創作漫談でした。

てか、この6人で入場料金3400円って、安すぎないですか?

 

明日も三夜目があるそうなので、行ける人はぜひ!私も行けるものなら行ってみたいが

行けなくて残念!

講談、熱いぜ。

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