千穐楽っていつも一抹の寂しさはあるものですが、こんな寂しい気持ちはめったにあるものではありません。何しろ同じ会場での次の初日が見えないのですから。
とはいえ、これは見逃すわけにはいかんと今月2回目の「妹背山婦女庭訓」を観てきました。結構厳しいことを書かれている劇評もありましたが、私はよかったなあ。
千穐楽は、ほぼ満員だったように思う。とにかく開場前から人が多くて、たとえは悪いのですが、まるで俳優祭のような賑わいでした。
ごった返すロビー。
早々と売り切れる弁当。
長蛇の列のトイレとふみぽん。
「あら、おひさしぶり」「やっぱり来ました。演芸場、小劇場、大劇場の見納め、古コンボ」などという会話会話の端々に「さびしいね」
上演が始まれば、ここぞというときにかかる振るような大向う。
熱く、長い拍手。
この熱気。今月だけではなく、ずっと続いてほしかった。
最後は、閉じた幕が再び開けば、歌六はじめ出演者の面々と理事長の長谷川さんがすっくと立ち姿。長谷川さんのご挨拶と歌六丈の挨拶と一本締めにて、役者も観客も一体感のうちに幕が下りたのでした。
この後、29日かな?閉場式を終え、31日で国立劇場は閉場となります。
何とかならないのかなあ。