「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

歌舞伎座10月演目のご紹介~♪

一時は、5000人を超えたコロナの感染者ですが、さーっと減りましたね。なんなんだろう?

でもなんとなく気分も上向きでうれしい。引き続き感染対策を強化してくれる歌舞伎座もうれしいです。が、幕見は再開をしてほしいです!
さっそく10月の紹介と参りましょう。

 

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1部    スペクタクルお化けと、華やかさと

・天竺徳兵衛新噺~小平次外伝

2年前に国立劇場で上演された「天竺徳兵衛韓噺」とは似て非なる今回のお話。タイトル同じじゃん?と思わないで、目をこすってよく見てください。2年前のは「韓噺」、今回は「新噺」です。「小平次外伝」ともあります。

船頭徳兵衛は、実は朝鮮国王の臣下の息子だったと知り、蝦蟇の妖術を学び、日本転覆を狙います。「天竺徳兵衛韓噺」の原作は鶴屋南北で、これにまた鶴屋南北の「彩入御伽草」の小幡小平次の怪談話をミックスさせて、3代目猿之助(現猿翁)が昭和57年に演じたのが、「天竺徳兵衛新噺」。


しかし、今回は通しではなく時間が限られているし、徳兵衛がキャストに見当たらない!なので、小平次のストーリーに特化しているかと思われます。お楽しみに。
小平次とおとわが猿之助

またお化け?という気がしないでもないですが…(;^_^A

・俄獅子

舞台が開くとパッと華やかな吉原仲の町。吉原では、芸者が芸を披露する年中行事があったそうです。鳶頭と芸者ふたりがいなせに踊ります。
「やあ。秋の最中の月は」から、木遣りからクドキとなり、「辻占みごと繰り返し、なぜこのように忘られぬ。恥ずかしいほど愚痴になる」と嘆きますが、次第に仲直り、最後は若い衆との傘の立ち回り。華やかですね。鳶頭が松也。芸者が新悟とベテランの笑也。きれいでしょうねえ~。

2部    78歳にして初役!白鸚の高笑いを見るべし

・時平の七笑

時平は、藤原時平
ライバルだった菅丞相(菅原道真)にいちゃもんをつけて、太宰府に左遷をさせてしまう、あの藤原時平です。今回の「時平の七笑」も、菅原道真の味方であるような態度を見せておいて実は、全部時平の悪だくみ、最後にしてやったりと時平が笑うというお話。白鸚がなんと初役で挑みます。御年79歳ですよ。目をつぶっていてもできるお役もたくさんあるでしょうに、初役に挑むというところが素晴らしい。豪快な笑いが歌舞伎座に響きそうですね!

・太刀盗人

松羽目物の舞踊劇。わかりやすく、楽しい。
田舎者の万兵衛がすっぱ(スリ)の九郎兵衛に刀を取られてしまいます。目代が詮議をしますが、万兵衛の供述をことごとく聞いて、真似して答えるものだから、どちらの言い分が正しいのか目代にもわかりません。最後にはバレてしまいますが、まんまと刀を取って九郎兵衛は逃げていくという愉快な狂言です。九郎兵衛は松緑。昨年10月以来、間抜けな泥棒役が続いているとぼやいています(笑)。

 

3部 わかりやすく楽しく、鮮やか!

・ 松竹梅湯島掛額

予習はいらないのでは?そして、子どもから楽しめますよ。
恋人に会いたくて、放火をし、火あぶりの刑になってしまった八百屋お七の実話は有名で、色々な作品に取り入れられており、このお芝居もその一つです。でも悲劇という感じではなくて、前半はむしろラブコメ?しかもドタバタ(笑)

前半の「吉祥院お土砂の場」は、寺小姓吉三郎にぞっこんのちょっとぽわーんとしたお七。仲を取り持ってあれこれ画策する紅長。振りかけると、体も心もふにゃふにゃになるお土砂というアイテムなど、またなんとも楽しい。舞台も欄間の天女の絵が華やかです。
後半の「四ツ木戸火の見櫓の場」は、一転して、降りしきる雪の中。文楽の口上が始まり、お七が人形振りとなっており、これはまた見ものです。

今回は、菊五郎が紅長。正月にもお土砂を振りまいていましたが(笑)、今回も楽しく振りまいて、頑固者や亡者をふにゃふにゃにしてくれると思います。菊五郎が紅長を演じるのは2003年以来です。

そして、吉三郎が隼人、お七が尾上右近。美男美女コンビでないとね、この芝居は。特にお七は、「欄間に描かれた天女に生き写し」という設定ですし、後半も文楽人形となるのですから、これはもう大変美しいのです。七之助のお七の姿は目に焼き付いていますが、右近君も、楽しみです。期待大です。
それにしても、吉三郎・お七が隼人・右近コンビとは、若者にどんどんバトンタッチが進んでいるんですねえ。浅草かと思いました。大御所菊五郎がしっかりと見守られて、安心して見ていられそうです。

「和製ブレイクダンスに挑戦」という右近君の意気込みがわかる

詳しい記事はこちら!

munakatayoko.hatenablog.com

・喜撰

舞踊劇です。
六歌仙の一人である喜撰法師。春真っ盛りの京都・祇園で茶くみ女のお梶に見惚れて、口説きますが、残念ながらふられてしまいます。弟子の所化たちと舞いながら帰っていきます。華やかで、喜撰が楽しく踊っている様子を見ているだけでハッピーな気分になります。
踊りはとっても難しいのだそうですよ。「上半身は男で、下半身は女で踊る」というのが口伝です。芝翫が喜撰。さてどうでしょうか?

こちらの記事でも。三津五郎さんの芸談が貴重です。

munakatayoko.hatenablog.com

上演スケジュール

 

初日10月2日(土)→千穐楽10月27日(水)

休演日7日(木) 19日(火)

1部    11:00開演
2部    14:15開演
3部    17:30開演

 
チケット金額、売り場

1等席15000円
2等席11000円
3階A席5000円
3階B席3000円
1階桟敷席16000円

 

チケットは、歌舞伎座木挽町広場チケット売り場、または

チケットWeb松竹

 にて購入できます。

 

歌舞伎座アクセス

東京メトロ日比谷線・都営浅草線銀座駅[3番出口]
東京メトロ銀座線・丸ノ内線日比谷線 銀座駅[A7番出口]徒歩5分
◯ JR・東京メトロ 東京駅 タクシー10分

 
感染予防対策

歌舞伎座は厳重な対策をとっています。くわしくはこちら

www.kabuki-bito.jp