「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

6月の一幕見ツアー本日でした

今日は、一幕見ツアーでした。

リピーターが3人、私のツアーも歌舞伎も初めてという方がおひとり。計4人でした。ありがたいことです!

 

初心者向けのツアーなので、いつも演目の説明のほか、歌舞伎座の周りを回ったり、チケット売り場を案内したり、歌舞伎座ギャラリーを案内したりしています。リピーターが増えてくると、演目の説明以外は、同じことを2回聞かされちゃうことになるので、どうしたものか。今後どうしようか模索中です。

 

たとえば、リピーター枠で募集して、演目の解説のほか、終わった後に演目についていろいろ話し合っても面白いかも。午後の部を観た後だと遅い時間になってしまうのでむずかしいけれど。

 

今日は9時半集合。お天気が怪しかったので、歌舞伎座の周りをご案内して、お弁当を調達してから、10時前に行列。8番だったので余裕。そのうち、ダーっと降ってきたので、早めに外を回っておいてよかったです。

 

妹背山婦女庭訓は、松緑さんがだいぶこなれてきた印象。鱶七が舞台に一人でも大きく、見応えがありました。お三輪ちゃん(時蔵さん)は、かわいくて不憫。4月のうんざりお松があんなにはまっていたのに、お三輪ちゃんもまるではまり役?ってくらいかわいい。

 

橘姫の新悟くんが美しいです。

 

ツアーの最後に、1階の売店に寄りました(木挽町広場ではなく、歌舞伎座内1階売店です。今月は2時20分~3時20分に入れます)。今月のお写真がすでに出ていたのですが、少な目。蘇我入鹿が何枚もあるのに、橘姫がないのはなぜだ!とブーイングがでました笑。

 

先月の写真は、5階の売店でゲット。先月もツアーに参加してくれた宝塚大好きママンが「先月買いそびれたから」と眞秀ちゃんの写真をゲット! 

「お友達に、『富司純子の娘の寺嶋しのぶの息子の眞秀ちゃんだよ~ん!』といっておしゃべりのネタにする」んだそうな笑。いいですな。かわいいかわいいと大変なお気に入りでした。

 

さて、6月の一幕見、実はもう一回あります。これが初のインバウンドなんで、相当考えて作らないといけない。なんで「妹背山」なんだよ~と恨めしいですけれど。

昼の部の最初の演目と決まっているため、妹背山で決まりです。

 

 

来月は海老蔵オンパレード。チケットの売れ行きがすごかったので、たぶん幕見も大変なことになりそうです。しかも宙乗りがあるので、鳥屋の関係で幕見席は減るでしょう。親子宙乗りだと鳥屋がさらにビッグになるので、さらに幕見席はへるのです。

 

というわけで、やらないかも…。10時半売り出しで8時から並ぶとか?

 

ちょっと考えちゃいますよね。。う~む。

今月の一幕見ツアー「妹背山婦女庭訓」です

今月の一幕見ツアーは「妹背山婦女庭訓」です。

 

これは、まったく予習なしではなかなか手ごわい時代物ですから、チケット売り出しまでの行列をしている時間を使って、たっぷり予習をしますよ。

せっかくお金を出して観に行くんだもの、わからなかったら面白くありませんよね。

 

このほか、歌舞伎座ギャラリーに行ったり、歌舞伎座売店にも行きます。

申し込みはこちらまで!

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6月歌舞伎座 昼の部 見どころ

6月の歌舞伎昼の部のご紹介です。

時間はこんな感じ。

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★妹背山婦女庭訓

三笠山御殿

 

妹背山婦女庭訓は、1771年(明和8年)1月に大坂竹本座で人形浄瑠璃で初演。

作者:近松半二・松田ばく・栄善平・近松東南ら。後見:三好松洛。歌舞伎での初演は同年8月

 

大化の改新(645年)が題材。

三段目の「吉野川」と四段目の「三笠山御殿」が上演回数が多いけれども、今回は「三笠山御殿」です。

 

時代物で、予習しておかないとちんぷんかんぷんになりがち。しっかり予習しておきましょうね。その場合も「三笠山」で予習しましょうね。「吉野川」は和製ロミオとジュリエットなんて言われていますが、今回のは見てても見ててもロミオとジュリエットになりません(;’∀’)

 

カンタンに言うと、悪人蘇我入鹿をやっつける話です。蘇我入鹿は超人的パワーを持つ悪人なので、そんじょそこらのやり方でやっつけることができません。必殺アイテムが必要です。ひとつは手にいれたけれど、もう一つのアイテムを手に入れるのが、今回のお話。

恋愛も絡んできます。しかも三角関係。しかもアイテムがらみで一人は死んじゃいます。

おもしろそうでしょう?

