2023年７月の歌舞伎座の演目をご紹介します。
昼の部 澤瀉屋の通し狂言で華やかに！
菊宴月白浪（きくのえんつきのしらなみ）～忠臣蔵後日譚 11:00~15:05
11時開演で3時まで一つの物語を上演です。（これを通しと言います）
1821年に鶴屋南北が書いたもの。1984年に三代目市川猿之助が復活上演。その後２回上演されて、その都度脚本と演出が練られた上で今回となります。
内容は、忠臣蔵では悪役の斧定九郎が実は忠義者で、塩谷家再興に力を尽くすという話。
忠臣蔵のパロディ、オマージュがちりばめられていて、忠臣蔵、また歌舞伎好きな人にはたまらん芝居になっています。
しかし、忠臣蔵を全く知らない人でも、澤瀉屋らしい大立ち回りや、宙乗り、大きな仕掛けもあり十分楽しめると思います。序幕・二幕目・大詰めとすべてに見どころがあります。
今回は当初四代目市川猿之助が主人公の斧定九郎を演じる予定でしたが、休演となり、代役として演じるのが市川中車。
お父さんが3回演じている主人公を、なんの因縁か演じるはずのなかった息子の中車が演じます。それこそ命をかけて演じている姿が胸熱です。（一昨日見ました）
夜の部 成田屋で歌舞伎らしさを満喫！
神霊矢口渡 16：00～17：05
神霊矢口渡は、５段ある長いお話ですが今回の「頓兵衛住家」のみが上演されることがほとんどです。作者の福内鬼外って、平賀源内なんですよ！
強欲な父親が、褒美を狙って命を奪おうとした相手は、娘が恋い慕っている男。
娘はどんな行動に出るのでしょう。
見どころは、娘お舟のかわいくも切ない恋心と悪役頓兵衛との絡み。そして舞台の美しさです。頓兵衛は矢口渡で渡し守をしているので、舞台一面が青い波に囲まれます。廻り舞台の良さが存分に発揮される美しい舞台です。
女方ならぜひやってみたいのがこのお舟ちゃんではないでしょうか。今回は初役で児太郎。美しい海老ぞりを見せてくれることと期待しています。
幕間20分
神明恵和合取組～め組の喧嘩 17：25～19：25
め組の喧嘩は、世話物（江戸時代の現代劇）で、わかりやすくて派手で楽しいですよ！
コロナになったばかりのころ「ああ。め組の喧嘩はもう当分見られないんだな」と悲しい気持ちでいっぱいになったことを覚えています。
なぜならば、め組の喧嘩は、お相撲さんチームと鳶チームが大喧嘩をするという話で、喧嘩の前には「やったるで～」とばかりに水を口に含んで「ブブ～っ」と吹き出し景気づけをするわ、大人数が出てくんずほぐれずの取っ組み合いのけんかになるわ、という芝居ですからまったくコロナ禍では上演できないものなんです。
だから、これが上演されるとわかったときには、好きだからウレシイという感情とは別にコロナが下火になったという象徴にも思われて、とてもうれしかったですね。
とはいえ、今もコロナが収束したわけではなく、９波とも言われているので、本当に大きな休演などにならないよう、役者さんスタッフさんたちも、日々細心の注意を払って頑張って千穐楽まで走ってほしいものです。
内容は、血の気の多い相撲取りと鳶たちが喧嘩をするというもので、立ち回りもとても迫力があって面白いです。どうぞお楽しみに！
かっこいい鳶チームもいいですが、私は着ぐるみを着たお相撲さんチームも好きです。着ぐるみのおへそはバッテンです(笑)。
幕間30分
鎌倉八幡宮静の法楽舞 19：55～20：45
９世團十郎が選定した新歌舞伎十八番のひとつ。今年は九世團十郎没後120年だそう。その節目の年での上演となります。
團十郎の七役踊り分けと、長女ぼたんちゃんと、長男新之助くんが出るのが見どころですね。
河東節、常磐津、清元、竹本、長唄の五重奏もあるそうなので、華やかになりそうです。
上演スケジュール
初日7月3日（月）→千穐楽7月28日（金）
休演日10日（月） 19日（水）
チケット金額、売り場
1等席18000円
2等席14000円
3階A席6000円
3階B席4000円
1階桟敷席20000円
チケットWeb松竹https://www1.ticket-web-shochiku.com/t/
にて購入できます。
歌舞伎座アクセス
◯ 東京メトロ日比谷線・都営浅草線 東銀座駅［3番出口］
◯ 東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅［A7番出口］徒歩5分
◯ JR・東京メトロ 東京駅 タクシー10分
ではお楽しみに～♪
