国立名人会に行って来た。
それほど最近落語を見ていないのだけれど、せっかくチケットをとってもいろいろついてない。
2020年秋は、彦六ばなしを聞きたくてチケットを取ったのに、家の都合で行けなくなった。今年の5月は、五街道雲助の「中村仲蔵」が聞きたくてチケットを取ったのに、雲助師匠がコロナになってしまって、代演。今回は、小三治が出るのでチケット取ったのに、なんと師匠、10月7日に亡くなってしまった。
なんというか、残念なことだ。
小三治は、私、50年前から観ていた。50年ほど前、大晦日に大掃除が終わった後に東横劇場だったかなあ、落語を見に行くのが我が家の慣例だったのだ。
その当時のひいきはもちろん、小さんに圓生。「若手でいいのは小三治と円窓だね」というのが我が家の大人のもっぱらの評判だった。
昔は毬栗坊主であんなに枕は長くなかった(笑)。そういえば、円窓はどこに行ったのかなあ。まろやかな味わいのある人だったけれど。
その後、大人になって吉祥寺の前進座で小三治の独演会に行ったことがあった。そのころには枕が長くて、このまま今日は枕で終わるのかなと思うほど、40分くらい枕だったような。
それからまた10年くらいたって、やっとまた観られると思ったのに、なんてことだろう。亡くなってしまうなんて。本当にとても残念だけれど、亡くなる5日前まで高座に上がっていたというので、大満足の人生だったのかなあ。合掌。
さて、そんなわけで本日は、小三治の代演は柳家三三さん。ほかの方も少しずつ小三治との思い出を語るなど、ちょっと心温まるいい会だったと思う。
なんか落語ってほっとするよね~。
紙切りの林家正楽には、ほんといつも感心するしかない。すごない?世界に誇れる芸ですよねえ。
トリの小三治の代演は、柳家三三の「転宅」でした~。ちょっと小三治師匠との思い出も語りつつ、湿っぽくはならないよ。
「転宅」で間抜けな泥棒と粋な姐さんの話をがっつり。鼻の下の伸び切った間抜けな泥棒さんと、色っぽい姐さんの対比がおかしくておかしくて。
がっつり語ってくれたあとは、最後はとても丁寧なお辞儀。上手、下手、上手、下手。
「師匠の替わりを勤めさせていただきました。本日来ていただき、ありがとうございます」という真摯な想いがあふれていた。
とてもよい会だったな。小三治はいなかったけれど、小三治を想う気持ちが舞台にも観客にもいっぱい溢れている会だった。
前半寝たんだけれど(;^_^A、最後よければすべてよし。