 

詳しくは別記事で書きました。こちらです。上の部分は重複しています。

妹背山婦女庭訓 三笠山御殿 - 「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

 

六歌仙容彩 文屋  舞踊です

1831年初演。六歌仙というのは、平安時代の代表的歌人6人が登場する舞踊なのですが、今は全部一遍にやらず一人ずつ独立した舞踊として行っています。先月は菊之助さんで「喜撰」でした。今回も菊之助さんで「文屋康秀」。

出から、菊之助さんひょんひょんひょ~~んと飛ぶが如く軽やかに登場。しゃれっ気たっぷりで楽しいですよ。

三笠山御殿でも、女官がずらりと出てくるのですが、なぜか文屋にも女官がずらり。

小野小町に会おうとするけれど、女官たちに取り囲まれてなかなか会えずあえなく退散します。

 

★野晒悟助 世話物です。

 

先日、歌舞伎夜話で米吉さんが言っていたストーリーが

米吉「モテ男がいて、金持ちの女の子と、貧乏な女の子がどっちも好きになるんですけれど、タッチの差で、金持ちの女の子が勝つって話でーす!僕が金持ちの女の子。貧乏な子は児太郎クン。たぶん児太郎ファンから、いやがらせが来るんではないかと。本当はあっちが金持ちだけど」笑。

 

ってことだけど、まずまずその通り笑。ただ、仁三郎ってのが仕返しに来たけれど、その日は悟助の母親の命日なので喧嘩はイカンと我慢をし、翌日やっつけるというお話です。

 

タッチの差で金持ちの女の子と結婚を決めるのはいいけれど貧乏の子に「お前とは来世な!」と約束するのは、ちといただけねえな笑。

 

そして、見どころは菊五郎劇団の最後の立ち回りです♪

これがもう、本当にいつもながらすばらしいんですよ。音羽屋の傘がズラリと並んでクルクル回るところは、圧巻ですよ~。

 

名優尾上菊五郎6代目は昭和24年に亡くなり、これからどーしよーとお通夜の席の会場の物干し場で一座のメンバーは緊急会議を開いたそうです。そのときに「菊五郎はいなくても、菊五郎劇団の名前は残して再出発しよう!」と決めたそうです。「物干し場会議」といって有名なエピソードです。

その時、今の菊五郎さんはまだ7歳ですよ。その後、今の菊五郎さんが「菊五郎」の名前を襲名するまでに24年かかったのですが、その間、しっかりと菊五郎劇団は伝統を残していたんですよね。

すばらしい国の宝だ~!

 

というわけで、昼の部、どれも見逃せませんな。「文屋」と「野晒悟助」は、特に予習も必要ないと思いますよ。

 

夜の部については、また後程。

妹背山婦女庭訓 三笠山御殿

6月昼の部のしょっぱなは、妹背山婦女庭訓です。

ちと、しっかりおさえておきましょう。予習なしでいくと、5分で爆睡です!

予習しておくと、おもしろいですよ♪

予習する場合も「三笠山」で予習しましょう。「吉野川」は和製ロミオとジュリエットなんて言われていますが、「三笠山」は見てても見ててもロミオとジュリエットになりません(;’∀’)

 

 妹背山婦女庭訓は、1771年(明和8年)1月に大坂竹本座で人形浄瑠璃で初演。

作者:近松半二・松田ばく・栄善平・近松東南ら。後見:三好松洛。歌舞伎での初演は同年8月

 

大化の改新(645年)が題材。

三段目の「吉野川」と四段目の「三笠山御殿」が上演回数が多いけれども、今回は「三笠山御殿」です。

 

カンタンあらすじ

悪人蘇我入鹿をやっつける話です。蘇我入鹿は超人的パワーを持つ悪人なので、そんじょそこらのやり方でやっつけることができません。必殺アイテムが必要です。ひとつは手にいれたけれど、もう一つのアイテムを手に入れるのが、今回のお話。

恋愛も絡んできます。しかも三角関係。しかもアイテムがらみで一人は死んじゃいます。

おもしろそうでしょう?

