「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

観劇!赤坂大歌舞伎 今年で最後。お見逃しなく!

観てきました。最後の赤坂大歌舞伎

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最後の赤坂大歌舞伎

赤坂ACTシアターは、次にハリー・ポッター劇場として再開するとのことで今回で閉館。したがって、13年に及び6回までやった中村屋の赤坂大歌舞伎も今回で終了となります。

 

よく晴れた休日の朝、赤坂駅を降りたって階段をタッタッタと上れば、ズラリと居並ぶ麗しき幟の数々がハタハタはためいています。

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秋空にドーンと突き立つ麗しき兄弟の姿よ。

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たくさんの人々が写真を撮り、ウキウキしていることが伝わってきます。劇場内に入れば100%で観客を入れていて。

つい先ごろまではそういう風景を見ると「怖い」と感じたものですが、今回はなぜか「うれしい」と感じます。

もちろん、最近のコロナ感染者数が激減しているという状況もあるけれど、中村屋の晴れやかな独特の熱気が、何かをもたらしてくれるかのよう。

 

「ああ。正月が来たみたいだ」そんな気がしました。

 

歌舞伎座の舞台が厳かなのとはちがって、中村座平成中村座も赤坂大歌舞伎もどこかファンタスティック、エモーショナル!

 

この日のお席は、お仕事で行けなくなった人に譲っていただいた大変な良席でした。

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▲ぐすん。嬉しい、こんな席

 

譲ってくださったご本人いかばかりか残念だったことか。私などが申し訳ないくらいですが、しっかりと目に焼き付けて帰ろうと思いました。

 

さて、いよいよ始まりました。

廓噺山名屋浦里

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廓噺山名屋浦里」はもともとブラタモリタモリが吉原に行ったときに聞いた話を笑福亭鶴瓶が落語にし、それを歌舞伎化したもの。おもしろくないわけがありませんな。

簡単なあらすじ

江戸留守居役として江戸に来た真面目一徹の酒井宗十郎は、他藩の留守居役との寄合が飲んでばっかりでちっとも仕事をしないことに腹をたてています。そんな宗十郎を他藩の留守居役秋山(亀蔵)は面白くない。

 

次の会合には江戸の妻(各々気に入った花魁)を連れて披露し合おうとなるが、そんな芸当はできない宗十郎をみなでバカにする算段。

 

ところが、宗十郎は吉原一の花魁「浦里」とひょんなことから知り合い、意気投合。互いに心憎からず思います。

生真面目な宗十郎は、故郷の妻を裏切るつもりはなし。しかし、次の会合にはなんとしても、秋山達の鼻を明かしたい。さてこの場をどうやって乗り切るでしょう。というお話。

見どころ

お話は、わかりやすい。

仕事をしないへっぽこ野郎たちをぎゃふん(古いか?)と言わせる。

ほんのちょっぴり切ない。きゅん。

最後はやっぱり姐さん、最高にかっこいいよの幕切れ。となります。

 

各役どころと役者さんについては以下

七之助

七之助の花魁姿をたっぷり堪能。これはもうなんというか見ないで死ぬわけにいかないよ。特に説明も必要ないです、はい。キリッとしていて粋で、かわいくてまた身の上話をするときは廓言葉から故郷の言葉に戻って、いきなりのズーズー弁で笑わしてくれます。七之助は出てくるたびに豪華な衣裳がかわり、まあ見飽きることがない。うっとり~。

勘九郎

勘九郎の生真面目な酒井宗十郎がまたドンピシャ。汗をかきかき、遊んでばっかりいる他藩の連中を批判し、浦里にポーっとほれ込み、しかし故郷の妻を裏切るわけにはいかないという朴念仁ぶりがとってもいいですよね。

