来週3月31日のNHK「古典芸能への招待」は、昨年博多座で上演された『文七元結』と『太刀盗人』です。Eテレ夜9:00より~
愉快な『太刀盗人』
能や狂言から来た演目は、歌舞伎に数多く、「松羽目物」と言われますが『太刀盗人』もそのひとつ。狂言の『長光』が元となっています。
立派な太刀を携えた万兵衛が登場。市場の雑踏の中をうろうろと動き回っていると、その立派な刀に目をつけたスリ九郎兵衛がやってきます。
九郎兵衛は太刀を盗もうとして喧嘩になったところで、代官がやってきて、どちらが本当の持ち主か詮議します。
太刀の謂れ、地肌の模様などを聞いて、万兵衛はスラスラと踊りを交えながら答えていきます。それを九郎兵衛もカンニング。ワンテンポずつ遅れて踊り、何とか答えますが、ついに怪しい動きに嘘がばれて、逃げる九郎兵衛、追う万兵衛たち。というところで終わりです。
生真面目な田舎者万兵衛と、抜け目のない九郎兵衛、お人よしの目代丁字左衛門がユーモラスです。
『長光』をもとにして岡村柿紅の作詞、五代目杵屋巳太郎の作曲で大正6(1917)年に初演されました。
九郎兵衛は6代目尾上菊五郎、万兵衛は7代目坂東三津五郎。どちらも踊りの名手なので評判を呼んだそうです。
45分程度です。
博多座での配役は以下。
すっぱの九郎兵衛 = 中村鴈治郎(4代目)
従者藤内 = 中村寿治郎(初代)
田舎者万兵衛 = 片岡愛之助(6代目)
九郎兵衛のがんじろはんが、めっちゃ面白そうです。
人情噺 文七元結
こちらは、悪い人が一人も出てこない人情噺です。
こちらは落語がもとになっており、豪華な衣裳も難しい言葉もでてきませんので、お気楽にお楽しみください。
昨年博多座での配役は以下です。
長兵衛女房お兼 = 中村雀右衛門(5代目)
長兵衛娘お久 = 上村吉太朗
和泉屋清兵衛 = 坂東彦三郎(9代目)
和泉屋手代文七 = 中村萬太郎(初代)
家主甚八 = 市村橘太郎(初代)
鳶頭伊兵衛 = 片岡愛之助(6代目)
吉太朗くんのお久ちゃんが評判になっていましたね!
ぜひ録画予約を!
また、昨年10月の歌舞伎座で『文七元結』を初めて観た方は、ぜひ見比べてみてください。面白いと思います♪