「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

12日初日!5月歌舞伎座演目紹介しまっす

 緊急事態宣言が延長されることになりましたが、緩和される部分もあり、5月12日より、歌舞伎座も初日があくこととなりました。

なんじゃそれ。←いろいろな思い、含む。

ですが、ともかく幕が開くことに関してはよかった。改めて演目の紹介をしたいと思います。

5月の演目

華やかに! 第1部 11:00~
三人吉三巴白浪~大川端庚申塚の場

三人吉三の中の有名な場のみです。
今をときめく若手勢ぞろいで、バシっと決まるといいですね。
お嬢吉三が右近、お坊吉三が隼人、夜鷹おとせが莟玉、和尚吉三が巳之助と、まあ、人気者がそろいました!

「ひゃー!かっこいい!」だけでもいいけれど、ぜひ前後の話の流れもつかんでから見てください。

munakatayoko.hatenablog.com

・土蜘

舞踊劇ですが、糸ビュービュー繰り出す迫力の面白さです。昨年、一昨年と土蜘蛛がらみの演目がいくつかかかっているので、すでにおなじみになっている方も多いかもしれません。病に侵された源頼光のところに、怪しい僧が現れ、蜘蛛の糸を吐き出して消えていく。後半は、平井保昌と四天王が土蜘と戦い、退治します。

1時間ほど。

土蜘が松緑。頼光が猿之助という顔合わせ。がっぷり四つに組んだ戦いが見られそうですね。
また四天王には松緑の長男、左近クンが出ます。注目です。また太刀持音若は、寺嶋眞秀くん。こちらも見逃せませんよ。

 

忠臣蔵だよ! 第2部 14:30~

仮名手本忠臣蔵 道行旅路の花聟

塩冶判官が切腹した四段目の後の演目となります。ご主人の一大事のときに仕事をさぼっておかるといちゃついていた勘平。二人はその場から、おかるの実家へと逃避行をするのですが、その道行です。踊りと立ち回りがキレイですよ~。

とても楽しめると思います。

munakatayoko.hatenablog.com

仮名手本忠臣蔵 六段目与市兵衛内勘平腹切りの場

道行旅路の花婿の後の5段目をすっとばして、6段目となります。
5段目では、おかるの実家に身を寄せたおかると勘平ですが、ある夜、事件が起こり、勘平は、自分がおかるの父親を殺したと勘違いをしてしまいます。それが5段目です。

6段目は、そのことを悔やんで、勘平が切腹をしてしまいます。
勘違いで、死ななくてもよかったのに死んでしまう勘平の哀れさ。勘違いで勘平を責め立ててしまったおかや(義理の母)の悲しみ。何も知らずに身を売られていくおかるのいじらしさなど、千々に心が乱れまくります。くらい場面ですが、最後は少しは救われるのかな。そうでもないか。

今回は、勘平を菊五郎!親父様がやるんですね。これは見なくっちゃイケません!
また、こういう役をやらせると天下一品の東蔵のおかや。情にもろく、一途で正直者のお母さんです。お見逃しなく。詳しくはこちら!

munakatayoko.hatenablog.com

菊之助だよ! 第3部 18:20~

・八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう) 湖水御座船

播磨屋だよ!と言いたいものの…。

www.kabuki-bito.jp

3月末に心臓発作を起こした吉右衛門丈、現在入院中、しばらく療養に専念とのことです。

どうぞ、ゆっくり静養をされてください。

代役は、歌六がつとめるとのこと。盤石ですね。

 

「八陣守護城 湖水御座船」のもとになったお話は、加藤清正徳川家康から勧められた毒酒を飲んだ後も100日も生き続けて、秀頼を守ろうとしたという伝説からきています。

加藤清正ならぬ佐藤正清が主人公。船の上の正清一行のところに探りを入れにくる敵。毒を盛ったはずなのに、まだ元気だなあ?と首をかしげながら帰っていく。そのうちについに毒が回ってきて…という場のお話です。

短いですし、話が面白いというよりは、役者の大きさを見るという感じの演目です。吉右衛門の替わりに歌六がドーンと存在感たっぷりの見せ場にしてくれることでしょう。

・春興鏡獅子

尾上菊之助が、鏡獅子を踊る!

鏡獅子は、明治26年初演だそうですから、意外と新しいのですね。昔からあった「枕獅子」を作り替えた作品だそうです。

前ジテは、女小姓の弥生が、余興に引き出されて踊り、そのうちに獅子の精霊が乗り移って後ジテでは獅子に変身し、毛ぶりも鮮やかに、勇壮に踊ります。

今回は、菊之助が踊ります。まず見て後悔のない絶品の鏡獅子だと思います。
国立劇場にある大きな鏡獅子の像を知っていますか?平櫛田中のこの作品は、六代目尾上菊五郎がモデルです。当代菊五郎のおじいさんです。

f:id:munakatayoko:20210509123434j:plain

6代目尾上菊五郎をモデルに20年かけて作られた!平櫛田中作・国立劇場(東京)

 あの像のように凛々しく美しい鏡獅子が見られるはずです。

そしてもう一つ。今回楽しみなのは、間狂言で胡蝶を勤めるのが、かわいい亀三郎君と丑之助君であること。丑之助クンはいうまでもなく菊之助の長男。順当にいけば、菊之助が8代目菊五郎、そして丑之助君は将来の9代目菊五郎候補というわけです。2013年生まれの小学校2年生かな。

亀三郎クンは、彦三郎丈の長男。これまたかわいくて達者なボーイです。こちらも2013年生まれ。(早生まれなので学年は一つ上ですね)

もう3ヵ月も前から二人は一生懸命練習をしているそうですよ。それがこの状況でいつ初日が開くともわからない。大人だってきついストレスなのに、小さな二人は何を思っていたことでしょう。無事踊らせてあげたいという祈りが叶いそうでよかった。

 

お父さんの彦三郎さんがインスタライブでおっしゃっていましたが、この時期でないとできないお役なので、二人にやらせてやりたいという気持ちは特に強かったようです。

可憐な二人の胡蝶、楽しみですね。

 

上演スケジュール

 初日2021年5月12日(水)~千穐楽  28日(金)

第一部午前11時~

第二部 午後2時半~

第三部 午後6時20分~

休演日

19日(水)

チケット金額、売り場

  • 1等席15,000円
  • 2等席11,000円
  • 3階A席5,000円
  • 3階B席3,000円
  • 1階桟敷席16,000円
  • ※開場は開演の40分前を予定

チケットは、歌舞伎座木挽町広場チケット売り場、または
チケットWeb松竹
にて購入できます。

歌舞伎座アクセス


東京メトロ日比谷線・都営浅草線銀座駅[3番出口]
東京メトロ銀座線・丸ノ内線日比谷線 銀座駅[A7番出口]徒歩5分
◯ JR・東京メトロ 東京駅 タクシー10分


歌舞伎座の感染予防対策

歌舞伎座は厳重な対策をとっています。くわしくはこちら