歌舞伎座の5月は「團菊祭」です。成田屋と音羽屋の所縁のある役者で、所縁のある演目を出します。
昼の部
寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
お正月や襲名のめでたい時にかかる、歌舞伎らしさにあふれる演目です。50分くらい。
あらすじを簡単に言うと「曽我兄弟が親の仇である工藤祐経に会う」。ただそれだけの話です。
歌舞伎のおもちゃ箱だ!といった感じの演目です。(深く掘り下げるといろいろありますが、それはまた別稿で)
詳しくはこちらを↓↓
1676(延宝4)年1月江戸の中村座で初演。現在は、明治期に河竹黙阿弥が整理した台本によります。
若き日の信長
十二世市川團十郎十年祭。
十一世團十郎のために大佛次郎が書き下ろした新作です。成田屋が三代にわたって演じてきており、現團十郎も4回目。ニンもあっていると思うし、思い入れもひときわかと思いますので、楽しみですね。
詳しくはこちら。
音菊眞秀若武者(おとにきくまことのわかむしゃ)
尾上菊五郎の孫。寺嶋しのぶの息子眞秀くんの襲名。今回襲名披露なので、これは見逃せません!2012年9月11日生まれの眞秀くんはお目目クリクリ、スマイルが印象的なとってもかわいい坊やです。声もはっきりしていて、天性の明るさがとても魅力的です。
演目は、音菊眞秀若武者!くわしくはこちらで!
夜の部
宮島のだんまり
まったく予備知識なしで観たら「なんじゃこりゃ!」系ですね(笑)。
30分程度の短い演目です。
だんまりというのは、闇夜の中で登場人物たちが無言で探り合い、宝などを取り合う演出のこと。普通のお芝居でもだんまりはよくでてきますが、宮島のだんまりは、だんまりの部分だけ独立して一幕となっています。
侍と漁師が平家の赤旗を取り合って争っている。
その後、平家一門が厳島神社に集まり、登場人物が絡み合っていく。
だんまりは、漆黒の闇であること。宝物を取り合っているということを押さえておきましょう。
達陀 (だったん)
2代目尾上松緑が、京都のお水取りをみて、ぜひ歌舞伎化をしたいと考えて作ったもの。当代松緑(4代目)が継承しています。
お水取りとは、東大寺の二月堂で行われる法会の中の一つの行事で、仏の前で罪科を懺悔するものです。
主人公の僧侶集慶が過去帳を読み上げているとどこからともなく現れる青衣の女人。それは集慶の昔の想い人でした。
集慶は、煩悩に惑わされず、修業を終わらせることができるのでしょうか。
集慶 松緑
青衣の女人 梅枝!
幻想の集慶 左近!
荘厳な雰囲気の中、ラストのお坊さんたちの群舞が見ものです。
松緑、梅枝、左近という息の合った配役も楽しみなのですが、以前の達陀で幻想の集慶を演じた辰之助(現・松緑の父)がかっこよすぎて、そして孫の左近が似ていて、それだけでも楽しみでたまりません。
今月の連獅子に続く、松緑・左近親子の活躍に目が離せません。
梅雨小袖昔八丈~髪結新三
河竹黙阿弥作品の、世話物。セリフもわかりやすく、歯切れがよくおもしろいです。
相思相愛のお熊と忠七ですが、お熊に縁談が持ち上がり、お熊は忠七に駆け落ちを迫ります。二の足を踏む忠七に、髪結の新三は駆け落ちをそそのかしますが、実はお熊を誘拐して身代金を奪おうという魂胆。さてどうなるか。
見どころ
・手慣れた手つきで忠七の髪を撫でつけながら、駆け落ちをそそのかす新三。
・あとでワルに豹変する新三。
・とんだ悪党ですが、大家さんにはかなわないというおまぬけな一面も。
・そして最後は立ち回りだけど、あっさり終わる(笑)。
と、黙阿弥らしい大変魅力のあるお芝居です。音羽屋4代に続く芝居で、今回は菊之助が2回目の新三を勤めます。予習なくてもわかるのでは?
・江戸の風物詩たっぷりなのも、見どころの一つです。
前回国立劇場での髪結新三の記事ですが、下の方で少し触れています。↓
こうやって書いていると、本当に楽しみになってきます。若葉の美しいころの團菊祭。晴れに恵まれ、無事に初日、楽と迎えられますように。
上演スケジュール
初日5月2日(火)→千穐楽5月27日(土)
休演日10日(水) 17日(水)
チケット金額、売り場
1等席18000円
2等席14000円
3階A席6000円
3階B席4000円
1階桟敷席20000円
にて購入できます。
歌舞伎座アクセス
◯ 東京メトロ日比谷線・都営浅草線 東銀座駅[3番出口]
◯ 東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅[A7番出口]徒歩5分
◯ JR・東京メトロ 東京駅 タクシー10分
ではお楽しみに~♪