7月6日と16日の2回観てきた。
観た印象がまるで違ったので書いておきたい。
印象が違った理由は二つかな。
2回目の方が面白かった理由
★見る側が、3年前の「ナウシカ」に引っ張られてしまった。
あのシーンもない、このシーンもない。なくって哀しかったシーンを具体的に言えば、
ユパの客席降り
ナウシカ実験室の美しいシーン
工房都市セム酒場の場、蟲使い
腐海・土鬼の基地、王蟲培養室の場(本水)の大道具
ミラルパ/ナムリス
など。
時間が短くなるために、かなりカットされることは承知の上だったし、ミラルパ/ナムリスは出演者にもいなかったので、ある程度わかっていたはず。しかしいざ観ていると、
「ああ~!あのときのあそこはすごかったなあ。」
「あれ?あそこはたしか、あんなふうだったけれど、ないのか」
などと、意識が3年前に向いてしまうため、舞台に集中できず感情移入できなかった。
大道具は、だいぶシンプルになっちゃったな。
2回目見たときは、カットされるところはわかっていたし、3年前のことは忘れて集中してみると、意外とストーリーもすっきりしていてよかった。(3年前はよくもまああれこれつぎ込んだものだ)
「ナウシカ」の世界 が歌舞伎に加われば、これからミラルパ/ナムリス編もできるだろう! みっく~ん。まってま~す('◇')ゞ
3年前にナウシカを観て、今回また観る人には、「一旦3年前のは忘れて、フラットに観て!」と言いたい。
初めて観る人は、登場人物と敵対関係など、把握しておいた方がいいです!
ってそれを書くのが私の役目なんですけれど、後で書きます(;^_^A
★役者も慣れてきて、セリフがはっきり。
ナウシカ米吉は、初見のときはかわいらしさ増しだったが、2回目のときはキリリとしたお顔。どちらもいいけれど、日々の工夫が感じられた。常にキリリではなく、普通の女の子→いざというときのキリリ顔 とメリハリがあってよかった。
今回の初見のときは、宙乗りもなんだか観ていてハラハラしてしまったのだけれど、2回目のときは堂々としていて、安心して見ていられた。
また米吉、菊之助、彌十郎、右近、莟玉、吉之丞、いずれも3階席までよく声が通り、セリフひとつひとつがとってもはっきりしていて、ストンストンと腹に収まって気持ちがよかった。
クシャナの孤独と、ナウシカの苦悩
クシャナにも感情移入できた。七之助のクシャナはもう人外な感じすらして、素晴らしかったけれど、菊之助のクシャナは孤独な人間だった。母を慕う菊之助クシャナの哀れなこと。そしてそこからの怒り、戦い続けることを決めたクシャナに納得感しかなかった。
ナウシカの苦悩は、今の世界情勢とも相まって、辛すぎる。戦争をやめるため、人々を救うために、ますます戦争に加担し、手を血で汚していくしかないナウシカが辛い。
知世ちゃん、丑之助クン大健闘
3年前と王蟲の精の衣裳は違ったけれど、これはよかった。
また、ちょっと陰な丑之助クンのキャラが、哀しい王蟲の精にぴったり。哀愁を帯びつつ、ナウシカと心を通い合わせていく様がすばらしかった。
ナウシカの子ども時代の知世ちゃんもかわいらしさ100万点で、「母上~。母上~」の哀しい声が突き刺さる。
18日より丑之助クン休演
ところで丑之助クン、なんと私が観劇した翌日の18日から体調不良のため、休演となってしまった!泣いているかしら…。
3年前、菊之助が骨折してしまったとき、一人で踊る場面は踊れないため、雪のように胞子がしんしんと降り積もるシーンが何分か続いたことを思い出す。
今回は、丑之助クンの出番のところはカットで、ナウシカと二人で踊る場面は、ナウシカ一人で踊った模様(Twitter情報)。急なことでそのような対応になったみたいで、本日以降はまたどうなるかわからない。
お早いご回復をお祈りします。
菊之助がケガをした時のブログ
あとは衣裳のことなどを書きたいけれど、またね。