「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

喜撰/棒しばり

一昨日シネマ歌舞伎 喜撰/棒しばりを観てきました。
いつものように
「面白うて、やがて哀しき勘三郎」でした(´;ω;`)

そして三津五郎勘三郎が亡くなったとき
「体の半分もぎ取られたようだ」(人生の半分って記事には書いてあったけど、記憶では体って言っていたようなきがする。どっちだったかな)とその悲しみを表現しましたが、文字通りその8ヶ月後に癌が発覚、1年半後に亡くなってしまいました。かなしい。

そんな三津五郎さんと勘三郎さんの魅力がいっぱい。

 

ようこそ歌舞伎へ「坂東三津五郎」 2/4 | 歌舞伎美人(かぶきびと)


こちらは、喜撰が上演されたときの歌舞伎美人のインタビューなので、作品そのものの解説もさりながら、三津五郎さんの思いもたっぷり、どこの部分がむずかしいのか、どんなふうに上達してきたのかといったことも語られていて、必見です。

 

「お坊さんは、上半身が男で下半身が女で踊るのが口伝です。軽妙な振りをこなさなくてはならないのですが、がに股にもできませんし、歩幅が大きいと品がなくなります。軽さ、まろやかさを感じていただくには、体を酷使しないと表現できません。人間の身体は、下半身がしっかりしていないと上半身は柔らかく動かないものなんですよ」

 

 さらに

「最初は硬かったと思いますが、段々に頭で考えて体を動かすのではなく、自然に清元と長唄の曲に乗って体が動くようになってきました。計算を超越して曲に体をゆだねる――。いい曲だなと思いながら踊っている瞬間が増えてきましたね」

 

とても楽しそうに語っている三津五郎丈。これは、このシネマ歌舞伎が上演されたこれからわずかな年月でなくなってしまって、とても残念です。

しかし、映像は残りました。100回以上踊って、楽しめる境地で踊っている三津五郎丈の映像が残ったことは、本当に不幸中の幸いでした。

 

いつまでも悲しんでいてはいけませんね。

喜撰の中では後半たくさんの所化が出てくるのですが、これが今活躍中の若手がいっぱい。その中には、三津五郎丈の息子巳之助くんもいました。しっかりと父親の芸を継承していつの日か、この踊りを踊って欲しいものです。

今回のシネマ歌舞伎を見た人も、これからの人もぜひ読んでみてください。

最後まで読んでると、また悲しくなっちゃうけれど。

三津五郎さん、勘三郎さんとよく飲み歩いていた彌十郎さんは、シネマの棒しばりにも出ていますが、今月は修禅寺物語でがんばっておられますね。お二人の分までがんばってほしいです。