「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog

すばらしき日本の芸能、歌舞伎。初心者にわかりやすく説明します♪

片岡秀太郎さん。亡くなる

片岡秀太郎さんが5月23日に亡くなったとの発表が昨日27日にありました。

片岡秀太郎さんは、十三世片岡仁左衛門の次男。十五代目仁左衛門さんのお兄さん。片岡愛之助さんは養子です。

発表が急だったので、とても驚きました。79歳。すでに葬儀・告別式は近親者でおこなったとのこと。これもコロナ禍とはいえ、寂しいことです。
すぐにでもお葬式に駆け付けたい人は、たくさんたくさんいたでしょうに。

 

近年は、世話物の女房や老け役など自在に演じていました。
私も印象に残っているのは、2019年の封印切でのおえんで、もうそのころは「おえんと言えば秀太郎」とまで言われていたのですが、

その評価は本人は実はとても寂しいんだと、おっしゃっていました。

2019年6月1日のブログでは
http://hidetarokabuki.blog65.fc2.com/page-1.html

 

よくお褒めの言葉で「秀太郎と言えばおえん。おえんと言えば秀太郎 」と言われるのはとても寂しいです。私の梅川を見てくださっていたご贔屓もだんだん少なくなってしまったし、今元気に舞台を勤めているのを、ありがたく思わねばなりませんね~

 


とポロリと胸中を明かしています。
この秀太郎さんのブログを読んだ時、私はその矜持というか、心意気にとても感じ入って当時、私のブログでも紹介したのですが、実際多くの人たちの心に、梅川の姿は焼き付いているようです。

 

私は2020年2月に歌舞伎座の十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言の夜の部の「道行故郷の初雪」で梅川を見ました。この時すでに78歳ですが、驚くほど可憐でした。舞台の空気を梅玉とともに、梅川忠兵衛の世界に一瞬で引きずり込んだ感がありました。素晴らしく可憐で美しい梅川でした。

若いころ、どれだけ絶品だったのか、本当に見ていないのが残念です。

この時は昼の部では、「筆法伝授」で園生の前を演じていました。

おえんのような世話物も絶品ですが、こういった時代物の格のある役もぴったりでした。

 

今にして思えば、この2020年2月の歌舞伎座の十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言は、いろいろな意味で忘れられませんね。なんと言ってもコロナ前の最後の舞台(千穐楽直前に中止となったが)。昼の部、夜の部というかけかたも、今ではそれすら懐かしい。

 

そして、秀太郎さんは2020年12月南座で藤の方を演じたのが最後の舞台となりました。しかしこの時は、体調万全というわけではありませんでしたから、この2月の舞台が元気な最後を飾ったと言ってもおかしくないのでは。追善供養なので、秀太郎さんが大好きだった十三世になじみのある演目ばかり演じられたのも、何やら今から思うと感慨深い。


その後世界はコロナに巻き込まれていったのですね。

はんなりときついことを秀太郎さんならではの言い方で、しれっと言うところなども魅力的で、とても素敵な方でした。

 

昨日、仁左衛門さんの言葉も発表されました。

hochi.news

気落ちしていないはずはないとは思いますが、毅然としている様子に、少しほっとするような。


同じ日、絵本作家のエリック・カール氏が亡くなりました。また24日には浮世絵師の鳥居清光さんが亡くなりました。鳥居さんは、今歌舞伎座の前に毎月飾られている絵看板を長く描かれていた方です。現在飾られている5月の絵看板も鳥居さんの手によるもの。6月も制作中だったそうです。

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寂しいですね。合掌。