盛り上がるけれど、これでこの舞台は観られないという寂しさがつきまとう千穐楽。
演目はまた上演されるのですが、同じ俳優、同じ座組ということはありませんから、一期一会の舞台はこれっきり。
今月はともかく休演もなく、無事千穐楽を終えたことおめでとうございます。
歌舞伎では通常カーテンコールのようなものはありません。粛々と終わり、1週間もたたないうちにまた次の月が始まるのです。(時々カーテンコールがあることもあります。新作や一世一代など)
必ずあるわけではありませんが、千穐楽にちょっとしたお楽しみがあることもあります。
昼の部の『寺子屋』で、涎くりが父さんにおねだりをするところがあります。春藤玄蕃にパシーンと頭を叩かれて、わ~んと泣いてぐずって困らせる涎くりに父さんが
「お前の欲しかった●●を買ってやろ」と声をかけます。今月は
「お前の欲しがっていた『デコピン』買ってやろ」というので、場内わーっと大うけだったのですが(いうまでもなく、デコピンとは大谷翔平選手の愛犬の名前です)、大谷の通訳氏の事件が明るみに出て、週末からは「歌舞伎座連れて行ってやろ」に替わっており、ちょっと寂しく思っていましたが、今日の千穐楽では、飴をもらっていたそうです。よかったね、涎くり。
(私は飴をもらった涎くりは観ていません。SNS情報です)
夜の部の『喜撰』では、所化の一人亀蔵さんが、終盤近くにでんぐり返しをしたそうで、これまた見損なった!私いたのに~。
なんとなく寂しさ募る千穐楽ですが、そんなちょっとしたお楽しみがあるとぱーっと気が晴れますね。
以前書いた記事ですが、千穐楽と初日、どっちがおススメ?
どっちもよさがありますよ。