桜が散って5月。新緑のパワーが盛り上がるように出てくる季節。歌舞伎で5月といえば團菊祭だ。今年は3年ぶりの團菊祭で、新緑のパワーに負けじと盛り上がった。でも舞台は歌舞伎にも文楽にも桜吹雪がいっぱい!な5月だった。
5月の観劇記録
歌舞伎
歌舞伎座1部~3部までそれぞれに面白く見どころがあり、どれもよかった。少しずつコロナ前の世界に戻りつつあるのもうれしいし、観客も増えて歌舞伎座もにぎわった。1階のお土産屋と館内がつながり、人形焼きも売られ始めた。ワクワクする。
一番よかったのは2部の「土蜘」だった。
文楽
そして、うれしいことに国立劇場小劇場での文楽もとてもよかった。1~3部全部観たけれど、どれも面白く全然寝なかったのは珍しいかも(;^_^A
一番よかったのは3部の「義経千本桜」
義経千本桜は、↓こちらに書いたがほかのものもよかった。
他の感想も書きたいけれど。時間が…。
2部 競伊勢物語
3部 桂川連理柵
映画
「われ弱ければ 矢島楫子伝」
明治時代に、酒乱の夫と別れて上京し、教師となり、今の女子学院の院長となった人。「一夫一婦制の建白」、「海外醜業婦取締に関する建白」を政府に提出したり、後年、「禁酒運動」、「公娼制度廃止運動」等にも尽力した。アメリカにわたり、ルーズベルトにも会い、アメリカで大人気だったそう。お札に顔が載ってもおかしくないほど数多くの仕事をされたのに、私は名前すら知らなかった。やっぱり男社会には歓迎されない人だったのかなと腹がたったり。
常盤貴子主演。
スポンサーもままならない中で、この映画を作りたいという情熱だけは熱かったから、出演者は著名人のほか素人のスタッフも数多く、著名人(常盤貴子、渡辺いっけい、石黒賢、竹下景子、ほっしゃん、森三中など)は、きっと手弁当で駆け付けたのだろうし、素人さんたちもボランティアだろう。熱い気持ちが感じられた。上映前に監督の山田火砂子さんが挨拶したけれど、現在90歳。矍鑠としたもので、こちらの背筋が伸びました!
原作三浦綾子
「大河への道」
これは、1月に見た志の輔原作の落語が映画化になったもの。
映画は面白かったけれど、たった一人で映画と同じくらいパワフルに表現できる落語ってすごいなと今更ながら。
お芝居
「面影小町伝」
急遽見に行くことになったもの。お茶の間時代劇的で、浮世絵師が出てくる話だし楽しめた。
若干「?」なところはあったけれど。お家の重宝どうしちゃった?とか。
元宝塚の男役蓮城まこと、彩凪翔、和泉元彌が出演。蓮城まことは、きっぷのいいお姐さん。かっこよかった。
孫十役の小林功がいい味を出していた。ワルイ殿様に仕えているので、ちょっと居丈高だったり調子が良かったりすることもあるけれど、殿に対する彼なりの忠義が一途で好感が持てた。そして、立ち回りとか、しぐさがとてもよかった。
昭和59年から平成元年までは劇団前進座に所属、平成元年3月からは萬屋錦之助一門に入門していたというから、肝太く、下半身がずっしりと安定が良くぶれないのは、萬屋仕込みの基礎がしっかりしていたんだと納得した。基礎のできている人は、安心して見られるからいい。
というわけで、大変充実した5月だった。
ブログは、少し下手なイラストも描いてみたりした。練習して、見やすくしていきたい。
6月はいよいよ博多座参戦。
時間を上手に使って、無駄のないように過ごしたい。←それがむずかしいのよ。