57年の歴史をいったん閉じ、しばらく閉場となります。
寂しくてたまりません。それは、建物を作り直して再開場をするということですが再開のめどはついていないからです。
当初、2029年再開の見込みとのことでした。2022年6月の記事がこちら。
それだって、6年も閉場してしまうのかと残念だったのですが、その後
2度の入札にもかかわらず、落札する業者がおらず、現時点では
「いつだれが建て替えができるかわからないが、とにかく閉場する」こととなってしまいました。
いくらほかの施設を使って上演は続けるといっても、いわば国立劇場は日本の伝統芸能の「ホーム」。
この地にどっしりと国立劇場が構えていてくれたことが、どれだけ価値のあることだったか。
大劇場は舞台も広く、17のセリを有しています。歌舞伎のみならず、日本の舞踊の様々な会がここで上演されました。小劇場はこぢんまりとしていますが、文楽の上演にはとても適していました。演芸場も独特の雰囲気がありました。
伝統芸能情報館では、国立劇場での上演演目のビデオが見られたり図書を参考にすることもできました。各種イベントも楽しみでした。これらはどうなるのかな?
これが少なくとも10年、宙ぶらりんとなってしまったら、日本の伝統芸能はどうなってしまうのでしょう。そして10年以上かかってしまうことも考えられます。
私はそれまで生きていられるかどうかもわかりません。
ほかの施設で上演を続けるのは、今の国立劇場の存在意義である古典の復活、通し狂言も存続するのか。
施設が古いと言っても、中身のリフォームだけでよいのではなかったのか、コンクリートの基本まで全部壊すことはないのではないか。
歌舞伎座が再開場に向けた閉場となったときには、3年後にまた観られるという気持ちがあったので、今回ほど悲痛な気持ちはありませんでしたが。今回はかなり悲痛です。
なんとかならないものでしょうか。
ということで、大千穐楽については書いてないので、別稿で。