だいぶ時間が空いてしまいましたが、長野の続きです。
こちらから続きます
munakatayoko.hatenablog.com
一度行った須坂クラシック美術館でしたが、もう一度行ってきました。というのは、11月3日に「きもの日和」のイベントをやるというので、ちょっと行ってみたくなったからです。
古民家の中にずらりと並べられた古い着物。
なんという素敵なデザイン!ステキな色!そして色合い!組み合わせ!
私は全く着物を着ないのに、なんだろうこの懐かしさ。と不思議な気持ちがしました。よくよく考えてみると着物は着ていなくても、まだ私の生まれた昭和30年代は、おばあちゃんが着ていたり、周りの大人が着ていたり、それなりに着物文化が当たり前のようにまだ根付いていたんですね。私の小学校の入学式の集合写真を見ると、後ろに立つ母親たちは全員着物でした。
そして、部屋の中には柳行李(やなぎごおり)や茶箱、黒電話などがありましたから、とても懐かしい気持ちでいっぱいになりました。
そして、もう一つ、着物って古くて着なくなると布団の打ち直しに使ったんですね。私がなつかしいと感じたのは、それなんです。なんだか我が家の布団にこんな模様があったみたいな気がする。
一挙にずっしりと重たいかけ布団や干した後のにおい、ほんのりとした温かさまで思い出すようでした。
古民家の情景は、若い人たちにとっては異次元の「古い時代を切り取ったもの」かもしれません。でも私の世代の身体の中には、まぎれもなくこの古民家の情景の切れ端が残っているなあと感じたことでした。
引っ越した家には、物置があり、そこに古い瀬戸物があって、おままごとに使っていいよと言われたこと。まるで物置全体が自分の物語の世界のようで、ほんものの瀬戸物の小皿などを使っておままごとをしたこと。暗い台所。まきで炊くお風呂にビックリしている母など、いろいろ思い出してしまいました。