 ではいってみよう!

★登場人物 

・曽我入鹿(楽善) 悪い奴。藍隈という隈取の中でも「公家荒れの隈」をしており、最高の敵役です。白塗りの上に藍色の筋をいれるもので、陰気なすごみや冷たさ、邪悪をあらわしています。さらに、金冠をかぶっている。本来なら天皇のみがかぶることができるものをかぶっていることから皇位を奪った人物ということがわかります。

母親が、白い雌鹿の生き血を飲んで入鹿を懐妊したことから超人的なパワーを持つ設定。敵となる藤原鎌足を追い出し、ますます権力を掌握しつつあります。

 

まず舞台中央ど真ん中の悪そうな奴がそれです。

 

・求女実は藤原淡海=藤原鎌足の息子 (松也)

・橘姫(新悟)入鹿の妹。求女のことが好きだが、求女は、兄(蘇我入鹿)を仇と狙う人なので、兄と恋人の板挟みとなる。

・漁師鱶七 (松緑) 実は、藤原淡海の手下、金輪五郎今国。藤原鎌足の手紙を持ってくる。やけにざっくばらんな物言い。豪放磊落。蘇我入鹿に酒を持ってきたが、入鹿が「毒でも入っているのでは?」と飲まないため、自分で全部飲んでしまったり、寝ているところを襲撃されても意に介さなかったり。

 

・杉酒屋娘お三輪 (時蔵) 求女のことが好き。求女につけた苧環を手繰り手繰り追ってきたが、会えない。女官たちに囲まれて意地悪される。

 

・女官Aグループ お三輪をいじめるのは、立ち役の怖い女官たち。立ち役たちがそろいもそろって、怖いどすの効いた声でお三輪をいじめる。

・女官Bグループ 入鹿の世話をするのは美しい女形の女官たち。女形たちがつとめる。

 

★このお話のポイント

・悪い奴をやっつける 曽我入鹿(楽善)vs 求女実は藤原淡海&漁師鱶七

・ふたつの恋愛模様 橘姫→求女 お三輪→求女

・お三輪の恋の哀しい結末

 

それまでのお話から以下を押さえておこう。

藤原淡海は、其原求女と名前を変えている。隣に住む酒屋の娘お三輪と深い仲。橘姫とも深い仲だが、橘姫が入鹿の妹とは断定できていない。怪しいと思っている。七夕の夜にお三輪と橘姫が鉢合わせ、橘姫は逃げていく。正体を追うために求女は、糸を橘姫の着物につけ、苧環(おだまき)を手に取り後をつける。お三輪も求女の着物に糸をつけ、苧環を手に取りあとを追う。

 

入鹿はどれほど悪くて強い奴なのか。

天皇を追い出し、宮廷を乗っ取ってしまった。しかも不死身の悪人ナノダ。

 

誰が入鹿をやっつけることができるのか。

藤原鎌足しかいない。が現在行方不明。藤原淡海はその息子。

 

・入鹿を倒すためには、どうすればいいの?

入鹿は、めちゃくちゃ強くて悪のパワーを持っている。

子どもに恵まれなかった母親が白い雌鹿の生き血を飲んで懐妊したから。殺すためには、二つのアイテムが必要だ。「爪の黒い鹿の血」は手に入れた。「嫉妬に狂って疑着の相になる女の生き血」がまだない。そのふたつを混ぜ、笛に注ぎ、その笛を吹かないと倒すことができない。

 

今日の話の展開

 

蘇我入鹿登場

蘇我入鹿が権力の座につき、政権を掌握しようとしている。三笠山に御殿をつくり、次々ゴキゲン伺いに来る。

蘇我入鹿の横暴を止められるのは、藤原鎌足。今は行方不明

【見どころ】曽我入鹿の隈取。

 

2鱶七登場

・鱶七登場。藤原鎌足の書状を持ってくるが、入鹿は気に食わない。鱶七のことも全面的に信頼できず、人質にすることに。鱶七を殺そうと毒を飲ませようとしたり、寝ているところをやりで突かれたりする。鱶七は飲まずに庭の菊に酒をかけると、花がしおれる。

【見どころ】鱶七の豪放磊落なところやトンチンカンな衣裳。言いぐさ。お酒を全部飲んでしまったり、やたら馴れ馴れしいしゃべり方であったり。菊がしおれちゃったりするところ。

