「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

討ち入りの夜に。

昨日は討ち入りの日でした。

討ち入りと言えば、忠臣蔵浅野内匠頭が無念の切腹をしてその後大石内蔵助以下47士の赤穂浪人たちが吉良上野介の屋敷に討ち入り、主君の仇を取ったという日です。もちろん旧暦なので今のカレンダーで言いますと、12月14日というのは2月になりますので、雪もしんしんと降っていましたね。現代の12月14日はスプリングコートでも問題がないほどポカポカです。

 

昨今は、地上波でも忠臣蔵のドラマはあまりやらないので私も気合が入っていなかったのですが、かえって地上波ではないところでいろいろとありました。

 

衛星放送

とりあえず、歌舞伎の11段目(討ち入り)は、吉右衛門主演で夕方衛星劇場(CS)でやることはわかっていたので録画はしていました。

 

さて、7時にその録画を見ようとしてテレビのスイッチをつけたところ、衛星放送の画面ではなんと勘平腹切りの場。なんだこれは!と思っていたら、高田幸吉の「仮名手本忠臣蔵」でした。これが「仮名手本忠臣蔵」というタイトルがついているだけあって、まんま歌舞伎の舞台をそのままスタジオ撮りしたようなものなので、わかりやすいし、次のセリフまでわかってしまうので、とても面白い。パッパと画面は進んで7段目。おかると平右衛門の下りや名シーンのところもまんま歌舞伎です。しかし出ている俳優が誰だかさっぱりわからなかった。最初から観ていないので、上映年もわからず。1962年かな?

 

イヤイヤこれを見ている時間はない。ととりあえず残りは録画をしてお風呂にはいって松緑の「紀尾井町家話」へ。

 

紀尾井町家話

 

これは有料の配信です。

今月の歌舞伎座は、松緑の講談からとった新作「俵星玄蕃」を上演しています。俵星玄蕃は、忠臣蔵のスピンオフですから、これはこってりと裏話が聞けるに違いない。

 

8時にスタンバイしてみたら、なんとこの日に限って配信は7時から。しまった!7時から特別に神田松鯉先生の講談と松緑との対談があるのでした! アーカイブで見ることにして、10時まで、俵星玄蕃制作に携わった、演出家の西森英行さん、脚本の竹柴潤一さん、出演している坂東亀蔵さん、山崎咲十郎さんの家話。これだけでも十分面白くて満足。

 

通常歌舞伎には演出家はつかず、座頭が演出を兼ねるのだけれど、新作の場合は外部から演出家が入ります。そして外部の演出家は、通常の演劇と違う歌舞伎のセカイにビックリ、感動、驚愕、衝撃を受けるわけなんです。それがすなわち歌舞伎の魅力でもあるので、聞いていて「そういわれればそうだ」とか「そうなのよ、ふっふっふ」とか思いながら、とても楽しい時間を過ごしたのでした。

 

こちらはまだアーカイブで購入できます。

紀尾井町夜話特別編 「紀尾井町家話 第百二十六夜」のチケット情報(2023/12/14(木)~2023/12/19(火)) - イープラス

 

紀尾井町家話って何?と思った人はこちら

munakatayoko.hatenablog.com

11段目

10時に配信が終わり、前半の1時間は明日以降のお楽しみにして、吉右衛門の11段目の録画を見る。30分。

 

仮名手本忠臣蔵11段目」というのは討ち入りです。大星由良助は吉右衛門。くーー!やっぱり最高です。哀切、肝、忠義、慈愛、武士道、すべてを内にたぎらせて、ついにその日を迎えることができたという思いが胸を打ちます。

 

そして、私の大好きな又五郎さん(当時歌昇)が若々しい小林平右衛門で、泉水の場で大活躍でした。

 

というわけで、せっかくの討ち入りの日に後手後手に回ってしまっていろいろ観られていませんが、時間のある時に観ていきたいと思います。

 

忠臣蔵を知らない世代も増えていて地上波ではあまりやらない中、BS、CS、配信ではいろいろと上映されており、個人の好きなことにはどんどん深掘りできる一方、家族みんなでとか、日本中知っているとか、そういう世界観がいろいろとなくなっているなと感じる討ち入りの日なのでした~。

 

両国忠臣蔵散歩はこちら!

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