「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

3月の振り返り

2月の終わりから突如、大きな戦争が勃発した。ロシアがウクライナを侵攻したのだ。まさかまさかの連続の日々が続き、いまだに収束の糸口は見えない。

どうか一日も早く平和が戻りますように。

何とか無事に千穐楽

3月は歌舞伎座国立劇場でそれぞれ魅力的な演目がかかった。

コロナは一時よりは収まり(とはいえ、また増加してきた3月末)、国立劇場歌舞伎座ともに無事、千穐楽を迎えることができた。が、歌舞伎座2部で仁左衛門が9日から15日まで体調不良のため休演となり、心配された。大車輪の活躍が続く仁左衛門なので、無理をしないよう、体を休めながらいつまでもお元気でいてほしい。4月はまた歌舞伎座での出演があるのでうれしいけれど、心配だ。

 

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吉右衛門の後を追う人。

吉右衛門が倒れてちょうど1年。

国立劇場では「盛綱陣屋」で菊之助が、歌舞伎座では「石川五右衛門」で幸四郎が、それぞれ吉右衛門ゆかりの演目で、芸の継承を誓った。さぞかしあの世の吉右衛門もあっちを見たりこっちを見たり、忙しかったに違いない。

 

多くの人の目に、吉右衛門が見えていた。

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また吉右衛門の孫である丑之助が「盛綱陣屋」で小四郎を演じ、素晴らしい演技で観衆を魅了。8歳という年齢で、ひと月毎日切腹する役を演じるというのは、どんな意味を持つのか、凡人の私には測りかねる。怖い夢を観ないのか、途中で恐ろしくならないのかなどなど。

 

私は前半と中盤と2回観ることができたが、もう一度観てみたかった。何としても今ここで死ぬわけにはいかぬと、微妙から逃げるところ、盛綱と目を見合わせてうなづくところ、ああ、うまくいった、無事自分の役目をしおうせることができたと安堵してほっと息をつくところ、はあはあと荒く息をするところなど、どこも繊細で、細かな演技だった。

 

菊之助も丑之助もまじめだから、どんどん厳しい稽古になり、二人で余人も入れぬ盛綱の世界に没頭してしまっていたのではないかといらぬことを考えてしまう。それほど緻密な練習の積み重ねを感じさせられる演技だった。

菊之助の配信

月末に観た国立オンライン劇場 尾上菊之助の「京鹿子娘道成寺」が素晴らしかった。

何がどうすばらしいかというと、解説では細かく菊之助がその時の花子の気持ちなどを詳しく語る上、素踊り、化粧の様子などが効果的に挿入されて、どれも美しい。本編では、なかなか舞台では見られないアングルでの映像が美しい。後見がスッと目立たぬように仕事をしている様子、幕内に戻ってくる花子、出る前の花子、真正面の花子、グッと思い切り下から見上げる花子などなど。

 

配信購入は本日まで。1週間は見られるので、多くの人に見てほしい。

本編と解説と両方買うと3000円

 

もう一つ、「春興鏡獅子」も、同じく両方買うと3000円。今から買う予定。何とか多くの人に見てほしい。

歌舞伎以外で見たもの

歌舞伎以外、映画では、ウエストサイドストーリーと、ドライブ・マイ・カーを見た。

28日に、ドライブ・マイ・カーはアカデミー賞国際長編映画賞を受賞したが、個人的にはウエストサイドストーリーの方がよかった。

 

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ところで「ほうおう」に愛之助の談話として書いてあったが、昨年亡くなった秀太郎は、「『ウエストサイドストーリー』と『女殺し油地獄』を足して2で割ったようなものを作りたかった」と言っていたそうだ。なんとまあすてきな感性。秀太郎さん逢いたいな。

たまたま家で見た映画「タクシー運転手」もとてもよかった。

太田美術館の「赤一色」の展示も忘れ難い。

来月はシネマ歌舞伎桜姫東文章」も忘れずに

桜が一気に満開になった。日本人は桜を見ると浮かれてすぐにコロナが増える。

もう3年目だ。浮かれず恐れず立ち止まらず、少しでも前に進みたい。

 

4月はいくつか新しい動きもある。粛々と進もう。

↑これは、自身の仕事の話だけれど、

そうだ。歌舞伎座の4月の演目紹介はしたけれど、シネマ歌舞伎で「桜姫東文章」がいよいよ登場する。これは何をおいてもみなければ…。

4月の演目紹介はこちら。

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このほか、私は行かない予定だが、名古屋の御園座での公演や、大阪の文楽などもある。観る人の感想が楽しみだ。

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桜はやっぱり、青空によく似合う