「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

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天一坊大岡政談(1) ~あらすじ みどころ 天日坊との違いは?

昨年、渋谷のシアターコクーンで上演された「天日坊」。トランペットの鳴り響く刺激的な舞台で話題となりましたね。

あれ。2022年4月には似た名前の演目が…。

それが「天一坊大岡政談」です。「天日坊」との違いや、あらすじ、みどころについて説明いたします。

天一坊と天日坊の違い

「天日坊」も「天一坊大岡政談」も、実際にあった天一坊事件を題材にしています。歌舞伎では、黙阿弥が原作であることも同じです。

「天日坊」は、もともとの天一坊事件を題材に黙阿弥が芝居にしました。

それを、演出・美術串田和美、脚本宮藤官九郎で作り直したのがコクーン歌舞伎の「天日坊」です。昨年の「天日坊」は2012年以来の再演でした。天日坊では、天一坊事件を鎌倉時代に置き換えており、天日坊を裁くのは、大江広元でした。天日坊は頼朝の御落胤を装うけれど、実は木曽義仲の子どもだった、頼朝は親の仇であったということになっていました。

 

4月の歌舞伎座でかかる「天一坊大岡政談」は、天一坊事件を題材に講談となったものを、明治になって黙阿弥が脚色しました。もうお江戸の時代は終わっていたので、将軍吉宗とか実名出しちゃってますね。

 

天一坊を裁くのが、江戸の庶民に人気のあった大岡越前守だったというのがひねっています。天一坊事件は本当にありましたが、大岡越前守がさばいたというところはフィクションです。

 

将軍吉宗の子の証拠をひょんなことからゲットした法澤が、将軍の子に成りすまして江戸に乗り込むが、最後は大岡越前守によって裁かれるというお話。

私などは、天一坊といえば志垣太郎!という世代です。

なんでだろう?と思ったら、こちらでした。
男は度胸」というNHKの時代劇で、天一坊事件を扱っていたんです。

www.nhk.or.jp

と言っても若い人はしらんだろうから、早速今回の天一坊大岡政談をご紹介!

登場人物

法澤 (猿之助) 将軍のお落胤である証拠を得、ご落胤になりすまし、次期将軍を狙い、都を目指す。

山内伊賀亮 (愛之助)法澤の参謀となる関白家の元家臣。知性あふれる悪者。
大岡越前 (松緑) 法澤を裁く。伊賀亮とは、ギリギリの攻防となる。
忠右衛門 (左近) 越前守の息子。 

 

あらすじ

法澤、将軍の御落胤の証拠をゲットし、御落胤になりすますの巻

ひょんなことから、おさんという婆から娘が将軍のお落胤を宿したものの、出産時に親子で亡くなってしまったことを聞いた感応院の坊主法澤。その落胤の生年月日が同じであることを知り、成りすますことを思いつき、おさんを殺して、証拠の将軍自筆のお墨付きと刀をゲットする。自分を知る観音院の和尚を毒殺。

法澤、天一坊と名乗り、仲間を増やすの巻

伊予の山中で浪人赤川大膳、藤井左京などと仲間に。さらに、赤川大膳のおじ、常楽院の天忠のもとへ。そこで、山内伊賀亮と出会う。

大坂、京都で御落胤であると認められるの巻

大坂で葵の御門をあげて宿に泊まっていたため、見とがめられるが、御落胤の証拠である将軍のお墨付きを見せ、本物であると判断される。

いよいよ江戸へ。大岡越前登場の巻

江戸でも堂々と葵の紋の幕をさげ、表札もたてるが、大岡越前が不審を感じ、伊豆守屋敷で取り調べることとなる。ここでも本物であると判断されるが、大岡越前守だけが、怪しいと感じ、再調査を直訴。ところが逆に伊豆守の怒りを買う。

大岡越前、あわや切腹かの巻

再吟味をするも、偽物である証拠を出せず、大岡越前は敗北。指定された日時までに証拠を出せなければ、妻、子供もろとも切腹をしなければならないことに!

大岡越前は平石治右衛門、吉田三五郎に調査を任せる。ふたりは、地道な調査の結果、ついに感応院の伝助など、法澤の顔を知る証人を得、江戸に急ぐ。

今や遅し、切腹かと親子で刀を突き立てる瞬間に!平石治右衛門、吉田三五郎が駆けつける!間に合うのか!

 

波乱万丈で面白いですね。今回もコロナ下で時間短縮のため、多少カットされたり演出が変わっているかもしれませんが、大まかな筋はこんなところです。

見どころ

猿之助松緑愛之助の顔合わせ

天一坊が猿之助、相手役の大岡越前守が松緑天一坊の仲間である参謀伊賀亮が愛之助。なかなか一緒になることも少ない濃い3人の顔合わせ、楽しみです。

気品のある御落胤に化ける、悪い法澤

猿之助天一坊。悪い奴も高潔な気品のあるお方も、男でも女でも自由自在の猿之助ですから、安心して見ていられますね。

山内伊賀亮と丁々発止とやりあう大岡越前

大岡越前は、怪しい一味のしっぽをつかもうとあの手この手で吟味しますが、山内伊賀亮に反論の余地なく論破されてしまいます。このやりとりが、手に汗握る攻防です!

大岡親子が、実の親子

大岡越前守が松緑、そしてまだ若き息子忠右衛門を演じるのは、松緑の息子左近クン。証拠が刻限までに間に合わなければ切腹せざるを得ません。「未練なふるまいなきように」と諭す父、従う息子。ああ、実際の親子だけに迫真の演技が期待されます。1月の南総里見八犬伝に続く親子共演にご注目。

 

さて、1部は「天一坊大岡政談」のみ。

通しで、じっくりと味わいましょう~。

 

第一部 午前11時~

※開場は開演の40分前を予定
【休演】11日(月)、19日(火)

です。