「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

歌舞伎一幕見ツアー開催~「菊宴月白浪」大詰

2ヵ月ぶりにainiの歌舞伎体験ツアーを開催しました。

 

幕見ツアー

helloaini.com

コロナ禍でしばらく一幕見がなかったので、解説のみなど、違う形でツアーを行うしかありませんでしたが、今回は久々にお話と一幕見るツアー。

 

 

いつもと同じように、歌舞伎座の周りを一周したあとに木挽町広場をご案内。チケット売り場などを案内したあと5階に行ってお茶しながら歌舞伎の魅力について語りまくり、今から見る演目について解説したあとで、「菊宴月白浪」大詰一幕を見るというスケジュール。

f:id:munakatayoko:20230708214449j:image

 

今日のお客様に話を聞いてみると、着物が好きで、そのせいで江戸の文化に触れるようになり、歌舞伎にも興味を持っていただいたとのことです♪いいですね~♪

歌舞伎も初めてだし忠臣蔵も知らないとのことでした。

 

「菊宴月白浪」は、忠臣蔵のパロディがちりばめられていますが、忠臣蔵を知らないのならそれを話しても面白くないので、そこの説明は省くことに。

大詰の解説

大詰だけを見るので、あまり複雑にならないようにこんな解説にしてみました。

 骨子

・高野家と塩谷家の争いであること。

・重宝である「菅家の正筆」(高野家)と「花筐短刀」(塩谷家)を将軍家に献上すればお家再興がかなう。

・両家で宝の奪い合いとなる。

 

 簡単に人物説明

あとは、こんがらない程度に、人物の説明。(大詰めのみ)

塩谷側

斧定九郎(暁星五郎)塩谷家に忠義を尽くすため、泥棒「暁星五郎」となって高野家の重宝を狙う。(中車)

 

一応高野側

仏権兵衛 高野家の家来筋だが、実は星五郎の双子の兄弟だった。(猿弥)

 

昔塩谷側。今や高野側。

直助 昔、与五郎という名前で定九郎(星五郎)につかえていたが、自分が高野師直の実子であることを知り、ダークサイドへ。直助と名前を替えて権兵衛につかえている。(歌之助)

 

塩谷側

おかる 直助に殺された与一兵衛の娘。権兵衛とは仮の夫婦。星五郎に思いを寄せる。直助は親の仇になる(壱太郎)

 

 キーアイテム

キーアイテムは二つの重宝のほかに

・直助が殺人をした証拠となる「さいふ」

・直助が高野師直の実子である証拠である「守り袋」

・これさえあれば、だれでもバンバン妖術を使える最強の武器「忍びの一巻」

 

この程度にしてから、もう一度ざっとあらすじを確認。

 

その後、歌舞伎座の4階に行って、一幕見ました。心配だった前半もがっちり食いつくように見ていただき、とても楽しんでくださったので本当に良かったです。

感想

「やっぱり映画やテレビと違って、生で見る迫力はすごいですね!イメージが変わりました」とお客様は感心しきり。

 

本当に私も2回目ですが、4階から見るこの演目とても面白かった。

どのシーンもとても美しく、仕掛けも大がかりで、特に宙乗りは、グングン迫ってきますし、両宙乗り

往路だけでも緩やかにあちらこちらに視線を送りながらグッと迫ってくる中車に胸が熱くなるのに、復路では、さらに足場が小さな凧になっていて、ひやひやするのに、さらにその後の仕掛けで驚かされます。きゃ~~。

 

 

大屋根の上で直助が、楼門五三桐の石川五右衛門ばりに「ぜっけいかなぜっけいかな」と浮かれているところに、星五郎が最後の戦いを挑みます。

 

最強の武器忍びの一巻を持っている直助に、あわやの攻撃を受けます。

 

そして大屋根に飛び降りてからは、直助と星五郎の瓦も飛び交う大立ち回り。

 

最後の一瞬まで目を離せませんよ。「本日の昼の部はこれぎり~~」で終わった後は後ろにずらりと並ぶ捕り手たちが持つ提灯にもご注目ください。

 

これでもかこれでもかの澤瀉屋のエンタメ精神には脱帽です。

最後は、満席の場内の拍手!みなさん手を高く上げての拍手でした。

 

今回の大詰め、1400円で観られるのは本当にお得だと思います。宙乗りも大迫力ですし。演目の面白さが何よりでした。また歌舞伎を観ていただけるといいなあ。

 

今回は大詰めだけの解説でしたが、序幕も2幕目もそれぞれすごい見どころがあるので他の幕の幕見でも楽しめると思います。

どうぞお気軽に~~。

 

f:id:munakatayoko:20230708214140j:image

 

画像は、復路の宙乗りのためにぶち抜かれた(?)歌舞伎座の壁!