 

3橘姫登場

・橘姫登場。曽我入鹿の妹であり、求女の彼女。着物の裾に糸がついている。官女たちが糸を手繰ると求女が現れる。

 

4求女登場

・恋人の求女(実は藤原淡海)が糸を手繰って、登場。橘姫は求女と会えたものの、兄の曽我入鹿と求女は仇同士。求女は自分の正体を知るからには生かしては置けないと、橘姫を殺そうとする。

・殺してください。覚悟を決める橘姫。

・求女は、入鹿のもつ皇室の宝「十柄の剣(とつかのつるぎ)」を取り戻してくれれば結婚しようという。

 

5お三輪登場

・お三輪登場。お三輪は、苧環の糸が切れたから求女を見失ったとぷりぷりしながら追ってきた。お城に迷い込む。きょろきょろして、庶民の娘らしさが出ている。

 

・求女が、夕方には祝言をあげるという情報を得る。なんとしても阻止したい。

・官女たちがでてきて、田舎娘をいじめ、歌を歌わせたり、舞わせたり。さんざんにいじめる。

・そこに祝言の音楽が聞こえる。

・お三輪の表情が変わる。嫉妬に狂ったお三輪が、髪を振り乱して駆け込もうとする。

 

6 鱶七が出てくる。

・鱶七がお三輪を刺す。

 

・お三輪怒り狂う。

・「それでこそ高家の北の方」と鱶七。なんでやねん?

鱶七が語るには

求女は、実は藤原の鎌足の息子、淡海なんだよ。お三輪ごときが相手にできる人ではないわけ。でもね、お三輪も役に立ったんだよ。嫉妬に狂ったお三輪の生き血が取れたから、これで蘇我入鹿をやっつけることができるわけ。

 

・それを聞き、ああ。そんなにお役に立てるならよかった。でも最後に求女(淡海)に会いたいわと、糸を結び付けていた苧環を探し、糸をたぐるが、求女は見つからず。糸切れていましたものね。役に立つことを喜びながら静かに息絶える。

 

というお話でした~。非情ですね~。

アイテムの設定が、すごい発想ですよね!

 

ICU国際基督教大学「日本伝統芸能の世界」ー義太夫節ーに行ってきた!

今年も行ってきました。ICU国際基督教大学の日本伝統芸能の世界。本日は「義太夫節」。5月に「歌舞伎」があったのですが、残念ながら、スケジュールの都合がつかず。

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太夫:竹本越孝さん 三味線:鶴澤寛也さん という豪華な顔ぶれなのに、授業を一般公開しているので、入場無料。予約も必要なしというありがたい企画です。

 

進行は矢内賢二先生。

 

とにかくこの大学は、広すぎず狭すぎず緑がたくさんで気持ちがいいので、行くのが楽しみです。若葉のころは格別ですね(ほかの季節に行ったことないけれど(;’∀’))。

 

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 学生も木々ものびのびしているように見えます。

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授業は、ディッフェンドルファー記念館にて。これまたそれほど広くないが居心地のよいホールです。

 

本日の内容は、1部が越孝さん・寛也さん・矢内先生の3人でのトーク義太夫の世界に入ったきっかけなどを伺いました。

 

義太夫の世界は、世襲制でも資格制でもなんでもないそうです。越孝さんがこの世界にはいったきっかけは、なんと大学生のときのこと。先輩に義太夫について調べてほしいと言われ、「今みたいな魔法の箱がないから」電話帳で「竹本」の名の付く人を片っ端から調べて、アポを取り、訪ねて行ったそう。学生が「義太夫」について知りたくて聴きに行っただけだったのに、竹本越道さんが出てこられ、義太夫節を語ってくれたそう。

もう1回やるから聞いていなさい。というのを2回繰り返し。

3回目でお弟子さんたちがどどどっとやってきたので、失礼し、次の週に行くと、また義太夫を語られ。

ムムム?これはどういうことかな?

そのうちに本牧亭でやるから聴きに来なさい。

ムムム?これはどういうことかな?

