先日、マハーバーラタ戦記の観劇レポを書きました
その続きです♪
みどころ その6 花道と仮花道
通常の歌舞伎の芝居は花道を使います。時々反対側の上手側にも花道が作られます。それを仮花道といいます。
仮花道を使う芝居は、最近では「桜姫東文章」などがありましたが、花道のあちらとこちらでセリフなどを言い合うところは、観客との距離も近くなるので大変臨場感が増すものですが、長い芝居の中でも1,2シーンあればいい方なのではないでしょうか。
それがこの「マハーバーラタ」ではとにかくこの仮花道を効果的によく使っています。
序幕では、太陽神対帝釈天がそれぞれの意見を主張し合います。
太陽神とカルナの対話。ヅルヨウダと弟ドウフシャサナ王子の対話などなど。
時に、同意、時に異なる意見を本花道と仮花道でのセリフの応酬。舞台でやり合うのと全く違う臨場感です。祭の人々がどっと花道と仮花道から出てくるところも圧巻です。
しかしさらに圧巻なのは、五皇子軍とヅルヨウダ軍との決戦の場。ズラリと本花道と仮花道に並んだ両軍から放たれる「見参っ!」の声が、歌舞伎座中に響き渡ります。本舞台中央に立つクリシュナが、戦争を行う上でのしきたり通りに開戦するように高らかに宣言すると、両軍の「出陣っ!」との声が再び響き渡りました。
否が応でも、満席の歌舞伎座の観客の胸の鼓動が高鳴ります。まるで自分たちもどちらかの軍にいるかのような臨場感です。
そして立ち回り。ビーマ対カルナ、カルナ対アルジュラ。本花道仮花道縦横無尽、無駄なく使って、ダイナミックです。花道ってさほど幅はないと思うのですが、よくもまああんな激しい立ち回りをできるものです。(これはまあ、歌舞伎を観ているといつも感じることですが)
カルナとアルジュラの馬車での戦いも迫力で、あの馬役の役者さんは、どうぞ最後までご無事で!
みどころその7 動と静が巧みに入れ替わる回り舞台
花道と仮花道と同じように、舞台を飽きさせない工夫は回り舞台でした。にぎやかな場面、静かな場面が、動と静がとてもうまい具合に場面転換するものだから、とにかく息もつかせず飽きることがありません。そして回り舞台で新しく見せられる景色がどれも美しい大道具、書割。美術さんすばらしかったと思います。
とりあえず、時間がないのでここまで。つづく。
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菊之助に思うこと