「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

2025年11月歌舞伎座演目紹介 吉例顔見世大歌舞伎

早くも今年も終わりそう?やだー!

11月の歌舞伎座の演目紹介です。(唐突)

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昼の部

御摂勧進帳 (ごひいきかんじんちょう)

勧進帳』と似ているけれど似て非なるのがこの『御摂勧進帳』です。

山伏に身をやつした義経、弁慶一行が奥州をさして旅するところ、安宅関で富樫に見とがめられ、義経を打擲して安宅関の通過を許されるのは「勧進帳」と同じですが。

なんとその後弁慶は、木に縛り付けられ、えーんえーんと泣き、その後大立ち回りの末、番卒たちをやっつけ、その首をボカスカ引っこ抜いて大きな桶にバンバン入れてかき回すという、奇想天外な筋立てです。

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おもしろいですよ。私はこの弁慶をストラップにしたいくらい、好きです(笑)

今回弁慶を演じるのは巳之助。10月は2部で迫力のある碇知盛を演じてくれましたね!とても楽しみです。

道行雪故郷(みちゆきゆきのふるさと)

『恋飛脚大和往来』の中の巻で「封印切」をしてしまった忠兵衛は、梅川と心中を覚悟して忠兵衛の生まれ故郷の新口村にやって来ます。その場面が「新口村」と言われます。

今回の「道行故郷の初雪」では、漫才の鶴太夫が現れて、二人を慰めるために明るく踊って、心中を思いとどまらせようとします。「新口村」バージョンの中ではすこーし明るいかな。

梅川が雀右衛門。忠兵衛が扇雀。漫才鶴太夫錦之助。寒い雪の中、心中を決意している二人という寒々とした情景の中で、鶴太夫錦之助がホロリとする情感を見せてくれることでしょう。

鳥獣戯画絵巻 

国宝「鳥獣戯画」は有名ですね。よくご存じかと思いますが、それをモチーフとした舞踊劇です。私は今回初めて観ます。初演は昭和45年国立劇場小劇場での「舞踊公演」でした。
演出・主演したのは藤間勘右衛門(二世尾上松緑)、当代松緑のおじいさんです。
当代松緑は、二世松緑の作品の次代への継承を大切に思っており、2023年に上演された「韃靼」もそうでした。大変迫力のある群舞でした。そんな感じかなと想像しています。
狐、猿、蛙、兎などが出てきますよ。


また演奏が、三味線、筝、尺八のほか、様々な打楽器が出てくるとのことなので、とても楽しみです。

『曽我綉俠御所染』(そがもようたてしのごしょぞめ) ~御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)

廓町が舞台ですから、華やかですが、結局最後は殺しです…!

美しいし、天敵同士のチーム五郎蔵とチーム土右衛門のつばぜり合いなども見どころです。
五郎蔵は愛之助、土右衛門が松緑、傾城逢州が米吉、傾城皐月が時蔵
これ、ちょっと見逃せないんじゃないでしょうか…。傾城皐月の最後が見どころです!

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夜の部

當年祝春駒(あたるとしいわうはるこま)

曽我物の舞踊です。曽我物というのは、『寿曽我対面』(ことぶきそがのたいめん)のバージョンです。

曽我五郎・十郎という兄弟が、父の仇である工藤祐経に会って、いざ刀を抜かんとしたのですが、今やっている仕事があるからそれが終わるまで待て。と祐経に言われて一旦、その場はあきらめるという芝居なんです。(雑)

『寿曽我対面』は、お正月やめでたい節目に出てくるのですが、なぜでしょう。
昔から三大あだ討ちと言われている「曽我兄弟のあだ討ち」「赤穂事件」「伊賀越のあだ討ち」は、成功したのでめでたい象徴と言われているそうです。

とにかく、よく上演されて、またかーと思う『寿曽我対面』だけれど、たくさん歌舞伎の面白いキャラが出てくるし、なんとなく華やかでいいですよね。
『寿曽我対面』歌舞伎キャラ集合!の楽しい舞台♪あらすじ・みどころ

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そのバージョンである當年祝春駒(あたるとしいわうはるこま)

『寿曽我対面』ほどたくさんのキャラは出ませんが、

凛々しい曽我五郎時致が萬太郎、たおやかな曽我十郎祐成が橋之助

工藤左衛門祐経が歌六。貫禄のある立派な敵役を見せてくれることでしょう。

歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)

これは、新作のカテゴリに入りますが、元となる芝居はありました。そして、2022年には私も観ています。
いろいろなトラブルに巻き込まれながらも、絶対に芝居の幕は降ろさないぞ、休演せずに幕を開けるんだというドタバタチックな芝居だったのですが、なんと2022年と言えばコロナの真っただ中。
休演の人が出たりして代演代演で、しまいには演出の三谷幸喜さんまで舞台に駆り出されてしまい、文字通りの「ショウ・マスト・ゴーオン」だったんですね。
私ちょうどその三谷さんが代役をやったときのを観たのですが、おもしろくてびっくり。全く違和感なく役者をしていました。

それを歌舞伎にして作ったのも三谷さん。三谷さんは、歌舞伎は2本目。


「笑わせるぞ!」と意気込んでいるので、「簡単には笑わないよ!」という気持ちで観たいと思います(笑)。さてどうなるかな。

 

2022年の「ショウ・マスト・ゴーオン」では松也がすごく面白かったのですが、今回出ないのはとても残念です!しかし、「エリザベート」出演ではやむなしかー。

狂言作者に幸四郎、座元に愛之助、山本小平次獅童という顔ぶれ

あんまり笑わそう笑わそうというのは好きじゃないんですよ。私は!笑いませんよっ!

上演スケジュール

初日11月2日(日)→千穐楽11月26日(水)

休演日10日(月) 18日(火)

チケット金額、売り場

特等席20000円

1等席18000円
2等A席15000円
2等B席14000円
2等C席9000円
3階A席6500円
3階B席5000円
1階桟敷席20000円

 
チケットは、歌舞伎座木挽町広場チケット売り場、または

チケットWeb松竹

 にて購入できます。

 

 一幕見はこちら!

https://www.e-tix.jp/shochiku_makumi/


歌舞伎座アクセス

東京メトロ日比谷線・都営浅草線銀座駅[3番出口]
東京メトロ銀座線・丸ノ内線日比谷線 銀座駅[A7番出口]徒歩5分
◯ JR・東京メトロ 東京駅 タクシー10分

 

ではお楽しみに~♪