というわけで、今日はがんばってICUに行ってきました。(どういうわけだよと思われたかたは昨日のブログを見てね)
今日も極めて気持ちのいいICU。ああ、またこんなところで学んでみたい。芝生に寝転がってまどろんでみたい。「あーん。遅れる~」なんて自転車を飛ばしてみたい。。。
あ、失礼しました。
今日は日本伝統芸能の世界―歌舞伎―でした。
ゲストは市川笑三郎さん。
非常に面白かった!これで無料なんて!
前半は矢内先生と笑三郎さんの対談。
笑三郎さんは、岐阜県中津川市出身。ここは地元の素人歌舞伎が根付いているそうです。小さな頃から観て、幼稚園のころは、役者の目がキラキラ輝いているのを見て、●●戦隊みたいに、「舞台に上がるとヒーローに変身できる!」という感じで見ていたそうです。舞台が大好きで憧れていて、ぜったい歌舞伎役者になるって決めていたんですって。中学でたら役者になるためにすぐ上京。
先生に心配されたけど「いいんですっ!」と言い張って負けなかったんだって。本当に大好きだったんですね。
そして猿之助さん(現猿翁)に弟子入り。2ヶ月ほどたったときに女形をやりなさいと言われたそうです。
質問:普段から女性の観察ってしていますか?
お答:女心について、女性に参考に聞くことはあるけれど、身なりや居住まいについては参考にはなりませんと。(笑)。逆にお教えしたくなると(笑)。
質問:古典や新作で入るスイッチは違うのですか?
お答:猿翁のやっているスーパー歌舞伎は、歌舞伎の良さを残しながら、尚且つ現代でも共感できるテーマを探すもの。歌舞伎であって歌舞伎を超えているものなので、新作とは言え、古典が理解できている上での応用なので、(スイッチが違うということはないという意味かな)
4代目猿之助は、ワンピースを見てもわかるようにどんどん現代風に変えているが、古典と新作が両立するという根底は変えてはいない。
質問:若い学生はなかなか歌舞伎も見に行けないようだが、何かアドバイスはありますか?
お答:(1)見取りではなく、通し狂言をまずは観てはどうでしょうか。(見取りは、全く別の話をやっているということを理解しないまま、観て混乱している人もいるよう)
(2)スーパー歌舞伎は、わかりやすいですよ。そして歌舞伎っぽさももちろんあるので、最初に雰囲気を味わうにはいいのでは?
(3)シネマ歌舞伎もおすすめですよ。
といった話で、盛り上がりました。
休憩後は、ワークショップ。ワークショップ風のDVDを観たあとに、学生さんたちが舞台に上がって実践です!
歌舞伎の歌:セリフも歌をうたうように三味線に合わせて言いましょう。
歌舞伎の舞:様式化された動きは、日本舞踊が基本なんですよ。
歌舞伎の伎:
女形と一口に言ってもいろいろ。
赤姫・局・腰元・傾城・芸者・世話女房・娘といった女性の種類について説明され、女形がやる男の役についても説明されました。
女形のゴールは女性になることではなく、男が女性らしさを追求するところにあるというのが深いですね。
さて、女形の型ですが、
肩甲骨を寄せ、肩幅を狭くする。など実際に学生も、客席の我々もやってみました。
そして喜怒哀楽を表現。
実際に「毛抜」の一場面を実演しました。
腰元が
「お上がりなさりませとの御口上でござりまする。」のあと、セクハラされて
「わしゃ知らぬわいな。ビビビビビー」のところまで。
学生さんたち、緊張しつつも一人ずつ簡単にアドバイスされながらやってみましたよ~。
様式美というのは「舞台という枠の中で絵のように動くことを表現する」こと。
私は、常々歌舞伎の魅力について「どの瞬間を切り取っても絵のように美しい」ことだと思っていて、それをみなさんにもお伝えしていたんですが、その理由はまさにこれです。
たとえば、パッと指でものを指し示す動作、普通の演劇であれば、最終目的である「指す」ところだけに注意していると思うのですが、歌舞伎では、手を上げるところから物を指し示すまで、ゆっくりと円を描いて小指の先まで神経をとがらせていきます。途中の動作まですべて決まっているんですね。その基本は日本舞踊だそうですが。
だからどの瞬間を切り取っても絵のように美しいのですね。
最後に学生さんたちにも大きな拍手が送られ、笑三郎さんにももちろん更なる大きな拍手が送られました。
学生さんたち、歌舞伎はどうやって観に行っていいかわからず、なかなか行くチャンスがないとのことでしたが、私の一幕見ツアー、最適なので、来てくれないかな~。と思いつつ、帰路につきました。
初心者歓迎。観て、知って、楽しもう。歌舞伎ガイドが案内する「歌舞伎の世界」 | TABICA
とても楽しかったです。次のお知らせがなかったので、当分ないのかな。残念です。
あ。最後に、なぜ本日のゲストが笑三郎さんかというと、矢内先生大ファンだそうです!ヽ(*´∀`)ノ