歌舞伎に行くときにはドレスコードはあるのか、どんなものを着ればよいのか?そんな質問をよく受けます。
結論から申せば、なんでもOK!
バッチリおしゃれをしてくる人もいるし、そうでない人もいます。着物率は通常の社会より高めですが、ジーパンでも構わない。要は人のことは気にせず、着たいものを着ればよいのです。どんな服装でもOKという懐の深さが私は好きです。
以前、1階の良席に座った時に、お隣がとっても品のいい紳士だったんです。古いスエードのジャケットを着こなしているような。ところが、足元を見てびっくり、靴がボロボロで穴が開いていたんです!
でもね、私は思いました。
「そうですよね、1回靴を買うの我慢すれば、一等席のチケットが買えますよね」と心の中で語りかけましたよ。
人と比べず自分の価値観で決めればいいのです。どちらかというと歌舞伎座ならではの個性的な格好をしている人も多いかも。
最初は、気合を入れておしゃれしていたけれど、次第に観劇数が増えるにつれ、普段着に近い恰好で行くようになった人もいるでしょう。
また、逆に最初はあまりおしゃれにまでは気を遣わなかったのに、好きな役者ができて、その役者が出るときにはしっかりとお化粧をして、恋人に会うような気持ちでウキウキ洋服を選ぶ人もいるでしょう。
着物なんて着たこともなかったのに、歌舞伎を観るようになって着物を着るようになった人もいるでしょう。
演目にちなんだアクセサリーをそっとつけたり、着物だったらどこかに演目や役者にちなんだ何かを入れ込んだりする、それもまた楽しいですよね。
今月の3部は「ナウシカ」なので、「青き衣をまとった人」が多めかもしれませんよ♪
印象としては、1階は、バチっとおしゃれを決めている人が多く、3階の民は、月に何度も歌舞伎座に通っているような人も多いので、割とラフな格好の人が多いように感じますが、全員がそうというわけでもありません。1階でGパンの人もいれば3階で着物の人もいる。
3階の民は、幕間には文庫本を読んでいたり、冬にはバッグから編み物を取り出して熱心に編んでいたりする人も多くて、歌舞伎観劇が日常の1シーンなんだろうなと思います。
気をつけておきたいこともあります。
空調の具合がその日によっても席によっても違ったりするので(幕間のときに空調を切るとか)、着脱の調整ができる服装を。それから観劇は長時間なので、楽ちんな恰好にしておいた方がいいです。私は暑がりなので、冬でもブラウス一枚になれるようにしています。逆に夏でノースリーブなどを着ているときでもストールは持つようにしています。
また、隣の席が近くて、長時間なので、清潔な服装はもちろん、きつい香水なども控えましょう。
気をつけたいのはヘアースタイルです。頭のてっぺんにお団子にするのは、後方席の人から舞台が見えにくくなってしまうので、避けましょう。
また、桟敷席に座るときは、他の観客席から丸見え、(役者からも)なので、見られることを意識しておいてください。テレビ放映が入ることもありますよ♪
最初はあまり気にせず、楽な格好で観劇、だんだん自分なりの楽しみを覚えていくといいと思います♪
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