おっちょこちょいだけれど気っ風がよくて、人が良くて世話好きで人情味のある芸者おきち。
そのおきちには、落ち目の男を見ると、つい惚れてしまうという癖があった。
それがまるで狐がついたみたいなので、「吉原狐」というあだ名がついている。
そのおきち役が、米吉と聞いて、あまりにもぴったりな配役に、米吉への当てがきかと思いました。
が、そうではなく、昭和36年に17世中村勘三郎への当てがきで作られたとのこと。飄々とした17世のおきちも見たかったなあ!
米吉が、とにかく米吉らしさ満開でとても楽しい芝居。
米吉のお父さん役が幸四郎。いいお父さんだけれど、えへへ、彼女ができちゃった。
それが娘のおきちより年下の下女のお杉だからややこしい。きちんとおきちに説明することもできずにグズグズしているようなお父さんだから、案の定、おきちは勘違い。
本当におきちみたいな人がいたら、結構振り回されて迷惑だけれど、そこはそれお芝居だから、明るく楽しくからっとしています。
威張った殿様には喧嘩もふっかけるが、落ち目になるとたちまち惚れるというのが面白い。
惚れる瞬間には、シャリンと鈴の音がなって、ピカーと照明が当たり、おきちの手がグー(狐手)になるので、会場も大ウケ。
最初威張っていたけれど落ち目になっちゃった惚れる相手が染五郎くん。染五郎くん。いやあ、達者になりましたねえ!本当にこの子は!
番附(筋書きのことを大阪では番附という)の染五郎くんの画像もおおお!とうなるほど骨太の役者にアップデートしています。大人っぽい骨太の役者へとガンガン成長中。
中村隼人も出て来ますが、大富豪同心みたいなビジュアルで、好きな芸者が他のお客とイチャイチャするのを見てカッカする役でとてもいいです。そして最後もお楽しみですよ。
シャリーン。
大阪松竹座7月大歌舞伎の他の演目紹介はこちら
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