さて、緊急事態宣言が出ると、図書館も閉まるかもしれないので、慌てて行ってきた。
うちの最寄りの図書館は、今年の4月にリニューアルオープンをした。場所も若干移動して、今までよりさらに近くなって、きれいになってホクホクである。
図書館も緊急事態宣言で休館になるのかどうか聞いてみたが「まだ何にも云われていないので、明日以降どうなるのかわからないんです」とスタッフも当惑顔。とりあえず本を借りておくことにした。
新しくなった図書館は、本当は4階建てくらいの図書館であってほしかった。ワンフロアだけというのが、とても残念だ。荒川区のゆいの森あらかわという図書館が4階建てで素晴らしいので、あれを目指してほしかったな。
でもきれいだし、子ども用のブースもかわいらしい。みんな物珍しさもあって、結構人が入っているが、歌舞伎関係の本があるコーナーは、一番隅っこなので人がおらず、とても落ち着く。この図書館に行くと、必ず座って、お気に入りの写真集を眺めるのだが、お定まり。その本が
「完全保存版 ザ 歌舞伎座」という写真集である。
これが素晴らしいの上に爆とか超とかバリとかつくレベルだ。撮影は篠山紀信で、案内役が玉さまなので推して知るべしなんだけれど。
旧歌舞伎座をくまなく見せているのだが、歌舞伎座を愛する玉三郎が「歌舞伎座のあらゆる風景、あらゆる思い」を撮ってもらおうと案内役となって、篠山紀信が撮影しているのだ。
きっとみなさんは「きれいな玉三郎がいっぱい載っているんだろうなあ」と想像されていると思うが、まあ、事実そうですけれど、この本のすばらしさはそこではない。
あらゆる風景ということで、俳優、地方、絵描き、大道具、照明、小道具、床山、狂言作者、といったスタッフが、それぞれの職場、持ち場で撮影されている。絵の具だけドーンと写されているページもあれば、スタッフがお風呂に入っているところなど、ありとあらゆる人とモノが写されていて、そのどれもが汚れていて(不潔という意味ではなくて、汗が染みこんでいるという感じで)美しい。子役の楽屋では、一人の子役が腰元に化粧をしてもらっている。とんぼ道場では、若者たちがとんぼの練習をしている。海老蔵は大屋根の上に座っていて、クイっとこちらを振り返ってみている。
構成もすごくいい。一枚一枚の説明は、一番最後にまとまって書かれている。その文章も、玉三郎の歌舞伎座への愛にあふれている。
昨年秋の、歌舞伎座での玉三郎の歌舞伎座ご案内を思い出す。本当に、どれだけこの人は歌舞伎座を愛しているのだろう。泣ける。
そして、特筆すべきは表紙の写真。豪華絢爛な阿古屋の衣裳をまとった玉三郎の周りをズラリと取り囲んでいるのは竹田奴たち!!「この日のために、みな顔を念入りに作っていたようです」との玉三郎のコメントがあるが、本当にへんちょこりんな顔ばかりでものすごいインパクトだ。
この本を、図書館に行くたびに眺めていたが、借りてきた。このほかにも何冊か本を借りて、巣ごもりをする。巣ごもりのお供としては悪くない。毎日眺めるとしよう。
あ。巣ごもりといっても、まだGWは始まってもいなかったし、仕事が終わっているわけでもなかった(;^_^A 真面目にやろう。
でも正直言って、今日は全然手につかないよ…。