いつの間にやら、この道に入っていたそうです笑。

おおざっぱな書き方ですみません。

 

寛也さんもやはり、学生時代。歌舞伎が大好きで、ある時「義太夫をけいこすると歌舞伎がもっと面白くなる」と書いてあった義太夫講座のチラシを見て、義太夫教室に行ってみたら面白くなっちゃったとのこと。

 

義太夫というのは、もともと明治大正のころは「アイドル」だったそう。そういえば、朝ドラの「わろてんか」ででてきたリリコも最初は女義太夫でしたね。

今、アイドルの追っかけと言われる人たちがいますが、その元祖は女義太夫を追いかけまわしていた人たちのことだそうです。

 

そのころは、男が義太夫をうなり、女はさわりだけをちょっとずつ語っていたそうですが、次第に1曲まとまって語るように変化したそうです。

 

このほか、三味線と太夫ってどういう関係なの?という質問も出ました。三味線は太夫の語りの伴奏ではありません。三味線と太夫はお互いに、作者の意図を忠実に伝えるために語りを作っていく関係であり、三味線は野球で言うならキャッチャー。ピッチャー(太夫)が投げやすいように、心を砕く存在だそうです。

 

このあとお二人のぴったりと息の合った語りが披露されました。

文楽や歌舞伎ではなく、素で浄瑠璃だけ聞くと非常に心にしみるというか、その場面が実にリアルに浮かんできます。

まあ、読み聞かせの超リアル版ですからね。

 

休憩のあとは、学生も舞台に上がっての義太夫実践。

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「お客様も、覚悟はいいですか?うかうかとご覧になっているわけにはまいりませんよ」との越孝さんの檄が飛び、私たち観客も声をだすことに…。

 

これが実におもしろいんですよね。今回は、仮名手本忠臣蔵裏門の段より。歌舞伎ですと、「三段目」の裏門の場面。塩谷判官が吉良上野介に刃傷に及んでしまったが、そのとき警護役だった早野勘平はなんとお軽とデートしていたため、屋敷内には入れなくなってしまうという大チョンボ。というところです。

 

そこの

「立ち騒ぐ 表御門裏御門、両方打ったる舘の騒動 ちょうちんひらめく大騒ぎ。早野勘平うろうろ眼走り帰って裏御門、砕けよ破れよとうち叩き大音声「塩谷判官の御内早野勘平、主人の安否心許なし。ここ開けてたべ早くはやく」と呼ばわったり。

 

この部分だけを、実際に語ってみます。

 

さて、義太夫は聞くのもいいのだけれど、聞くとやるとじゃ、本当に大違いです。

「大音声」だって、「だいおんじょう」って言うんじゃないんですよ。

「だあああああいおおおん」と階段をのぼるように言ってから、下からえぐって持ち上げるように「じょ~~~~~~~!」

息を飛ばすんです! 

 

「ひいた息は全部返す!はいもう一度~~!」

「生まれてこの方こんな声を出したことがないくらいの声で!」

なんて言われて、楽しく大きな声を出してきました。久々に腹の底から声を出したわ。

 

後ろの男子学生も、大きな声を出していましたよ♪

こういう伝統芸能が、どんどん失われていくのは、本当に残念極まりない!

小学校や中学校の音楽の時間に邦楽、国語の時間に義太夫とかやってもいいんじゃないの?なんて思ってしまいます。

 

せめて、今日聞いていた学生さんからも未来の女義太夫さんが生まれたりしたら楽しいんだけれどなあ。

 

義太夫は、結構な頻度で公演をやっています。

ぜひ一度みなさんも、まずは本物の女義太夫、聞きに行ってはいかがでしょうか。はまりますよ♪

 ↓こちらをみてね。

公演・催し物 | 一般社団法人 義太夫協会

 

 

 

連獅子 歌舞伎鑑賞教室 国立劇場

 今年で93回となる歌舞伎鑑賞教室。

高校生の時に観に行ったという人も多いのでは?

年々趣向を凝らし、見やすくなっているのでぜひおすすめしたいです。

例年、6月と7月に国立劇場で開催されます。高校生や中学生の団体が多いのですが、個人でも観劇できます。

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 ▲こちらは無料配布のパンフレット。

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▲こちらは台本(左)300円と上演資料集600円だったかな。

上演資料集の中の「連獅子印象記ー昭和5年4月歌舞伎座・龍土太郎」が臨場感があふれていてとてもおもしろかった。

 

 

今年は6月が「連獅子」・7月が「日本振袖始」です。

6月の連獅子・初日に行ってきました。前日の夜に予約を取ったのですが、花道横の席が取れ、解説つきでチケット代が1等席でも4000円。あぜくら会員だとさらに安い。学生なら1500円だ!いいですね。

 

構成は、前半が「歌舞伎のみかた」。解説が坂東巳之助クン。20分の休憩の後、後半が「連獅子」でした。

6月の解説が坂東巳之助クン。7月の解説は、坂東新悟クン。どちらも人気抜群の若手ということで、国立劇場さんもうまくつかんでますねえ!

