「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

4月の振り返り

 

比較的落ち着いた月

春だ。日は明るく、花は色とりどりに美しい!そして、案じられたよりもコロナは下火になり、平和な兆しの春。(しかし、かの国はいまだ平和は訪れず)。

 

4月は、歌舞伎座御園座も中止や休演となることなく、千穐楽を迎えられたこと誠におめでたい。3月はなんとか千穐楽にたどり着いたという感じだったが、4月はもう少し足取り軽くゴールしたような。水面下で苦労されている方はもちろんいると思いますが。

 

今月4月の歌舞伎座では、個人的にはやはり3部がよかった。有無を言わせぬにざたまの存在感。3月で休演したので心配だったけれど、ぢいさんばあさんでの仁左衛門は、すっかりお元気で、こちらも先月までの体調不良などもうすっかり忘れてしまった。5月はどうぞゆっくり休んでいただきたいもの。シネマ歌舞伎が素晴らしく大満足できます。

6月にはまた切られ与三で元気なお姿を見せてほしい。

 

今月は、歌舞伎座以外の舞台は中村屋の陽春歌舞伎のみ。

我が家で歌舞伎初心者の友達を読んで歌舞伎DVD鑑賞会を開いたりして、楽しかった。途中で映像をストップして説明したり、茶々を入れながら観たり、ご飯を食べたり飲んだりしながら楽しめるので、これは今後もありかなあと思う。あまり大人数というわけにはいかないけれど。

 

来月は、團菊祭もあるし、文楽もある。ツアーも再開したい。

春で気持ちがふわふわしているので、新緑のパワーをいただきつつ、しっかり前に進みたい。

月末に飛び込んできたニュースあれこれ

7月ナウシカ

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7月の歌舞伎座ナウシカ再演とのこと。クシャナ菊之助ナウシカ米吉とは!米吉ナウシカかわいいだろうなあ。

墓の主は、当然吉右衛門の声!!!ですよね!墓の主の声を吉右衛門に頼んでやってもらったことは、菊之助の殊勲賞ものではないだろうか。

 

上の巻とあるからは、下の巻もあるわけで、いや全部やるなら、上中下では?とにわかにネット民も騒がしい。私の心も忙しい。

ナウシカの古典化を目指し、様々な人に演じてもらおうとする菊之助の心意気に頭が下がる。マハーバーラタもやってほしいなあ。

大向こう問題。

月末最後にとんでもないことも。

4月の千穐楽。3部のお祭りで、なんと大向こうの声をかけた人がおり、玉三郎のセリフに被ったという。

松竹は、細心の注意を払って現在感染予防対策に取り組んでおり、大向こう、声掛けは禁止している。幕見の中止もその一環だ。おしゃべりや飲食に厳しいのも、他の劇場とは全く一線を画する厳重な姿勢だ。少しでも話していれば、スタッフが看板をもってすっ飛んでくる。

観客も役者も高齢者が多いし、少しでもリスクを取り除きたいと思うのは当たり前で、その厳重さ故に、安心して歌舞伎座に通っている人も多い。

 

お祭りという演目は、長らく病で休んでいた人などが久しぶりに出たりするときによくかかり、「待ってました」という大向こうに「待っていたとはありがてえ」と返すのが慣例だけれど、今は大向こうは中止だから、当然だれもかけないのが当たり前だ。

 

みんなここでほしいよなあと心の中で思っていてもかける人はいない。当たり前だ。

 

そこをすべてないがしろにして、声をかけるという神経がわからない。しかも、公演後に「大向こうをかけた人がいた!」と怒りのツイートをした人に「はい!かけたのは私です!」と、本人が名乗りを上げたのには驚いた。

 

全く、悪びれず、お祭りには大向こうが必要だと思うからかけたという。

 

何人かが驚いて、それはルール違反では…とリプライしたものの、まったく会話が成り立たない。

 

なんでも、「もう大向こうを解禁してもいいと思う。サッカーや野球では声をだしているではないか」「「お祭り」では「待ってました」とかけるのが前提だ」などの主張だ。

 

しかし、大向こうを解禁するかどうかを決めるのは、松竹であって一個人ではない。共同体の中で、決められたルールには従う。自分のやりたいと思ったことをルールに違反してやってはいけないというのは、幼稚園のころから教えられることではないのか。

 

ルールが気に喰わないから誰が何と言おうとも自分のやりたいようにやるというのでは、そもそも社会が成り立たない。

 

役者の気持ち(そもそも玉三郎は大向こうをあまり歓迎しない)、

会社の気持ち、堀越さんを始め、大向こうの弥生会の方々の気持ち、我々観客の気持ち、すべてを無視している。

大向こうが是か非か以前の、幼稚園レベルの問題だと思う。

 

以前、4階の現在閉鎖しているスペースの一番後ろの立見席から大向こうの弥生会の人が発するならいいのではないかと思ってそれを松竹の人だったかな?に言ったことがあったのだけれど(もちろん人件費とか、スペースの消毒の問題とかいろいろ山積はする)、それをよしとすると、勘違いした一般の人が通常の席からもどんどんやるようになってしまうため、許可できないという話を聞いたことがある。(誰との会話だったか記憶が定かでないのだけれど)

 

今回のことで、解禁はまた延びたと思う。とりあえず7月までの幕見、大向こうはなしと発表されているから、その後どうするか、今とても微妙なところだと思うのだが。

 

堀越さんを始め、不断の努力で正しい大向こうを続け、一日も早く復帰したいと思っている人がいる一方で、それを阻むのが、非常識の人たちというのがなんとも腹立たしいことだ。

 

来月は、不逞の輩が出てきませんように。てか出入り禁止にしてほしい。多くの善良なる観劇の民のために。

 

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