観劇につきもののパンフレット。歌舞伎にもあります。
歌舞伎座では「筋書」と言います。
大阪、京都では「番付」と言います。
この歌舞伎座の筋書についてご紹介します。
月の前半と後半では、筋書の中身が違う
月の前半と後半では内容が違います。
後半には、その月の舞台写真が載るのです。初日から15日~20日くらいまでの筋書には写真が間に合わないので、挿絵が入っています。歌舞伎座前の絵看板の絵です。
料金も同じなので後半の方がお得ですね。
なんとあらすじなど、中身が違うこともあります。それは印刷が終わった時期のあとで演出の変更などがある場合。その時には写真を入れる再販の時に合わせて、筋書を入れ替えるそうです。レアですね~。あらすじを読んで「ん?ん?ん?」と思ったときには後半の筋書を入手してみては?(特に舞踊劇など)
前半観劇して、写真入りの筋書をゲットするのは
前半に観劇し、あらすじや見どころを観たい人が写真入りの筋書をゲットするにはどうしたらいいでしょう。
・ネットで買う
2021年1月から写真入りの筋書をネットで購入できるようになりました。千穐楽翌日より販売開始です。
・郵送を依頼する
歌舞伎座では、筋書を郵送で依頼することができます。1階のロビーで、写真入りの筋書を予約できます。
「後半の写真入りの筋書を郵送してください」とお願いし、住所と名前を所定の用紙に記入、その場で筋書代プラスレターパック代370円を払うと、月末までに届きます。
もちろん芝居を観ながらその場で筋書を観るのもよいですが、月末に届いた筋書を観ながら観劇の余韻に浸るのもいいものですよ。
・翌月に買う
もうひとつ、翌月に買うという手があります。
もし、あなたが仕事の都合などで毎月初旬に歌舞伎を観るというのであれば、翌月に歌舞伎座に行ったときに「前月の筋書をください」と言えば買えます。ただし、これは残っている場合のみ。
まあ、ネットで買えるようになったので、それが一番便利ですね。
今月の写真入り筋書は、なんと117枚も入っていました!そのため小さくて、いわゆる1ページにドーンというような写真ではないのですが、私は「何を着ていたか」といった資料として、記憶とつなげる手立てとして(笑)重宝しています。
でも昔の筋書は、もっと大きな写真が入っていてよかったな~とも思います。
資料としての筋書
この分厚い筋書にはほかにもエッセイやら今月の役者の言葉やら入っていまして楽しいのですが、資料としても重宝します。写真だけではありません。それは上演記録です。
今月上演されている演目の昭和20年以降の主な劇場での上演記録がすべて載っています。上演年月だけではなく、主要登場人物の役者も載っているので、「わあ。こんなに何回も上演されているのか」とか「この役、この役者がやっているけれど、前回はこちらの役者がやっていたのね」といったことが、一目瞭然。
たったこれだけのスペースにはいっている情報が膨大で驚かされます。
勧進帳や来月の寺子屋などの月は、上演記録だけで何ページにもなってしまい、これだけ多くの回数を重ねているのかと驚きます。
最後のページには、英語でのあらすじも載っていますので、外国人の方に説明するときなどにも重宝しそうです。
今月の筋書
「花競木挽賑(はなくらべこびきのにぎわい)」というページでは、役者が今月の役について述べています。普段は、幹部役者を中心に10人程度しか載らないのですが、今月は納涼歌舞伎(若手中心)のせいか特別編として36人も載っています。アンケート方式で楽しいですよ。
質問は
・今月努めるお役と演目の見どころなど
・この夏どこにでも行けるなら(過去未来含む)
・あってみたいお化け、妖怪は?
・”夏と言えばコレ!”というものは?
という4つのお題。ちょろっとしか書かない人、思いのたけを述べる人、無難にまとめる人、面白い人、いろいろで笑えます。
次回は、ブロマイドについて。歌舞伎では「お写真」っていいます(笑)。