おけぴ とは、チケット定価以下限定の救済サイト。
チケットはあるが、行けなくなった人と、行けるけれどチケットがない人をつなぐサイトだ。
そんな弱みにつけこんでチケットの高額転売が横行する現状もあるが、おけぴは定額以下を貫き、「満席応援!空席救済!」をモットーにしているのがとてもいい。
今回初めて利用してみた。欲しかったのは松也の自主公演「挑む」のチケット。
尾上松也の自主公演「挑む」は、今年が10回目にして最後。ぜひ観たいと思ったが、そのチケ取りに失敗し、コロナの感染が拡大していることもあり、あきらめていた。種之助の「踊りの会」を見てもう満足して、あとはおとなしくステイホームをするつもりだった。しかし、「挑む」の初日が明けてみるとすごく評判がよく、次から次へと高評価の口コミがタイムラインを流れてきて、ムラムラと行きたい気持ちが強くなってきた。
そこでついに初めておけぴをのぞくと、あれ、意外とチケットある。感染拡大を受けて、あきらめた方が多いのだろう。いくつかチケットが出ていたので、さっそく登録して、行けそうな日を選んで、ポチ。
すると、ものの何分もたたぬうちに「お譲りします」という連絡が来て、びっくりした。
それからはあれよあれよという間に交渉整い、チケットをゲットすることができた。メールも丁寧で無駄なくスムーズだった。管理人さんが管理しているチケットだったこともあるのか、とてもスムーズだった。
「挑む」のチケットは、まず電話でダメで、後援会に入っているお友達に頼んでダメで、あれこれダメで、あきらめて、その後収録日に追加販売というビッグニュースにまた出遅れて、取れず(これはかなり悔しかった) という段階を踏んでいたので、最後にポッと手に入り、びっくりした次第だ。
一昨日チケットが届いたのだが、それをじっくり見ていて、ハッと胸を衝かれた。セブンイレブンの発券が、地方都市のとてものどかな感じの店名だったからだ。チケットを手放した人のリアルを感じた。
「ああ、この人。上京して『挑む』を観ることをどんなに楽しみにしていただろう。あきらめるのは簡単なことではなかっただろうなあ。生田斗真くんのファンだろうか、松也のファンだろうか。『挑む』を毎回楽しみにしていたのだろうか。ジャニーズが好きなのかな」
そんなことを思ったら、おいしいところを最後にいただいて申し訳ないような、チケットを放出してくれてありがたいような、切ない気持ちになって、しばしチケットをみてたたずんでしまった。
不思議な縁。この地方都市から「挑む」を見ようとしてあきらめた方と私をつないだのは、いったい何だろう?
この感染拡大を受けて、泣く泣く観劇をあきらめた方はたくさんいる。私も実は、行くのをあきらめたチケットがある。チケットを譲った人がもしコロナになってしまったらそれも嫌だという気持ちで空席にした。それはそれで多分間違っていないけれど、こうして放出してくれたO市の方。ありがとう。あなたの分も楽しんできますね。それから、おけぴ、ありがとう。
とはいえ、私が行くのは明日、千穐楽は明後日。幕が開くまで気が抜けない。どうか無事に楽まで幕が上がりますように…。
ちなみに、今金曜の4時過ぎですが、今の時点で4枚チケット出てます(本日分も含め)
最後まで、行きたい人と行かれない人がつながるといいな。