今日は能を観に国立能楽堂へ。
初心者の私が毎月ひとつ能を鑑賞する日を設けるようになって数か月。なにもわからぬままどの演目を観るか決めるのは、「どこかひっかかるもの」です。歌舞伎で観たことあるとか、聞いたことあるとか、その人知っているとか。それとスケジュールとの兼ね合いで決めます。
今月の私のフックにひっかかったものは「小督」。「松風」も歌舞伎の演目にあるので気になりましたがその日は行けないので、「小督」で決まり。
「小督」のベースは、平家物語の巻第六「小督」です。(平家物語が好き♪)
歌舞伎でも2年前の7月に『雪月花三景』の中の「仲国」がかかりました。今回の『小督』も『仲国』も平家物語の「小督」がもとになっています。
平家物語の「小督」
小督は、高倉天皇の寵愛を受けた女性の名前です。しかし高倉天皇の正妻は建礼門院徳子。徳子の父は平清盛ですから、その怒りを恐れて嵯峨野へ隠れてしまうのです。小督を愛する高倉天皇は、源仲国に命じて小督を連れ戻し、皇女を出産します。が、平清盛に知られて出家させられ宮中を追われてしまいます。
歌舞伎の「仲国」
新歌舞伎18番に制定された「仲国」ですが、2022年7月の「仲国」は大胆に改変。天皇から小督に充てた書状を、天皇の使者仲国の弟仲章から受け取り、仲国が待つ大原へ向かう小督。その後、虫の精や胡蝶の精が出て、最後は仲国と人々が華やかな群舞となっていました。
もともとの歌舞伎の仲国をみておらず書くのは片手落ちで大変申し訳ありませんが、2022年の「仲国」は、コロナ禍でもあり、「疫病退散!」の意味を強めたような演出だったのですね。
能の「小督」
天皇に命じられて源仲国が小督を探しに嵯峨野にやってきます。なかなか見つからないのですが、かすかに聞こえる琴の音を頼りに探し当てます。小督は心を開きませんが、仲国は対面できるまで待ちます。ついに小督は仲国を招き入れ、院の文をよみ返事を仲国に預けます。喜ぶ仲国は舞い、都へ帰っていきます。
役者メインの歌舞伎の仲国は颯爽とした男らしさを強調していましたが、能では原作の優雅さ哀愁を色濃く出しているようでした。
狂言は、「内沙汰」。残念ながら後半寝てしまいました。