今年もいろいろありました。歌舞伎観劇で、しっかり2021年締めくくろう♪
第1部
新版 伊達の十役
文化12年(1815年)初演。原作は鶴屋南北。その後上演されたのは1979年というから実に164年ほど間があいたことになります。ただし復活をしたときには当時の台本は残っておらず、3代目猿之助(現猿翁)と奈河彰輔が作り直しましたというより、作ったといっていいのかな。
初演は成田屋が演じ、復活してからは3代目猿之助が1999年まで。その後成田屋の海老蔵、高麗屋が何度かやっていますね。
慙紅葉汗顔見勢(ハジモミジアセノカオミセ)という外題になっていることもありますが、同じ伊達の十役です。汗をかきかき、十役見せまっせという意味だそう。
その伊達の十役を、再び澤瀉屋である猿之助が演じるということで、澤瀉屋ファンにとっては念願の伊達の十役!となるようです。
何といっても、眼目は十役早替わり。時間はまだ3部制なので、短くなるだろうけれど、きっと猿之助が魅せてくれますよ。お楽しみに。
第2部
ぢいさんばあさん
これは、森鴎外の原作を宇野信夫が昭和26年に劇にしたものです。新作だから言葉もわかるし、理解するための予習はいらないですけれど、森鴎外の短編がネットで読めますのでぜひご一読ください!短いのですぐに読めます。とてもいい短編です。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/43030_17421.html
内容は、仲のよかった若夫婦が、ひょんなことから会えなくなり、やっと会えたのはその37年後だったというお話です。しみじみ…。
とてもいいお話なのですが、これって役者の力で面白さがとても左右されると思うのです。仁左衛門と時蔵のじいさんばあさんは、とてもよかったのですが、それ以前にみたときはつまらなかったという印象があります。(誰だったかは、言わない~)
今回は、伊織が勘九郎、るんが菊之助。若すぎないかなあ。年取った夫婦をどう演じるのかなと思ったのですが、
むむ。そうだ!(ポンと膝を打つ!)
勘九郎は、大河ドラマ「いだてん」でしわくちゃ爺さんになった金栗四三を見事に演じていましたね!きっと大丈夫!
菊之助のおばあさん、どんな風なんでしょう?
「37年ぶりに再会したときに心から思わずあふれ出る何かを表現できれば。凛としたものを大事につとめたい」と語る菊之助(東京新聞)。凛としたもの。ああ、菊之助ならきっと凛としたるんでしょうねえ。お楽しみに!りんとしたるん♪りんとしたるん♪
男女道成寺(めおとどうじょうじ)
道成寺は昔から人気演目なので、いろいろと違うバージョンのものができたのですね。男女道成寺もその一つ。花子だけではなく、桜子という白拍子も出てくるのですが、途中で桜子の烏帽子が落ちて男性であることがわかります。二人で華やかに踊りますよ。お楽しみに!
第3部
義経千本桜~吉野山
これはもう、傑作中の傑作。見たことのある人も多いでしょう。義経千本桜のうちの道行です。静御前と佐藤忠信は義経がいると聞いた吉野山に向かっています。途中で忠信が見えないときには初音の鼓を打つと、忠信は出てくるんですねえ。不思議不思議。どうしてでしょう。
この1年3ヵ月の間に、すでに2回七之助は静御前を演じていますね。1度目は昨年の8月歌舞伎座がコロナ禍で半年ぶりに幕を開けたとき(忠信は猿之助)。2回目が今年の7月市川弘太郎の自主公演です(忠信は弘太郎)。
とにかく、この静御前の美しさと言ったら!顎が外れるほど、美しいので、ぜひ未見の方はぜひぜひぜひ!お楽しみに!
この吉野山を見たら必ず必ず1月の3部の河面法眼館の場も続けてみてくださいね!だんだん「義経千本桜」のお話がつながっていきますよ~。
信濃路紅葉鬼揃
2021年最後を締めくくるのは、やっぱり玉様。いえ~い。「紅葉狩り」は、紅葉狩りにやってきた平維茂が美しい女たちに出会う。酒宴に誘われて楽しく見ているうちにウトウト。ところが鬼が、襲い掛かってきて!
というお話。今回の「信濃路紅葉鬼揃」も大体ベースはおなじですが、玉三郎バージョン。「紅葉狩り」は最後鬼女と戦うだけでしたが、「信濃路紅葉鬼揃」は鬼女の子分がいっぱい出てきて派手派手しく立ち回るようです。
「紅葉狩り」は途中で山神が出てきて、ねぼけている平維茂をかわいらしく起こすところがあったのですが、それはないのかな。2015年秀山祭での山神はとてもかわいかったなあと筋書を見てみると、なんと金太郎クンだったのだな!現染五郎クン。あんなに小さかったのにあっという間に大きく素敵ボーイになってしまって…。
しかし、印象深かったのでやはり存在感が当時からあったのですね。
さてさて、鬼女軍団の立ち回りがどうなるやら!玉様は派手に決めてくれそうです!
お楽しみに!!
というわけで、12月の歌舞伎座も全部楽しみ!南座も充実しているようです。
今年のよい締めくくりとなりますように!!
わお~ん(雄たけび)
鬼も出るかも。戸隠山での紅葉狩。
上演スケジュール
2021年12月1日(水)~26日(日)
第一部 午前11時~
第二部 午後2時30分~
第三部 午後6時~
※開場は開演の40分前を予定
【休演】8日(水)、20日(月)
チケット金額、売り場
1等席15000円
2等席11000円
3階A席5000円
3階B席3000円
1階桟敷席16000円
にて購入できます。
歌舞伎座アクセス
◯ 東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅[A7番出口]徒歩5分
◯ JR・東京メトロ 東京駅 タクシー10分