この夏3つの自主公演無事開催
とにかくコロナの感染拡大が止まらず、とうとう東京では5000人を超えるようになってしまった。しかし、人流はとめよといいつつ、オリンピックは中止にはしない。そのせいか演劇関係も幕をしめよというお達しはなく、ずいぶんといい加減な話だ。
しかし、そのおかげなのか(おかげというのもおかしな話だが)、到底無理かと思われた自主公演が3つとも開催できた。7月末の市川弘太郎、8月の中村種之助「踊りの会」、尾上松也「挑む」すべて開催ができたのはよかったと素直に喜んでいいのか、なぜ4月はいきなりの中止に追い込まれたのかと怒ればいいのか、もはやよくわからない。
ともかく開催できたことはよかった。昨年は中止となった「音の会」、「稚魚の会」もそれぞれ開催、無事楽を迎えた。
このうち、私は「音の会」以外はすべて行くことができたが、歌舞伎座以外の会に関してはやはり「応援したい身内」の意識が高まるのか、座席100%のせいなのか、とにかくにぎやか。ロビーでもご挨拶やらおしゃべりやらにぎやかで華やかで、こちらは戦々恐々だ。
3つの自主公演の中、一番マナーが好かったのは「挑む」だった。前楽の日に行ったが、始まる前から客席は静かだった。とはいえ、日によって違うし、席によってもだいぶ違いそうなので、印象の違う人も多いと思う。
やはり市松で座席が空いていると、物理的な距離もさることながら、おしゃべりのしにくさは格段に違うので(それでもめげずに一つ空いた席の隣人と話している人もいるけれど)歌舞伎座のがんばりには本当に感謝しかない。
だが、本来は各自が守るべきことで、他の劇場が歌舞伎座より厳格ではないからといって、その緩さを責めるよりは、おしゃべりを平気でしていること自体が間違っていることに気づくべきだろう。いい大人なんだから、少し我慢しましょうよ。
歌舞伎界での感染
歌舞伎座は、猿之助がコロナに感染し、急遽巳之助が代役。私は初日を見に行ったのでかなりドキドキしたが、とても立派に勤め上げたので感動してしまった。
猿之助感染後、尾上右近、市川猿弥、中村壱太郎も相次いで感染が確認され、なにかひたひたと迫ってくるような恐怖を感じる。歌舞伎座本体ではなく、ミュージカルや外での活動が活発な人から感染しているので、できればテレビなどに出るのは控えてほしいなというのが正直なところだ。
観劇ツアーあきらめ
個人的には、1年半ぶりで観劇ツアーを開催する予定だったけれど、やはり中止にした。
幕見はまだ再開のめどはたっていないので、申し込みが来た時点で私がチケットを取り、説明をして観劇という流れだったが、対面で説明をしつつ観劇となるとやはり中止の判断はやむをえなかったと思う。とても残念だ。
今後の予定は再び白紙にもどった。
もう一つ個人的なことでは、2回ワクチンをうち、2週間も経過した。もしコロナにかかっても重症化しないだろうし、人にうつす可能性も絶対ではなくてもかなり低いだろうと思うと、思った以上に安心した。9月は文楽もあるので歌舞伎、文楽ともに楽しみたい。文楽は、どうも運が悪くて、5月、緊急事態宣言のあおりで中止になったときのチケット、さらに追加で取った日にちも中止となり、ずっと見られていないし、夏の大阪もあきらめたので、9月こそは観たい。
感染は、ピークアウトという意見もあるがまだまだ4000人を超える感染者がいることに間違いはないので、9月が無事に幕が開くように、祈るしかない。
しかし本当に危険だとしたら、もはや幕が開かなくてもそれはそれで仕方がない。命より大切なものはないのだから。
↑そう書いてアップして、ものの1時間とたたないうちに、9月の2部が感染者が出たため、2日から6日まで中止となったという報道があった。
なんとも…。砂をかむようにざわっとしたイヤな気持ちだ。
そして、発熱した人もいるけれど、多くの人が無症状のうちに、事前PCRで検査をして陽性が発覚している。
ということは、我々一般人にもどれだけ感染が拡大しているのかと思うと、そら恐ろしい。普通、症状がなければわざわざPCR受けないもの。。
▲コロナについて考え込むヒト…というわけではない。