「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

七段目は「吊り灯篭」から。 本日より吉右衛門復活!

今月の七段目は、「吊り灯篭」からでした。

前半が大幅カットなので「なんで!もう!これもコロナのせいなの!?」と理不尽にお嘆き遊ばすな。

 

昔から、七段目には前半カットバージョンがあり「今月は吊り灯篭からね」「ああ、力弥は出ないのね」みたいな言い方をします。

 

最初、仲居さんたちが4人出てきて、「由良さんったら毎晩遊んでばっかり」みたいな話をして状況説明をして、始まります。

 

三人侍も出てこないし、力弥も出てこないのは寂しいけれど、最初から「そういう構成のこともある」とわかっていると、なぜか腹もたたない。かな。構成はうまくできているので。

 

「吊り灯篭」というのは、言わずと知れたあそこの吊り灯篭。由良助が力弥の手紙を読むために吊り灯篭に火をつけて明るくする場面ですね。そこで手紙を読み始め、お軽と九太夫に読まれちゃうというシーンですからさすがにカットはできませぬ。

 

今月は、17日より吉右衛門が休演となり、由良助役を梅玉が、梅玉が演じていた平右衛門役は、又五郎が代役を勤めました。

 

又五郎さん、とてもよかった。喜怒哀楽はっきりと。妹への情愛たっぷりと。お仲間に入れてほしい気持ち切々と。

 

もともと歌舞伎では、代役をあらかじめ決めておくシステムはありませんが、コロナ禍ではいつなんどき何が起こるかわからないので、この人が出られなくなったらこの人と、決められているようです。

 

今回の梅玉さんと又五郎さんは、いずれも舞台にあがってしましたが、お役が代役しかついていない人は、「歌舞伎座まで行き、自分が代役になるかもしれない人が無事に楽屋に入ることを見届けると、帰るという毎日」だそうですから、それはそれで辛いですね。

 

さて、本日25日より、吉右衛門さん復活! 

今日の様子をツイッターで見ると、声は多少弱かったけれど、気迫のある演技が見られたよう。ニュースでも取り上げられました。

hochi.news

観客からはたくさんの拍手が送られていたとのこと。

歌舞伎座の観客もスタッフも役者も「よかった」と温かい空気で包まれていたようです。まずはよかったけれど、あと2日あります。

 

何事もなく無事につとめられますように。そして、千穐楽後はゆっくりおやすみください。