【注】こちらは、95年前の台本をもとに書いたもので、今回の猪八戒のストーリーとは違います。比較検討のために読んでいただくのは結構ですが、
「内容がデタラメじゃねえか」とクレームつけないでね。
今回の観劇レポはこちら
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大正15年に初世市川猿翁で初演された作品が95年の時を経て登場!
初世市川猿翁というのは、今の猿翁さんのおじいさんです。つまり中車、猿之助のひいお爺さんです。すごいですねえ。
簡単あらすじ
人々を困らせている霊感大王を、三蔵法師一行が退治するというお話です。さて霊感大王の正体とはなんだったのでしょうか?
主な登場人物
霊感大王実は通天河の妖魔 猿弥
孫悟空 右近
沙悟浄 青虎
霊感大王 猿弥
もう少し詳しいあらすじ
悪い霊感大王を退治するために猪八戒は女の童の姿にかえて、生贄の身替りとして大王のもとに遣わし、退治することに。
霊感大王の元で、美女や財宝で心を試されますが、心は揺らぎません。
猪八戒は子供の声で、今年も五穀豊穣お守りくださいとかわいく言いますが、
「普通の生贄はものも言わないのに、受け答えもはきはきしていていい。では年下の子せがれから食べよう」と大王は言いますが、
そうはさせじと、
「後回しとはひどい。首筋からがぶりと食べてください」と猪八戒。
それならかみ砕いてやる~と迫ってきたところで、猪八戒は日頃から慣れている熊手をブンブン振り回して、大暴れ。
手下の妖怪たちがたくさん現れて、さしもの猪八戒もやられそうになるところを悟空が「やあやあ通天河の妖怪め、みだりに動くな!」。
3人見合って、きっと見得。
そして大立ち回りとなります。そしてついに観念したか霊感大王は廟の中に消え、小さい化け物たちも散り散りに逃げていきます。
さて、霊感大王の正体は?
通天河の場
戦い終わり、うってかわって、静かな舞台。
悟空、猪八戒、沙悟浄を左右に従えた三蔵法師が籠を川に投げ入れて念仏を唱えて引き上げると、金色の鱗をした一匹の魚がかかります。
そこに観世音菩薩が現れます。
なんと、この魚は菩薩様の蓮池に飼っていたもの。あるとき池の水がいっぱいになって下界に落ち、川に入って妖魔となり、自ら霊感大王と名乗ったのだと語ります。今これをお前たちが退治してくれたのだから、もう2度とこのような災いは起こらないようにいたしましょう。お前たち3人は、三蔵法師を守って早く西へ向かうがよい。
そう告げるのでした。
有難いこと有難いことと、一行はうちあおぎ、そのお姿を来世まで写し伝えたのが魚籃観音として今に伝わるそうです。
1時間ほどの舞踊劇ですが、ほぼ踊りっぱなしでかなり激しいらしいです!
見どころとしては、踊り達者な猿之助が、どんな踊りを見せてくれるのか。
お楽しみに!
今回95年前の台本を参考に書いていますので、筋は変わっているかもしれません。あしからずご了承ください。
6月のそのほかの演目はこちら!