あけましておめでとうございます。のっけから昨年の話でもうしわけありません(;^_^A
2022年の振り返りでございます。
2022年もいろいろ見たので絞り切れない!そこで特筆すべきをいくつか備忘録的に。
2022年のベストは秀山祭!
まず一番は秀山祭。観劇パスポートという松竹初取り組みがありがたかった。良席で何度も観ることができる経験をして、芝居の理解度も深まったし、何より眼福。9月と10月に観劇パスポートの実施があり、10月もガンガン見たかったが国立の義経千本桜もあったので思ったほど行けなかった。これまでかと思ったら、2023年2月にも実施されるようで何より。
もちろん、観劇パスポートだけあっても「何度も観たい」と思わせる演目・座組がなければ無意味なので、これからもどしどし魅力的な演目・座組を提供してほしい。
秀山祭の中でも特によかったのは
菅原伝授手習鑑~寺子屋
仮名手本忠臣蔵~一力茶屋
藤戸
でした。
世話物、時代物、新作。立役女方。フルスペックの菊之助の1年
さて、今年活躍した人の一人が菊之助でありましょう。1年を振り返ると
1月南総里見八犬伝
2月鼠小僧次郎吉munakatayoko.hatenablog.com
二つリンク貼っちゃって、ひとつ削除できません😅
3月盛綱陣屋
5月土蜘
6月博多座で宗五郎
鷺娘
8月隅田川(すみだトリュフォニーホール)
9月藤戸
10月義経千本桜で知盛、権太、狐忠信
11月助六で揚巻
世話物、時代物、新作を網羅。歌舞伎以外では朝ドラにも出ていた。菊五郎や玉三郎に学ぶ姿勢を忘れない。博多座の宗五郎は、正直まだまだ菊五郎には全然及ばないと感じた。だから10月の「義経千本桜」の権太には不安があったが、これはよかった。
そして果敢に新作に挑む。新作は企画からプロデュースまで。なんとエネルギッシュなこと。ナウシカではクシャナに焦点を当てた物語にして、米吉をナウシカに抜擢したのは大正解だったと思う。
一つだけ選ぶとしたら何かなあ。藤戸か鷺娘だろうか。
エネルギッシュといえば、こちらの人も相当すごい1年だった。
大車輪、獅子奮迅の活躍。猿之助の1年
1月四の切 狐忠信。コロナ後初の宙乗り。そして猿之助の大けがから5年後の念願だった狐忠信。本人もすごく印象に残った1月の狐忠信だったよう。
2月 春秋座 舞踊公演 これはどちらかというと若手を見守る立場に。
3月 新・三国志 関羽 ロシアとウクライナが戦争を始めたのが2月だったからリアル。戦闘シーンは、たまたま前回よりかなりカットされており、結果的に良かった。
6月 猪八戒
7月 当世流小栗判官
8月 浮世風呂 弥次喜多流離譚 途中で安政奇聞佃夜嵐で青木貞次郎役代役
9月 春秋座特別舞踊公演
大阪松竹座 傾城反魂香 博奕十王
10月 鬼揃紅葉狩
荒川十太夫
この堀部安兵衛が、迫真の演技
12月 鞘当 留女(奇数日) 助六 通人
踊りが多いけれど、その踊りっていうのが猪八戒をはじめとしてすごくハードでエネルギッシュなものが多い。紅葉狩も猿之助の手にかかれば、長袴をトルネードのようにグルングルンと回転させながら突き進んでいくのだ。
私が今年の猿之助の出演演目で一番印象的なのは、当世流小栗判官。キレイな歌舞伎もいいけれど、それだけではない歌舞伎の「ドスの効いた濃さ」が凝縮された演目だった。
猿之助のプロデュース力が発揮されたのは、弥次喜多での代役抜擢。染五郎の代役を同じような若手2枚目ではなく、猿弥に。50代でちょっと太め。でも愛嬌があって踊りは抜群にうまい。そんな猿弥が期待に応えた。
猿之助はこのほか、猿之助と愉快な仲間たちなどの公演やテレビドラマ主演などもあり、これまた大車輪の大活躍だった。
このほか印象に残った演目と役者
2月仁左衛門の銀平
6月 信康 染五郎
博多座 橋弁慶 彦三郎 萬太郎
博多座 関扉 梅枝
7月 国立劇場 紅葉狩 梅枝
11月 團十郎襲名興行全般
12月 團十郎襲名興行
京鹿子娘二人道成寺
12月南座
松浦の太鼓
子役の活躍
今年見逃せないのは、御曹司子役たちの活躍。
今回襲名を果たした8代目市川新之助くん2013年3月22日生まれ。同じ世代には、
寺嶋眞秀くん(2012年9月11日)
坂東亀三郎くん(2013年2月5日)
中村長三郎くん(2013年5月22日)
尾上丑之助くん(2013年11月28日生まれ)
小川大晴くん(2015年10月28日)
小川綜真くん(2016年2月26日)
この子たちが未来の歌舞伎界をしょって立つんだと思うと期待と感動で胸が熱くなります。新之助くんもほかのみんなと仲良く、お互いに切磋琢磨してこれからの歌舞伎界を盛り上げていってほしいですね。このメンバーでの浅草歌舞伎もみたいなあ。