「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

9月歌舞伎座演目の紹介

こんにちは。厳しい夏も今日で終わり。平和な9月が来てほしいものです。

さて9月は、例年では秀山祭といって、初代吉右衛門ゆかりの演目が並びますが、昨年に引き続き今年も「秀山祭」の言葉はなく、寂しい限り(秀山というのは、初代吉右衛門の俳名です)。

 

当代吉右衛門がとても大切にしている秀山祭ができないこと、どれだけ悔しい思いでいることか。今は病床なのだとは思いますが、入院してからかれこれ5ヵ月。なかなか様子が聞こえてこないのももどかしく、寂しいことです。

 

秀山祭ではなく、今年の9月は、1部が六世中村歌右衛門二十年祭 七世中村芝翫十年祭となっています。

2部は幸四郎の盛綱陣屋、 3部は仁左衛門玉三郎東海道四谷怪談とそろいもそろって見どころ十分ではあります。

 

ではご紹介。

 

1部 肩肘張らずに楽しめる

お江戸みやげ

 

1部は、予習もいらず、軽く楽しめる演目です。

お江戸みやげは、昭和36年初演、原作は川口松太郎

呉服の行商人おゆうとお辻が主人公です。結城から江戸に来たのですが、おゆうはお酒が大好き。お辻は倹約家…というか、ケチ(笑)。

ふたりはお江戸に来た記念に、今人気の役者 栄紫が出ている「櫓のお七」を見ていくことにします。

そして、観たお芝居で栄紫にぽーっと一目ぼれしてしまったお辻は、いったいどうなるのでしょう。お辻はどんなお江戸みやげをもって帰ることになるのでしょう。

 

いやもう歌舞伎沼に堕ちた人なら「わかる、わかるよ、うんうん!」とうなづくこと間違いなし!どんな倹約家でも、推しのためならポンと聖徳太子を出してしまうことありますよね。私もとってもお辻に感情移入してしまいました!

お辻は芝翫。おゆうは勘九郎。ぽーっとほれ込む役者栄紫は七之助。うん、惚れるのわかるよ、お辻ちゃん

 

須磨の写絵 行平名残の巻

世話物のあとは、すっきりと美しい舞踊劇で。

文化12年 江戸・市村座初演。

 在原行平は、須磨に配流のうちに、松風、村雨という姉妹と深い仲になるが、そのうちに配流が許されたので、烏帽子と狩衣、和歌を残して都に帰ってしまいます。

前半は3人の手踊り。

後半は、行平が帰洛したことに気づき、船場に急ぐ姉妹を此兵衛という男が呼び止め、村雨には「はよ行け」と先を促し、松風を口説く。松風は、男をはねのけて行平を追って行こうとするので、此兵衛斬りかかる。松風応戦する。

ということで、前半は優美。後半はなかなか勇壮。行平と此兵衛は二役だと思いますので、比較しても。

 

2部 がっつり時代物で見ごたえ十分

近江源氏先陣館 盛綱陣屋

 

これは、予習しておいた方がいいです。歌舞伎らしい時代もので歌舞伎の魅力がたっぷりです。設定は鎌倉時代ですが、じつは大坂冬の陣の脚色。真田信幸・幸村→佐々木盛綱・高綱

です。別々の主君に従う兄弟の悲劇。

盛綱・高綱兄弟、盛綱の子ども小三郎と、高綱の子、小四郎、盛綱・高綱の母、微妙。それぞれの想い、思惑、行動。どれも見逃せません。詳しくは後で書く。

小三郎と小四郎役も毎度気になるところですが、今回は小四郎役が丑之助クン(菊之助長男)、小三郎役が亀三郎クン(彦三郎長男)。どちらも将来の歌舞伎界を担う御曹司ですから見逃せませんぞ。盛綱は幸四郎。微妙は歌六

 

女伊達

文化6(1809)年江戸中村座初演。男伊達の女版。イケメン若い衆を相手に、気風のいい江戸女が立ち回りを見せます。最後は華やかな傘の立ち回り。

 

 

3部 にざたま祭でわっしょい

東海道四谷怪談

四谷怪談は、鶴屋南北の作品の中でも特に人気がありますね。知っている人も多いことでしょう。今回は、役者も仁左衛門玉三郎とのことで、早くも席は売り切れになっています。今から買いたいと思えば、目をランランと輝かせてチケットweb松竹で戻りを待つ、オケピで行けなくなった人が売りに出すのを待つなどと思いますが、結構戻りはあると思います。想いが強ければ必ずチケットはゲットできるものなので、がんばってください(^^)/

にざたまの四谷怪談なんて、もう絶対見られないと思いますので、チャンスがあるなら逃さず見たほうが良いと思います。初心者だって、断然おすすめ。

 

今回は通しではなく、四谷町伊右衛門浪宅の場、伊藤喜兵衛内の場、元の浪宅の場、本所砂村隠亡堀の場。

お岩の父親は実は伊右衛門に殺されていたといった前段までの話はカットされていますが、こわーいところは十分あり、楽しめるかと思います。くわしくはこちら。

munakatayoko.hatenablog.com

 

上演スケジュール

初日9月2日(木)→千穐楽9月27日(月)

休演日9日(木) 21日(火)

 

ただし、コロナ感染者がでたため、2部は2日から6日までが中止となった。

お大事に。軽くすみますように。これ以上広がりませんように。

 

開演時間

1部は11:00

2部は14:10

3部は18:00

開場は開演の40分前を予定


チケット金額、売り場

1等席15000円

2等席11000円

3階A席5000円

3階B席3000円

1階桟敷席16000円

 

チケットは、歌舞伎座木挽町広場チケット売り場、または

チケットWeb松竹

にて購入できます。

 

歌舞伎座アクセス

東京メトロ日比谷線・都営浅草線銀座駅[3番出口]
東京メトロ銀座線・丸ノ内線日比谷線 銀座駅[A7番出口]徒歩5分
◯ JR・東京メトロ 東京駅 タクシー10分


感染予防対策

歌舞伎座は厳重な対策をとっています。くわしくはこちら

https://www.kabuki-bito.jp/news/6137/

 

f:id:munakatayoko:20210831155820j:image