確か昨年の7月は中村隼人クンで、しかも写真OKだったらしく、大騒ぎになっていたような記憶…。今年はどうなのかな?

 

「歌舞伎のみかた」では、単に歌舞伎の説明をするだけではなく、中学生にも舞台に上がってもらって所作舞台を体験してもらったり、すり足を実践したり、見得を切ったり、うまく小道具の説明をしたり、飽きない構成でした。

また、所作舞台をドンドンと踏み鳴らしたり、扇子を使って波や滝を表現することは、後の「連獅子」を見るうえでも参考になり、中学生もわかりやすく観劇できたのではないでしょうか。長唄が、文楽のときのように字幕でみられるのもありがたかったな。

 

私の横には、外国の方たちがグループで来ていましたが、みなさんお目々キラッキラでみていましたよ。

 

「連獅子」

連獅子は、中国の清涼山の山中に架かる石橋(天然の細く長い橋で、人間はとても渡れない)を訪れた僧が文殊菩薩の使いである獅子の舞を目撃するという能をもとに派生した作品です。

 

前ジテで、狂言師二人が出てきて、石橋の由緒を語り、その故事を演じて見せます。

その後、「宗論」という狂言が入ります。二人の僧が出てくるのですが、一人は浄土宗、一人は法華宗なので、どちらも譲らず口喧嘩になるというコミカルな狂言です。楽しいです。その後、白毛の親獅子、赤毛の子獅子の精が出てきて、豪快な毛振りが見られる親子の獅子の舞となります。(後ジテ)

 

今回親子獅子を演じるのは、実際の親子でもある中村又五郎さんと歌昇さん。

前シテで、子獅子が親獅子に蹴落とされ、花道で暫くじっとしているところがあります。

それまでの激しい動きも感じさせないよう、じっとしているむずかしい場面です。

歌昇さん、ほとんど苦しい息遣いもなく、鍛え抜かれていることが感じ取れました。

席は近かったけれど、さらにオペラグラスでじーーーーっと見てしまいましたが、斜め後ろからの歌昇さんのうつむいた表情が、静謐というにふさわしい美しさでした♪

 

その後の獅子の毛振りは、実は昔はあまり好きではなかったのです。しょうもない理由ですが、元頭痛もちとしては、「頭痛くなりそう…」としか思えなかったので。

最近、頭痛もなくなったせいか、楽しんで観ることができました笑。

荒々しく、豪快な「連獅子」。そうそう、国立劇場のロビーの平櫛田中作の大きな彫像がそれです。

 

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これから千穐楽に向かって、又五郎さんと歌昇さんには、ますますのびのびとブンブンしてほしいなと思います。

 

今月こちらを観て、「面白かったけれど、もっと他の見たいなあ」と思ったら、7月の「日本振袖始」もかなりおススメですよ。

外国人のための日にちもありますし、社会人が行けるよう遅い時間設定の日もあります。ぜひ。どうぞ(^^♪

 

www.ntj.jac.go.jp

上演資料集が面白かったと書きましたが、巻末の「歌舞伎鑑賞の手引き」も大変参考になりました。『これから歌舞伎を観ようとする若者のために

ー指導をなさる先生方にいくつかのお願いがありますー

という文で、歌舞伎離れの危機感と真摯な思いが結実しているような文章。これは服部幸雄氏が書いたものに加筆・修正したものだそうです。この文章を胸に刻んでこれからも一幕見ツアーを続けていきたいと思います。

 

 

 

新記事アップ「歌舞伎観劇は初日と千穐楽、どっちがおすすめ?」

オールアバウトで新記事アップしました。

「歌舞伎観劇は初日と千穐楽、どっちがおすすめ?」です。

初日のメリット、千穐楽のメリット、どちらも捨てがたいですね。

みなさんは、「この日しか空いてない」といった事情で選ばれることがほとんどかと思いますが、参考までに読んでみてくださいね。

 

↓こちらになります。

http://allabout.co.jp/gm/gc/472496/