よんどころない事情があって、「向田邦子シナリオ集~昭和の人間ドラマ」を読んでいる。
これがめっぽう面白い。
向田邦子って、今の若い人は知らないのかな?どうなのかな?
私は向田邦子が売れに売れていたころ、ドラマも映像も小説も読んでいたし、なくなったときのことも覚えているから、「向田邦子か。久しぶり!」的な感じで読み始めたのだけれど、まあ面白い。
この本は、向田邦子のテレビドラマ脚本の中でも一話完結のお話5編が収録されている。
2時間ドラマが1つ。1時間ドラマが4つ。
どれも脚本で読むと、そのリズムの良さ、セリフの切れ味、弾むような展開、胸キュン。さすが向田邦子としか言いようがない。
5編ひとつひとつの最初にいつ、何の番組で、何時から何時まで放映されていたか、主なスタッフは誰で、キャストは誰だったかが小さく書いてある。
これは、最初には見ず、作品を読み終わってからキャストを見て、
「おおおお、なるほど!」と読むのが楽しいのでおススメ。
1971年~1981年までのドラマで活躍していた俳優たちの名前を(今亡くなった方もいれば、大活躍をしている方も)見て、なるほど!と膝を打ってもう一度、パラパラと読んでニンマリ。向田邦子のドラマに常連の人も意外な人も。
それにしても惜しい人を亡くしたものだ。
平松洋子さんの解説も秀逸だ。