鶴松

そして美しいのは七之助だけではない。誰袖の鶴松のきれいなこと。私は結構ガン見してしまいました。つるまてぃ、うつくてぃ~。

とにかく席が良かったので、細かいしぐさもよく見えたのですが、花魁さんたちはお客様の動きや心理に合わせて、とてもこまやかに演技をしているのですね。お客様の気持ちに寄り添って心からもてなす花魁たちの心意気を見た思いです。ほかの花魁、初菊は仲之助、玉垣は仲四郎。

扇雀

山野屋亭主の平兵衛。自分にはもう人としての大切な心なんてない人間と思っていたけれど、そうでもなかったことを宗十郎と浦里が思い出させてくれたね。がっつりとしたいい亭主。

虎之介

いやあこの子は5月のコクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑」のときも思いましたが、なんだかよいですねえ。パアっとしたお坊ちゃまの明るさがある。今回は、牛太郎の友蔵というちょいと茶目っ気のある山野屋の奉公人です。山野屋の亭主が扇雀で、並んでいるとさすが親子、なんだかよく似ていてミニ扇雀がくっついて歩いているというような感じですが、パアっと明るくていいです。

 

5月のコクーン歌舞伎のときは、磯之丞という放蕩息子(大体、お前のせいでこんなことになったんだぞという諸悪の根源だけど、なんか憎めないという役柄)だったんですが、これがまたこのパ~ッと明るい感じ、おぼっちゃまな感じが遠くから見ても抜きんでていてよかったんです。声もよく通りますね。

 

楽しくて、きらびやかで、痛快な演目です。タモさん、つるべさん観に行ったかな?

 

越後獅子 

勘太郎

幕間20分のあとは長男勘太郎越後獅子。これはもう、イケマセン。私は勘太郎の踊りを見るともう、けなげな踊りっぷりにジーンとしちゃって、思考を失うんです。

 

ぽっと紅をさしてツンと突き出た唇。たれ目の化粧もかわいく、瞬きもせず目をいっぱいに見開いて。

指がきれいにそっくり返って、あれは関節が特別柔らかいのでしょうか?

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▲これ、筋書きから撮った勘太郎の画像なんですが、指先だけだからいいですよね汗。これみて。こんなふうな指先です。

 

下駄をはいてタタタ。タッタカタ。タタタ。タッタカタ。というリズムが今も脳内に再生されます。

 

最後の舞台挨拶で、素で出てきた勘太郎君は、なんだかとっても男っぽくなっていてびっくりしました。

 

踊りの詳しいことはわからないのですが、とにかく勘太郎のけなげな踊りには、いつもじーんとしてしまいます。はい。現場からは以上です。

ちなみに私は勘太郎について、いつも「けなげだ~」「けなげだ~」としか書いていません(笑)

けなげな小四郎はこちら↓

munakatayoko.hatenablog.com

けなげでまっすぐな連獅子はこちら↓

munakatayoko.hatenablog.com

宵赤坂俄廓景色

赤坂大歌舞伎が最後であることで、いなせな鳶頭と芸者衆が今までの歌舞伎公演演目を振り返り。今までの公演を観てきた人たちにとっては懐かしさがこみ上げるところでしょうね。そして劇場の前途を祝して手締め。芸者衆の踊り、獅子舞や鳶頭も踊ります。

長三郎クンが粋な兄さんたちにまじって、いっちょ前に粋な兄さんになっているので、観客も大喜びです。長三郎クンは、なんというかけなげなお兄ちゃんとちがって、ひょうひょうとしていて、面白いですね。

若い衆も出てきて所作ダテを見せて、最後にビックリ仰天の演出があって、幕となりました。

 

ビックリ仰天の演出とは。これは、言わないほうがいいですね。筋書には

「当劇場のさらなる発展を願いつつ幕になります。」とありました。

 

なるほど。なるほど笑。

 

とにもかくにも、華やかにすっきりと気持ちよく、打ち出し~~♪

中村屋による中村屋らしい赤坂大歌舞伎は、26日まで(金)。これっきりよ~。

 

当日券もあるみたいですよ~