- 第1部
- お年玉
- 本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)~十種香
- 与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)~源氏店
- 神楽歌雲井諷曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり) どんつく
- 第2部
- お年玉
- 一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)~熊谷陣屋
- 流星
- 新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)~魚屋宗五郎
新春浅草歌舞伎は、毎年浅草公会堂でおこなわれる若手中心の歌舞伎です。
昼の部、夜の部どちらも比較的短めに終わるので、芝居の前後で浅草の街をめぐって初詣を兼ね、正月気分が味わうのがおすすめです。
お年玉といって、毎日日替わりで役者のご挨拶があるのもお楽しみ。
新春浅草歌舞伎の楽しさについて、詳しくはこちら!
そんな楽しい浅草歌舞伎ですが、今年の新春浅草歌舞伎は、いろいろな意味で大注目です。
まずは10年間座頭を勤めた松也と、メンバー7人が今回で卒業。橋之助、莟玉らが引っ張るその下の代に浅草歌舞伎を譲ります。
その卒業公演ともいうべき今回、歌舞伎座の本公演に勝るとも劣らない演目立てです。重厚な古典にチャレンジして、いよいよ歌舞伎界の中心になっていく若手たちを応援しましょう。
第1部
お年玉
日替わりでご挨拶。観劇日に推しがご挨拶なら、今年の運も上々ですね!
本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)~十種香
しっかりした時代物です。予習をして押さえておきましょう。
恋に情熱的なお姫様、八重垣姫を米吉が演じます。
与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)~源氏店
切られ与三というイケメンを隼人が演じます。
土地の親分の女、お富に手を出したイケメンがズタズタに切りさいなまれて(グッときますね)何年か後、お富に再び出会います。しかしお富はなんと別の男に囲われておりました。
とくれば相当の色気が必要ですね。米吉クンがお富です。2016年に米吉クン、お富を演じていまして、このときは「こんな若い米吉クン、大丈夫かな」と思ったのですが、なかなかどうして健闘していたので、今回も全く心配はしていません。
玉三郎にはかなわなくてもいいんだ。どんどん場数を踏んでほしいです。
お話は世話物で、会話もわかりやすいです。
今回は源氏店の場のみ。その前の見染の場がないのが残念!
こちらのあらすじを読んでおくと、それまでの話がわかって内容が深まると思います。
神楽歌雲井諷曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり) どんつく
亀戸天神の境内で、どんつく(荷物持ち 坂東巳之助)はじめ、太神楽(大道芸人)の親方(歌昇)や大工(隼人)、太鼓打ち(種之助)、若旦那(橋之助)、子守(莟玉)、芸者(米吉)、白酒売り(新悟)、田舎侍(松也)などがそれぞれ踊るというもので、まるで江戸時代の街にタイムスリップしたよう♪
今で言えば、ストリートで踊る若者に街の人たちがそれぞれ参加していき、最後は拍手喝采みたいな感じでしょうか。
どんつくの快いリズムが脳内にこびりつきます。
第2部
お年玉
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)~熊谷陣屋
重厚な時代物です。予習をしてじっくり味わいましょう。
今回の熊谷直実は、歌昇。吉右衛門を目指して、背中を追ってのチャレンジです。すでに初日が開きましたが、なかなか評判がよいようです。
型の違いや見どころなど、木ノ下裕一さんと田中綾乃さんの講座がめっぽう面白かったレポはこちら
流星
なぜ正月にこの演目?と思うのは、この演目は、織姫と牽牛に流星が隣の家に住む雷一家の話をするという趣向だから。7月にやらないの?って思いますが、今回は一人立ちといって、織姫と牽牛がでないバージョンです。役者一人で父親雷、母親雷、婆雷、子雷を演じ分けます。踊り達者、軽妙洒脱な種之助にピッタリの演目ですね。
清元國恵太夫さんがブログで歌詞&解説を書いていらっしゃいます♪
新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)~魚屋宗五郎
まずは楽しさを味わってほしい。
そして、酔っぱらうまでの前半の宗五郎が男前でかっこよくて、いなせであればあるほど、後半のめちゃくちゃぶりが活きるので、そこを味わってほしいです。
今回は宗五郎、松也。菊五郎にしっかりと教わった成果を早く舞台で観たいです。
楽しみな浅草歌舞伎。今月はじっくり楽しむ予定です。