今日は、国立劇場の花形演芸会へ。久々の落語です!
常連ではない私にとっては、知らない人ばかりの出てくる演芸会だったけれど、珍しくチケットを取ったのはなぜかというと、お目当ては演目にあった「七段目」と、ゲストに出る五街道雲助師匠!
しかし五街道雲助さんが出たその時だけなぜか意識が遠のくという…。どういうこっちゃ。
玉屋柳勢「七段目」は、仮名手本忠臣蔵の七段目を題材にしたもので大好き。面白いし、こんなに歌舞伎が日常生活に密着していたんだなあと思うと楽しいのよね。最初から最後までニコニコしちゃうほど好き。
玉屋柳勢君は、愛嬌があって、楽しませてくれた。
漫才マリア。女性二人組で、おっとりと話すけれど、テンポが悪いわけではない。そのテンポが私には心地よかった。昭和のにおいもするけれど、38歳と48歳だって。またみたい。
浪曲って戦前まではとても流行っていた。人気者は長者番付にのるほど。ところが金歯ギラギラのおっちゃんとかが口角泡を飛ばしてうなっているから、ラジオの時代はよかったけれど、テレビの時代になったとたん廃れたという木ノ下裕一さんの話があったっけ(玉川奈々福さんとの対談)。映像もついていた対談だったので、聞いたときは哀しいけれどわかるような感じではあった。
しかし玉川太福さんは、がっしりとガタイもよく、かっこよく、テレビの時代劇にも出ればとてもいい感じなのでは?もうすでに出ていたりするのかしらん?
玉川奈々福さんもすらっとしていてお美しく、最近ご活躍なので、浪曲ブーム来るのか…?
しかし迫力に負けて、話はちょっとわからなかったりするのであった。8月の歌舞伎座の演目は、任侠ものが多いので少しこの辺の作品は押さえておいた方がいいのかな?
仲入りのあとの五街道雲助の「お菊の皿」。肝心なところで痛恨のウトウト。悲しい。以前も雲助さんを観に行ったときに、師匠コロナで休演ということがあったっけ。涙。しかし今回は完全に自分が悪い。昨夜飲みすぎた…。猛省。
太神楽。ハラハラしつつも鏡味仙成くん、全てミスなくやり終えた。いつも思うけれど、太神楽って、すごくない?なんか軽い扱いのような気がするけれど、本当にどれもすごい技術だと思う。新人君の方がベテランよりこちらは観ていてハラハラするけれど、よくやった。
トリが「佃祭」。春風亭柳枝。すごくよかった。笑いもあり、ちょっといい話だし。「情けは人のためならず」がテーマのお話。
けど、お通夜で客がお悔やみを言わなくちゃいけないところを、バカなことを言っちゃうところがあって、そこは笑い処なのだけれど、自分もそういうことをしてしまったことがあり、笑ってからまるで自分じゃんって思うなど。全くどうしようもない。
帰り道、「知らない人でも噺の上手な人はいっぱいいるんだねえ!こりゃ、もっと来なくちゃな」と言っている若いお兄さん二人連れがいて、
「ですよね~~!」と心の中で激しく同意しておいた。
漫才で脱力のあとは、浪曲でちょっと力が入って、太神楽でドキドキ。そのあと落語でしっかり脱力リラックス。楽しい土曜日となりました。
※国立演芸場の花形演芸会は、若手演芸家の活躍の場。レギュラー出演者とそれ以外の出演者がいて、レギュラー出演者から年間の金賞が選ばれ、それ以外の出演者から年間の銀賞が選ばれる。銀賞を受賞すると、翌年度から1年に2回出演できる「レギュラー出演者」になるそうな。
今回の出演者でいえば、仙成くん、柳枝さん、太福さん、はレギュラーですね。
ああ、そうか。最初のふたりはちょっとまだまだという感じだったので、紹介もしなかったけれど、あれが本当の若手なんですね。了解です。がんばってください。
マリアと柳勢は、よかったな。
安いのでおすすめですよ~ん。国立劇場が閉鎖したらどこでやるのかな。